2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第5問解答画面(正解)

正解です。
機関投資家によっては、取締役選任を全体で1つの議案として捉えて、1人でも選任基準に抵触した場合には議案全体(すなわち候補者全員)に反対する(すなわち、いわゆる「枝番行使」をしない)運用機関も存在します(問題文は正しいです)。

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2018/11/09 2018年3月末決算企業 主要国内機関投資家による議決権行使結果 第一弾(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第4問解答画面(不正解)

不正解です。
法務省の法制審議会・会社法制(企業統治等関係)部会が現在検討中の「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」のとおり会社法が改正されると、上場会社(大会社に限る)における社外取締役の設置は会社法上の義務となります。そうなると新たに論点として浮上するのが、「社外取締役が不在のまま開催された取締役会の決議の効力」です。社外取締役が取締役会にとって不可欠の存在であれば、社外取締役が1名しかいない会社で社外取締役に欠員が生じたり、取締役会を単に欠席したりすると、そのように不可欠の存在のはずの社外取締役が議論に加わっていない以上、取締役会の決議の効力に瑕疵があるのではないかということです。この論点に関して、同部会では「会社法において社外取締役を置くことが義務付けられた場合であっても、社外取締役に欠員が生じたことが、直ちに取締役会決議の効力に影響すると考える必要はないと考えられる。当部会においても、仮に、上場会社等について社外取締役を置くことを義務付けたとしても、社外取締役は取締役会の構成員の一人であって、これを特別扱いして、社外取締役を欠くときに有効に取締役会の決議をすることができないとまで考える必要はない」と結論付けています(問題文は誤りです)。

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2018/11/09 2018年3月末決算企業 主要国内機関投資家による議決権行使結果 第一弾(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第4問解答画面(正解)

正解です。
法務省の法制審議会・会社法制(企業統治等関係)部会が現在検討中の「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」のとおり会社法が改正されると、上場会社(大会社に限る)における社外取締役の設置は会社法上の義務となります。そうなると新たに論点として浮上するのが、「社外取締役が不在のまま開催された取締役会の決議の効力」です。社外取締役が取締役会にとって不可欠の存在であれば、社外取締役が1名しかいない会社で社外取締役に欠員が生じたり、取締役会を単に欠席したりすると、そのように不可欠の存在のはずの社外取締役が議論に加わっていない以上、取締役会の決議の効力に瑕疵があるのではないかということです。この論点に関して、同部会では「会社法において社外取締役を置くことが義務付けられた場合であっても、社外取締役に欠員が生じたことが、直ちに取締役会決議の効力に影響すると考える必要はないと考えられる。当部会においても、仮に、上場会社等について社外取締役を置くことを義務付けたとしても、社外取締役は取締役会の構成員の一人であって、これを特別扱いして、社外取締役を欠くときに有効に取締役会の決議をすることができないとまで考える必要はない」と結論付けています(問題文は誤りです)。

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2018/11/05 社外取締役義務付けで上場会社の2割弱に浮上する問題と対策(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
2018年6月28日に金融庁が公表した「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告-資本市場における好循環の実現に向けて-」(以下、DWG報告)では、現行制度で1億円以上の開示が求められている役員の個別報酬額の開示について、「報酬水準を基準に区切るのではなく、CEOや代表取締役などの一定の役割を果たす者や、報酬額上位から一定数の者について開示を求めることが、報酬の適切性を検証する上で必要」との意見があったものの、DWG報告を受けて金融庁が2018年11月2日に公表した「有価証券報告書等の記載事項についての改正案」では現行制度の1億円基準が維持されています(問題文は誤りです)。

