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【問題3】
ASBJで検討中の「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」が「会計上の見積りの変更」にあたれば、同適用指針の適用初年度の期首時点の影響額がプラス(繰延税金資産が増える)の企業では、適用により初年度の利益が期首時点の影響額の分だけ底上げされる。
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ASBJで検討中の「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」が「会計上の見積りの変更」にあたれば、同適用指針の適用初年度の期首時点の影響額がプラス(繰延税金資産が増える)の企業では、適用により初年度の利益が期首時点の影響額の分だけ底上げされる。
法人税法に規定される「保有割合5%以下」の株式のこと。平成27年度税制改正によって新たに導入された概念であり、早速上場企業の資本政策にも影響を与えている。
株式の保有に伴って得た配当収入は・・・
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法人税法に規定される「保有割合5%以下」の株式のこと。平成27年度税制改正によって新たに導入された概念であり、早速上場企業の資本政策にも影響を与えている。
株式の保有に伴って得た配当収入は、法人税の計算上、「益金」として課税対象となるのが原則だが、配当は法人税が課された後の税引後純利益(=当期純利益)から支払われるため、配当を支払った先(配当をもらう側)で再びこれに課税すると“二重課税”になってしまう。そこで法人税法では、「受取配当益金不算入」という仕組みを設け、配当をもらう側においては、配当の全部または一部を益金に算入しないことで、二重課税の防止に努めている。ただ、単に売却益狙いで株式を保有している場合まで、配当への課税を過度に制限する必要はないとの考えから、株式の保有割合によって、益金に算入しない割合(益金不算入割合)に階段を設けている。具体的には下表のとおり。保有割合が大きければ大きいほど、「会社を支配する目的」で保有している(=売却目的でない)と考えられるため、益金不算入割合も大きくなる仕組みである。
| 保有割合(呼称) | 益金不算入割合 |
| 100%(完全子法人株式) | 100% |
| 1/3超(関連法人株式) | 100%(※) |
| 5%超1/3未満(その他の株式) | 50% |
| 5%以下(非支配目的株式) | 20% |
※ 株式を購入するために要した「負債利子」を配当の額から控除した額が、益金不算入額となる(その分、益金不算入額は減る)。
いわゆる持合株式(政策保有株式)は5%前後の保有割合であることが少なくないが、上の表のとおり、「5%以下」か「5%超」かによって税負担が大きく変わっているので要注意だ。「5%以下or5%超」は、配当の「基準日」、すなわち決算期末における株式保有割合によって判定することになっている。
もう1つ注意しなければならないのが、「5%以下or5%超」の判定上、「基準日以前1月以内に購入し、かつ、当該基準日後2月以内に売却した株式」は考慮されないという点。つまり、基準日時点の株式の保有割合を5%超(益金不算入割合50%)にしようとして、基準日の直前に株式を買い増したとしても、これをすぐに(基準日後2か月以内)売却してしまえば、当該買増し分の株式は「保有割合」にカウントされないため、買増しは無意味と化してしまうわけだ。
政策保有株式については、コーポレートガバナンス・コードでも「保有のねらい・合理性」を具体的に説明することが求められている(原則1-4)。平成27年度税制改正と相まって、「税負担を減らすために政策保有株式を買い増した」といった開示例が見られるかもしれない。
多くの3月決算会社は、株主総会(定時株主総会を前提とする。以下、同様)での議決権を付与する「基準日」を3月31日としたうえで、株主総会を毎年6月に招集する旨を定款で定めているが、この常識が変わるかもしれない。
基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。基準日における株主(基準日株主)による権利行使は「基準日から三箇月以内」に限定されている(会社法124条2項)。毎事業年度末から3か月以内に株主総会を開催しているのはこのためである。
経済産業省の「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」は、株主との対話を促進させるとの観点から、株主総会の開催時期を後倒しできないか検討してきたが、先週木曜日(2015年4月23日)に、伊藤レポートの第二弾と言える報告書を取りまとめている。
具体的には、議決権付与の基準日を現行の「決算日」(3月決算会社の場合、3月31日。下図の上側)から「決算日以降の日」(たとえば4月末や5月末など。下図の下側)とし、その日から3か月以内に株主総会を開催するとの考えを示している。報告書では、基準日が株主総会の開催日の約2か月前に設定されている米国の例を参考に、「7月」に株主総会を開催する案を紹介。この場合、7月下旬に株主総会の2か月前の「5月末」に議決権付与の基準日を設定すればよいとしている。
もっとも、7月に株主総会を実施することは現行会社法上も不可能ではない。会社法は、定時株主総会を「事業年度の終了後一定の時期」に開催すればよいとしている(会社法296条1項)。つまり、たとえ6月末までに定時株主総会を開催しなくても会社法違反にはならないということだ。
