2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第4問解答画面(正解)

正解です。
新たに導入される収益認識会計基準の公開草案では、収益は「(財・サービスの)支配の移転」時に認識することになるため、検収基準が原則とされています。もっとも、顧客による検収までの期間が通常の期間である場合(当該期間が国内における出荷および配送に要する日数に照らして取引慣行ごとに合理的と考えられる日数である場合)には、出荷時から当該商品または製品の支配が顧客に移転される時までの間の一時点(例えば、出荷時や着荷時)に収益を認識することができるとされています。問題文の「出荷基準で収益を認識することは認められなくなる」は誤りです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/11 役員も押さえておきたい 収益認識会計基準導入で企業に求められる対応(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
東京証券取引所が半年に一回集計・開示している「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果」によると、コーポレートガバナンス・コードの補充原則4-11③(取締役会による取締役会の実効性に関する分析・評価、結果の概要の開示)を遵守する上場企業は、問題文のとおり年々減っています。以上より、問題文は正しいです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/06 取締役会の実効性評価のエクスプレイン率が20%台に低下もその実態は?(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
東京証券取引所が半年に一回集計・開示している「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果」によると、コーポレートガバナンス・コードの補充原則4-11③(取締役会による取締役会の実効性に関する分析・評価、結果の概要の開示)を遵守する上場企業は、問題文のとおり年々減っています。以上より、問題文は正しいです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/06 取締役会の実効性評価のエクスプレイン率が20%台に低下もその実態は?(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
会社は、企業秩序を維持するため従業員に対して懲戒処分を科すことができるとされていますが、そのためには予め懲戒の対象となる事由と懲戒処分の種類を就業規則等に定め、従業員に周知しておく必要があります(最二小判平成15.10.10)。この点を踏まえると、就業規則等に「部下が懲戒処分を受けたときはその上司も懲戒することがある」といった明文規定がない限り上司に懲戒処分を科すことはできないようにも見えます。しかし、部下の監督や指導を行う立場の者がそれを怠ったために不祥事が起きた場合、例えば通常は就業規則に明記されている「故意または過失により会社に損害を与えたとき」という条項を適用して懲戒処分を科すことが可能とされています。実際に、部下が横領を働いていたのを見逃した上司を「重大な過失により会社に損害を与えた」という理由で懲戒解雇した事件(大阪地判平成10.3.23)でも、裁判所は会社側の言い分を認めています。以上より、問題文は正しいです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/05 懲戒の意義(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
会社は、企業秩序を維持するため従業員に対して懲戒処分を科すことができるとされていますが、そのためには予め懲戒の対象となる事由と懲戒処分の種類を就業規則等に定め、従業員に周知しておく必要があります(最二小判平成15.10.10)。この点を踏まえると、就業規則等に「部下が懲戒処分を受けたときはその上司も懲戒することがある」といった明文規定がない限り上司に懲戒処分を科すことはできないようにも見えます。しかし、部下の監督や指導を行う立場の者がそれを怠ったために不祥事が起きた場合、例えば通常は就業規則に明記されている「故意または過失により会社に損害を与えたとき」という条項を適用して懲戒処分を科すことが可能とされています。実際に、部下が横領を働いていたのを見逃した上司を「重大な過失により会社に損害を与えた」という理由で懲戒解雇した事件(大阪地判平成10.3.23)でも、裁判所は会社側の言い分を認めています。以上より、問題文は正しいです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/05 懲戒の意義(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
政府が事業報告と有価証券報告書の一体的開示を推進しているのは、企業と投資家の双方にとってメリットがあるからです。投資家にとっての一体的開示のメリットはせいぜい「一回で情報を入手できる」という程度に過ぎませんが、企業にとっては開示負担の軽減が期待されています。以上より、問題文は誤りです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/01 現行の有報より厚く? 事業報告と有報を“兼用”する開示書類案が浮上(会員限定)

2017/09/30 2017年9月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
政府が事業報告と有価証券報告書の一体的開示を推進しているのは、企業と投資家の双方にとってメリットがあるからです。投資家にとっての一体的開示のメリットはせいぜい「一回で情報を入手できる」という程度に過ぎませんが、企業にとっては開示負担の軽減が期待されています。以上より、問題文は誤りです。