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2018/11/05 速報 「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容が大幅改正へ(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
2018年6月28日に金融庁が公表した「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告-資本市場における好循環の実現に向けて-」(以下、DWG報告)では、現行制度で1億円以上の開示が求められている役員の個別報酬額の開示について、「報酬水準を基準に区切るのではなく、CEOや代表取締役などの一定の役割を果たす者や、報酬額上位から一定数の者について開示を求めることが、報酬の適切性を検証する上で必要」との意見があったものの、DWG報告を受けて金融庁が2018年11月2日に公表した「有価証券報告書等の記載事項についての改正案」では現行制度の1億円基準が維持されています(問題文は誤りです)。

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2018/11/05 速報 「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載内容が大幅改正へ(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
ESG投資を行う機関投資家がダイベストメント(投資の撤退)を選択する契機は、今のところ気候変動関連が多いのは事実ですが、最近では「銃器」「タバコ」「原子力」「核兵器」「毛皮」「個人情報流出」等にも広がりを見せています。

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2018/11/02 情報漏洩企業も対象に “気候変動以外”の投資撤退要因(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
ESG投資を行う機関投資家がダイベストメント(投資の撤退)を選択する契機は、今のところ気候変動関連が多いのは事実ですが、最近では「銃器」「タバコ」「原子力」「核兵器」「毛皮」「個人情報流出」等にも広がりを見せています。

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2018/11/02 情報漏洩企業も対象に “気候変動以外”の投資撤退要因(会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
取締役会/監査役会への出席率を社外役員の再任に賛成する条件の一つとして掲げている機関投資家は少なくありません。もっとも、取締役会/監査役会への出席率を具体的にどの程度にするかは機関投資家によって異なります。例えばアセットマネジメントOneは取締役会/監査役会への出席率基準を85%にしています。問題文の「取締役会/監査役会への出席率8割以上を掲げている機関投資家はない」は誤りです。

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2018/11/01 【特集】2018年6月総会・機関投資家の議決権行使結果分析(2・会員限定)

2018/11/30 2018年11月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
取締役会/監査役会への出席率を社外役員の再任に賛成する条件の一つとして掲げている機関投資家は少なくありません。もっとも、取締役会/監査役会への出席率を具体的にどの程度にするかは機関投資家によって異なります。例えばアセットマネジメントOneは取締役会/監査役会への出席率基準を85%にしています。問題文の「取締役会/監査役会への出席率8割以上を掲げている機関投資家はない」は誤りです。

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2018/11/01 【特集】2018年6月総会・機関投資家の議決権行使結果分析(2・会員限定)

2018/11/30 【2018年10月の課題】就活ルール廃止による中長期的な影響と人事戦略(会員限定)

「広報活動の3月1日解禁」が守られる理由

経団連は(2018年)10月9日、が現在の大学2年生から就活ルール(会社説明会は3年生の3月、選考活動は6月、内定は10月解禁)を廃止することを決めました。その背景の一つには「経団連のルール」の形骸化があると言われています。課題でも触れたとおり、政府は現在の大学2年生については政府主導で現行の就活ルールを維持することを確認し、さらにその下の学年についても当面は維持していくことを示唆しているものの、そもそも経団連ルールの形骸化が背景にある以上、いくら政府が現行の就活ルールの維持を口にしたところで、「今後さらに採用が前倒しされ、有名企業から内定が出ていくのではないか」「上場企業と言えども、業界内の順位や知名度に劣る企業は新卒の採用が思うようにできなくなるのではないか」といった懸念の声も聞かれます。

もっとも、経団連ルールが形骸化しているのは本来は「6月1日」とされる採用選考活動開始解禁日のことであって、「3月1日」とされる採用の広報活動開始解禁日はほとんどの企業が守っています。文部科学省の調査によると、大企業(従業員300人以上)の6割超が、「競合する他社よりも早く学生に接触するため」 といった理由で6月1日より前に採用選考活動を始めてしまっているのに対し、広報活動開始解禁日は7割超の大企業が守っています(文部科学省 2018年度「就職・採用活動に関する調査(企業 )調査結果 【速報版】10ページ~参照)。

