不正解です。
企業会計基準委員会(ASBJ)は、繰延税金資産(新用語・難解用語辞典の「資産負債法」参照)の将来の回収可能性を定めた委員会報告「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い(監査委員会報告第66号)」(以下、66号)を日本公認会計士協会から移管したうえで、その見直しを進めています。その結果は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」として近く取りまとめられる予定ですが、ASBJにおける公開草案の検討の最終局面になり、今回の改訂が「会計上の見積りの変更」にあたるのか、それとも「会計基準等の改正に伴う会計方針の変更」にあたるのかで議論が紛糾しています。なぜなら今回の改訂を「会計上の見積りの変更」と捉えれば前期末と当期末の繰延税金資産の差額(増加分 ※)が当期の利益に含められる(結果的に期首時点の影響額は当期の利益に含められる)のに対し、同適用指針の施行を「会計基準等の改正に伴う会計方針の変更」と捉えれば繰延税金資産の期首時点の増加分が期首の利益剰余金で調整される(当期の利益に含められない)からです(以上より、問題文の記述は正しいです)。
同適用指針では会社分類や繰延税金資産の回収可能性の判断が、66号よりも柔軟なものになります。そのため、同適用指針の施行により繰延税金資産が増加する企業は少なくないと見込まれています。利益を増やしたい産業界としては「会計上の見積りの変更」と捉えるべきと主張し、「会計基準等の改正に伴う会計方針の変更」と捉えるべきとする事務局側と議論が平行線になっています。
事務局では本適用指針の施行を「会計基準等の改正に伴う会計方針の変更」と整理して公開草案を公表するものの、公開草案に質問項目を設けて広く意見を募る予定です。
※ 実際には繰延税金負債も考慮します。
会計上の見積りの変更 :新たに入手可能となった情報に基づいて、過去に財務諸表を作成する際に行った会計上の見積りを変更すること。
会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 会計基準等の改正に伴い強制的に行われる会計方針の変更のこと。正当な理由に基づき「認められた会計方針」から別の「認められた会計方針」に任意で行う会計方針の変更とは区別される。
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2015/04/13 66号改訂、「会計上の見積りの変更」に該当なら利益の押し上げも(会員限定)