こちらの記事で再確認!
2017/09/01 現行の有報より厚く? 事業報告と有報を“兼用”する開示書類案が浮上(会員限定)

2017/09/29 【役員会 Good&Bad発言集】セグメント情報の「その他」

東証一部に上場している製造業のZ社では、製造・販売する機械の対象となる業界ごとに3つのセグメントに区分し、その3つに区分されない売上をまとめて「その他」のセグメントとして開示しています。

Z社の取締役会では、経理担当取締役によりセグメントごとの業績が報告されている最中です。先日の株主総会で初めて選任された社外取締役Aが、「その他」のセグメントに含まれている和食店Yの売上に関連して「製造業のわが社がシナジーのない和食店を経営しているのはなぜでしょうか。そもそも利益が出ていないようですが、撤退するかどうかの検討が必要なのではないでしょうか?」と発言したところ、社内取締役Bが「もともとは会長が『日本の伝統文化の振興』を目的として開店したもので、取引先の接待でも利用しています。不景気が続いたこともあり価格帯の高い和食店には客が入らず、苦戦しています。開店以来20年間黒字になった年はありません。店舗が老朽化したことも客が入らない一因なので、近日中に店舗の改装をする予定です。」と回答しました。その後、和食店の経営を巡り、役員A・B・Cが下記の発言をしました。誰の発言がGood発言でしょうか?

社外取締役A:「開店以来黒字になったことがない店舗であるにもかかわらず改装を予定しているとは、いささか驚きました。このような状況が投資家の知るところになると、説明に困るのではないでしょうか。そもそも、製造業を営むわが社が『日本の伝統文化の振興』に取り組む必要はあるのでしょうか?」

社内取締役B:「当社では、和食店事業をセグメント情報の『その他』に含めており、その損益について有価証券報告書や事業報告・決算短信などで個別開示をしていません。これは和食店事業の損益の金額的重要性が低い以上やむを得ないことです。そもそも投資家に和食店事業の損益を説明していない以上、赤字であることにそれほど神経質になる必要はないかと思います。」

社外取締役C:「これを機に今年度から和食店事業を独立したセグメントとして開示してはどうでしょうか。」

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

解説と正解はこちらをクリック
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから

2017/09/29 【役員会 Good&Bad発言集】セグメント情報の「その他」(会員限定)

<解説>
事業セグメントと報告セグメント

投資家が重視する企業情報の1つにセグメント情報があります。企業の事業は複数のセグメントで構成されているのが通常であり、セグメントごとに事業の成長トレンドが異なることから、企業全体としての業績や過去の損益推移を見るよりも、セグメントごとの業績や過去の損益推移を見た方が、より詳細に企業を分析でき、将来のキャッシュ・フローをより精緻に予測できるからです。

上場企業におけるセグメント情報の開示は、企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(セグメント会計基準)に従うことになります。セグメント会計基準によると、まず企業の事業セグメントを認識することになります。事業セグメントとは企業の構成単位で、次の要件のすべてに該当するものをいいます(連結財務諸表作成会社では連結ベースで判断します)。

(1) 収益を稼得し、費用が発生する事業活動に関わるもの(同一企業内の他の構成単位との取引に関連する収益および費用を含む)
(2) 企業の最高経営意思決定機関が、当該構成単位に配分すべき資源に関する意思決定を行い、また、その業績を評価するために、その経営成績を定期的に検討するもの
(3) 分離された財務情報を入手できるもの

上記の3つの要件のうち(2)の要件の「企業の最高経営意思決定機関が・・・」という箇所は、経営陣が利用している情報をそのまま投資家に開示することこそ、投資家にとって業績等を判断するのに役立つという考えに基づくものです(この考えをマネジメントアプローチと言います)。

もっとも、企業は事業セグメントのすべてを開示しなければならないわけではありません。まず複数の事業セグメントが次の要件のすべてを満たす場合、企業は当該事業セグメントを1つの事業セグメントに集約することができます。