これはなぜかというと、3月1日にならないと、マイナビやリクナビが「プレ・エントリー」用のサイトをオープンしないからです。このサイトがオープンすると学生がメールアドレスなどを登録し、企業ははじめて会社説明会等の案内を学生に送ることができるようになります。上述のとおり、今後は政府が就活ルールを(当面は)維持していくということであれば、マイナビもリクナビも3月1日とういうサイトオープン日を前倒しすることはしないでしょう。

したがって、6月からの採用選考活動開始というルールを無視し、5月や4月に前倒する企業はあっても、「3月1日」より前に広報活動を開始する企業はほとんどないと予想されます。企業は、当面(少なくとも今後2年程度)は、2018年度と同じ新卒採用活動を継続できるはずです(経団連ルールの改定については【2016年1月の課題】「優秀な学生を確保するための採用活動」の解答(3)経団連「採用選考に関する指針」の改定 参照)。

「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ

ただ、現在の新卒採用活動はいずれ見直さざるを得ない時期が来るでしょう。なぜなら、新卒一括採用は、産業構造の変化、技術の進歩、デジタル化、グローバル化などが急速に進む現代社会にはもはや適さなくなりつつあるからです。今回就活ルールの廃止を決めた中西宏明・経団連会長が経営トップ(会長)を務める日立製作所はかつては純粋なメーカーでしたが、現在はICTなどに関するソリューションを提供する企業へと変貌を遂げています。また、金融機関では最近、フィンテックに精通した人材の採用ニーズが高まっています。こうした産業構造の変化に、新卒で一括採用した人材だけで対応するのは困難でしょう。このほか、グローバルに人材を採用している企業からは、「日本の学生だけが一括採用という名の下、日程に縛られるという手法は、もはや全社的な採用戦略にフィットしなくなっている」といった声も聞かれます。

ICT : 「Information and Communication Technology」の略で、情報・通信に関する技術の総称。ITと同義と考えてよい。近年はITよりICTの方が用語として一般的になりつつある。

では、これまで新卒一括採用を中心としてきた日本企業の採用戦略はどのように変わっていくべきでしょうか。結論から言えば、「メンバーシップ型」から「ジョブ型」への転換が必要になります。

メンバーシップ型とは、これまで多くの日本企業がとってきた採用手法であり、入社後、自社の“メンバー”としてふさわしい人材になれるかどうかという観点から採用を行うというものです。ある企業の社員が「〇〇マン」(〇〇は社名)などと呼ばれることがあるように、多くの日本企業には、「ウチの会社の社員はこういう人材になるべき」という一貫したポリシーが存在してきました。そのような人材を作るため、新卒の採用面接では「コミュニケーション能力」や「協調性」が重視され、入社後は、自社の“メンバー”としてふさわしい人材とするべく、ジョブローテーションにより部署や勤務地を頻繁に変え、そこで先輩社員の指導の下、OJTを受けながら、入社後一定期間ごとに用意されている「〇年目研修」といった研修への参加を義務付けられ、10年もすると紛れもない「〇〇マン」となります。「〇〇マン」とは典型的なゼネラリストであり、いわば“その会社の専門家”と言えます。終身雇用を前提とすれば、その会社の専門家になれば生きていくことができるでしょう。

これに対しジョブ型とは、欧米で普及している採用手法であり、自社の専門家ではなく、「特定のポスト」や「特定の職種」の専門家として人材を採用するというものです。例えばあるメーカーで技術畑の役員が辞めてしまったとします。その場合、他の技術畑の役員を労働市場から探してこようというのがジョブ型流です。ジョブ型が浸透した欧米では、経営者人材も流動化しており、様々な企業の経営者を経験した「プロの経営者」が数多くいます。これは役員以外の人材でも同じです。例えば経理部長が退職した場合、代わりの経理部長を労働市場の中から探してきます。その背景には、経理全体を見る経理部長という職種には「マネジメント」という単なる経理スキルとは全く別のスキルが必要であるとの考え方があります。