(1) 当該事業セグメントを集約することが、セグメント情報を開示する基本原則と整合していること
(2) 当該事業セグメントの経済的特徴が概ね類似していること
(3) 当該事業セグメントの次のすべての要素が概ね類似していること
 ① 製品およびサービスの内容
 ② 製品の製造方法または製造過程、サービスの提供方法
 ③ 製品およびサービスを販売する市場または顧客の種類
 ④ 製品およびサービスの販売方法
 ⑤ 銀行、保険、公益事業等のような業種に特有の規制環境

そのうえで、事業セグメントまたは集約された事業セグメントの中から、下記の量的基準に従って、報告すべきセグメント(報告セグメント)を決定することになります。

(1) 売上高(事業セグメント間の内部売上高または振替高を含む)がすべての事業セグメントの売上高の合計額の10%以上であること
(2) 利益または損失の絶対値が、①利益の生じているすべての事業セグメントの利益の合計額、または②損失の生じているすべての事業セグメントの損失の合計額の絶対値のいずれか大きい額の10%以上であること
(3) 資産が、すべての事業セグメントの資産の合計額の10%以上であること

そして、報告セグメントの外部顧客への売上高の合計額が連結損益計算書の売上高の75%未満である場合には、連結損益計算書の売上高の75%以上が報告セグメントに含まれるまで、報告セグメントとする事業セグメントを追加して識別しなければなりません。

こういった判断の結果、報告セグメントでは「その他」に含まれる事業セグメントが生じる場合もあり得ますが、「その他」に含まれる事業だからといって経営を疎かにして良いことにはならず、経営陣はROEやROAなどのKPIを定めて経営を管理し、事業を存続すべきかどうかを常にウオッチすべきことは言うまでもありません。

さて、以上の解説をご覧いただければ、どれがGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

社外取締役A:「開店以来黒字になったことがない店舗であるにもかかわらず改装を予定しているとは、いささか驚きました。このような状況が投資家の知るところになると、説明に困るのではないでしょうか。そもそも、製造業を営むわが社が『日本の伝統文化の振興』に取り組む必要はあるのでしょうか?」
コメント:社内取締役は、さまざまなしがらみがあることから、往々にして赤字事業からの撤退を言い出しにくいものです。選任されて間もない社外取締役だからこそ言える本音の発言はGOODです。

BAD発言はこちら
社内取締役B:「当社では、和食店事業をセグメント情報の『その他』に含めており、その損益について有価証券報告書や事業報告・決算短信などで個別開示をしていません。これは和食店事業の損益の金額的重要性が低い以上やむを得ないことです。そもそも投資家に和食店事業の損益を説明していない以上、赤字であることにそれほど神経質になる必要はないかと思います。」
コメント:「投資家に和食店事業の個別の損益を説明していないのは、損益面の金額的重要性が低いから」という説明は間違いではありません。しかし、そのような事業であっても、株主の資金を用いて事業を営んでいる以上、決して経営を疎かにしてはなりません。投資家への説明が不要であることを理由に、赤字の垂れ流しを許容するかのようなBの発言はBADです。
社外取締役C:「これを機に今年度から和食店事業を独立したセグメントとして開示してはどうでしょうか。」
コメント:和食店事業を報告セグメントとして開示すべきかどうかの判断は、和食店事業の売上高の規模だけでなく、経営陣が和食店事業を今後どのように育てていくのかという計画や「その他」に含まれる他の事業セグメントの売上高の大小に左右されるものです。上場企業が報告セグメントを新設するということは、投資家に対して新たな事業の柱が登場したことを報告するとともに、今後は当該報告セグメントに経営資源を集中的に投下していくことを宣言するに等しいと言っても過言ではありません。逆にそのような状況でないにもかかわらず「その他」に含めていた事業セグメントをあらたに独立した報告セグメントとして開示してしまうと、投資家の投資判断をミスリードしかねません。このように報告セグメントの追加は慎重に判断すべき事項であり、何でも投資家にオープンにすればいいという単純な話ではないので、Cの発言はBAD発言です。まして別の社外取締役が和食店事業からの撤退を提案しようとしている時に、その議論に踏み込むことなく和食店事業を独立した報告セグメントとして開示することを提案するあたりもBADと言わざるを得ません。