これに対し、日本企業では経理部長が辞めれば経理課長を経理部長に昇進させるというように、“社内労働市場”の中から人材を調達してきました。「メンバーシップ」の中で自社の専門家を育成し、その延長線上にポストがあるというのが、従来の日本企業の考え方だったと言えます。しかし、上述のとおり、急速に進む産業構造の変化、技術の進歩、デジタル化、グローバル化の中で、“社内労働市場”の人材だけでは対応できない事象は益々増えていくと考えられます。日本企業がメンバーシップ型からジョブ型への転換を迫られる日もそう遠くはないでしょう。

新卒採用におけるジョブ型導入にはインターンシップ改革が不可欠

ただ、「メンバーシップ型からジョブ型へ」と口で言うのは簡単でも、それを実現するためには多くの課題があります。

中途採用では可能でしょう。実際、既に多くの上場企業が中途採用ではジョブ型を採用しています。欧米企業がそうであるように、ジョブ型を実現するためには、「このポジションではこの仕事をやる」というジョブディスクリプションを明確にする必要がありますが、日本企業でも中途採用においては、募集要項等にジョブディスクリプションを示すのが通常です。

難しいのは、新卒採用でジョブ型を導入することです。ジョブ型では、中途採用する人材と学生がフラットに評価されます。例えば、募集をかけた職種に他社で経験のある人材と新卒の学生が応募してきた場合、当然ながら前者が有利になります。実際、ジョブ型が普及している欧米諸国では若者の失業率が軒並み高くなっています。一方、入社後の教育を前提に企業が新卒を一括採用してくれる日本で若者の失業率が低くなっているのも頷けるところです。

しかし、日本でも新卒採用でジョブ型が一般的になれば、欧米諸国と同じく若者の失業率が上昇し、社会問題化するかもしれません。また、若者がいつまでも失業したままでビジネス経験を積むことができないとなれば、少子高齢化が進む中、結局は企業にも「働き手の不足」という形で不利益をもたらすことになります。

そこで今後注目されることになりそうなのがインターンシップです。今のところ日本企業におけるインターンシップはあくまで「教育の一環」としての“就業体験”であって、就職と直結させてはいけないというルールになっています。これに対し欧米諸国のインターンシップは完全に就職と直結しており、新卒の学生はどんなインターンシップを経験してきたかを履歴書に延々と書くことになります。実際、米国のある有名大学の就職課でも、募集職種に関係するインターンシップ経験を見つけ出して書き出すよう指導しているそうです。この点、メンバーシップ型の新卒採用を続けてきた日本企業の面接で、学生がコミュニケーション能力や協調性をアピールするためにサークルの部長や幹事を務めた経験を訴えるのとは大きく異なります。

日本の経済界が新卒採用においてもジョブ型を導入する方向に大きく舵を切った以上、今後は「若者がビジネス経験を積むための仕組み」としてインターンシップを位置付けることが検討される可能性があります。また、既卒者のインターンシップが出てくることも十分あり得るでしょう。

既に「ジョブ型」の新卒採用を実施している企業も

もっとも、ビジネス経験を積むための仕組みとしてのインターンシップにも問題がないわけではありません。特に既卒者がインターンシップでビジネス経験を積むこととなった場合、非正規労働者に近い立場となるため、賃金の問題が出てくることが考えられます。実際、フランスでは「インターンシップの賃金が最低賃金より低い」としてデモが発生しています。日本でインターンシップが普及した場合、低賃金等、非正規労働者について発生した問題と同様の問題が生じる可能性があります。

逆に、新卒あるいはそれに準ずる若年層であっても高い専門性を有している場合、専門性に見合った高い給与を支払う必要が出てくるでしょう。例えば、ある銀行がフィンテックを手掛けるため専門の技術者を採用したいといった場合、その人材に年功序列を前提に設計された給与テーブルからはじき出した年収を提示したところで、採用に至るのは困難です。そこで、まずはこうした専門職種から、その職種向けの賃金テーブルが作られ、徐々に他の専門職種にも広がっていくことが予想されます。当面は技術系のほか、法務、会計、人事などがジョブ型になっていくことが考えられます。また、営業職についても、「営業=スペシャリティ」と捉えれば、ジョブ型の職種として処遇される可能性があります。

例えば日立製作所では、新卒採用についても、「研究開発、設計開発、生産技術、品質保証、システムエンジニア(SE)、営業、経理財務、資材調達、人事総務、生産管理、法務、知的財産マネジメント」など募集職種を明記しているほか、各職種について詳しく説明しています。

また、みずほフィナンシャルグループは、「基幹職(総合)「基幹職(専門)」「特定職」の3つの職域を設け、例えば「基幹職(総合)」のうち「グローバルマーケッツ&アセットマネジメントコース」では、入社時の配属先を「グローバルマーケッツ部門」「リサーチ&コンサルティングユニット、コーポレート部門リスク管理グループ、アセットマネジメント部門」に特定するとともに、新卒採用であるにもかかわらず、「最先端テクノロジーを活用した開発業務、金融テクノロジー関連業務、リスク管理業務は、大学院を修了(見込)の方、または同等の専門性を有する四年制大学を卒業(見込)の方が対象となります」と高い専門性を求めています。これは、ジョブ型の新卒採用の一形態と言ってよいでしょう。また、入社先も職種により「みずほフィナンシャルグループ・みずほ銀行・みずほ信託銀行の国内外の各拠点及び本部」のいずれかとなります。今回の就活ルール廃止に際し、経団連の中西会長は「現在の行われているのが“就社活動”であり就職活動ではない。若い人には『こういう職業に就きたい』とか『こういう職種で働きたい』といった職業観を持ってもらいたいし、それに沿った勉強もしてもらいたい。それが就職活動であり、就社活動とは違うことを明確にするためにも“就活”と略すべきではない」旨の考えを示していますが、入社先が特定されていないみずほフィナンシャルグループの新卒採用は、中西会長の考え方に近いものと言えそうです。

「総合職」は将来の経営者候補の職種に

ジョブ型の採用が広がった場合、これとともに現在のゼネラリスト型の「総合職」の採用人数は絞り込まれていくことになるでしょう。

ただし、ゼネラリスト型人材の採用がなくなるわけではありません。欧米企業にも、まさに日本の総合職と同じで、様々な職務、ポストを経験し、いずれ経営者となっていく人材が存在します。現在の日本企業では、経営者候補もそうでない者も同じく「総合職」という立場ありますが、将来的には、欧米企業同様、将来の経営者候補が新卒の段階で総合職に選抜されることが予想されます。

新卒の段階で経営者候補とそうでない者を選別することに対しては「差別」といった声が上がるかもしれませんが、近年は例えば「地域限定社員」を志す者が増加するなど、ワークライフバランス等の観点から個人の志向も変わってきています。また、様々な部門を渡り歩くような無限定な働き方よりも、特定の職種で専門性を極めたいと考える者も少なくありません。こうした者は経営者になることはないとしても、その高い専門性を武器に社内でも安定的な立場にいられるほか、転職により年収を上げるということも可能になります。「会社員になった以上は誰もが社長を目指す」という時代は既に終わっていると考えるべきでしょう。また、総合職にしても「マネジメント(経営)の専門家」という意味ではジョブ型の一つとも言えます。

ある労務専門家は、今後は新卒採用のうち一部の専門的な職種の採用がジョブ型に移行し、現在の総合職採用と共存する“ハイブリッド型”が続き、次第に総合職の採用人数が絞り込まれ、いずれジョブ型中心の採用形態になっていくと予想しています。上場企業の経営陣は、「就職活動≠就社活動」ではないということを認識し、今後の新卒採用、各職種への人員配置、職種に応じた給与体系、将来の経営者候補の選抜基準などを検討していく必要があります。