「7月開催」を実現するうえで最大の障壁とみられていたのが法人税の申告である。法人税の申告は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」が原則だが、監査を受ける上場会社等の場合は申告期限を延長することで「3か月以内」とされている。このため、3月決算会社が7月以降に株主総会を開催すれば、株主に計算書類の報告をする前に確定申告を行うことになってしまうという問題が生じる。
法人税法では、3か月以内に定時株主総会が開催されないなど“特別の事情”がある場合には、「税務署長が指定する月数の期間」申告期限を延長できることになっているが、この点について報告書では、「上場会社等が、株主との対話促進のために基準日を決算日以降の日に設定し、株主総会時期の見直しを行った場合には、法人税法上の申告期限を延長できる“特別の事情”に該当する」旨が明記された。当フォーラムの取材では、これは、・・・
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多くの3月決算会社は、株主総会(定時株主総会を前提とする。以下、同様)での議決権を付与する「基準日」を3月31日としたうえで、株主総会を毎年6月に招集する旨を定款で定めているが、この常識が変わるかもしれない。
基準日 : その日において株主名簿に名前が載っていれば、株主総会での議決権行使や配当を受ける権利を享受できる日のこと。基準日における株主(基準日株主)による権利行使は「基準日から三箇月以内」に限定されている(会社法124条2項)。毎事業年度末から3か月以内に株主総会を開催しているのはこのためである。
経済産業省の「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」は、株主との対話を促進させるとの観点から、株主総会の開催時期を後倒しできないか検討してきたが、先週木曜日(2015年4月23日)に、伊藤レポートの第二弾と言える報告書を取りまとめている。
具体的には、議決権付与の基準日を現行の「決算日」(3月決算会社の場合、3月31日。下図の上側)から「決算日以降の日」(たとえば4月末や5月末など。下図の下側)とし、その日から3か月以内に株主総会を開催するとの考えを示している。報告書では、基準日が株主総会の開催日の約2か月前に設定されている米国の例を参考に、「7月」に株主総会を開催する案を紹介。この場合、7月下旬に株主総会の2か月前の「5月末」に議決権付与の基準日を設定すればよいとしている。
もっとも、7月に株主総会を実施することは現行会社法上も不可能ではない。会社法は、定時株主総会を「事業年度の終了後一定の時期」に開催すればよいとしている(会社法296条1項)。つまり、たとえ6月末までに定時株主総会を開催しなくても会社法違反にはならないということだ。
「7月開催」を実現するうえで最大の障壁とみられていたのが法人税の申告である。法人税の申告は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」が原則だが、監査を受ける上場会社等の場合は申告期限を延長することで「3か月以内」とされている。このため、3月決算会社が7月以降に株主総会を開催すれば、株主に計算書類の報告をする前に確定申告を行うことになってしまうという問題が生じる。
法人税法では、3か月以内に定時株主総会が開催されないなど“特別の事情”がある場合には、「税務署長が指定する月数の期間」申告期限を延長できることになっているが、この点について報告書では、「上場会社等が、株主との対話促進のために基準日を決算日以降の日に設定し、株主総会時期の見直しを行った場合には、法人税法上の申告期限を延長できる“特別の事情”に該当する」旨が明記された。当フォーラムの取材では、これは、経済産業省が国税庁と調整した上での記述であることが確認されている。したがって、株主総会を後倒しするうえで最大の障壁となっていた法人税の申告期限の問題はクリアされたことになる。
このように、理論上は株主総会の開催時期を後倒しできることになったが、どれほどの会社が基準日を変更するかは未知数。日本企業の間では、「決算日における株主」に対して計算書類を報告するという実務慣行が定着しているからだ。
こうした中、報告書では、(1)ウェブによる招集通知関係情報の早期開示、(2)招集通知関係書類の電子化、(3)議決権行使の電子化を促進するなどの施策も盛り込んでいる。こうした電子化を進めることにより、会社が基準日を変更しなくても、株主が議案を検討する時間を確保することがある程度可能になりそうだ。
新入社員の配属や定期昇進等に伴い、この時期に人事異動(配置転換)を行う会社は多いが、人事異動がすべての社員にとって納得のいくものであることはまずあり得ない。なかには人事異動の不満を会社にぶつけて来る社員もいるかもしれないが、1人ひとりの不満を聞いていたらキリがないうえ、そもそも会社は「配置転換を行う権限(人事権)」を持っている。この権限は就業規則等に明文化するのが通常だが、仮に記載がなかったとしても、人事権は「経営権」の一つとして一般的に認められている。
ただし、だからと言って会社が人事権を“無制限”に発動できるわけではない。場合によっては人事異動が「無効」となってしまうこともある。
まず分かりやすい例として、「特定の職種または地位」を限定して採用した社員を異動させるケースが挙げられる。このような社員は、労働契約上、本人の同意なしに異動を命じることはできない。もし異動させたいのであれば、「本人の同意」が必須となる。仮に首尾よく本人の同意を得られたとしても、念のため新たな条件に基づく雇用契約書を取り交わしておくべきだ。
実際に人事異動が問題化するのは、社員がその妥当性に不満を抱いたケースだろう。労働法上は 、「人選に妥当性がない場合」や「不当な動機や目的がある場合」には、その人事異動は「権利の濫用」として無効とされることになっている。感情にまかせた人事異動や不当労働行為はこれに該当することになる。もとより、社員は人事異動の際に「自分は上司に嫌われているから飛ばされた」といった感情を抱きがち。人事異動を巡るトラブルを避けるためには、会社が人事異動を命じた理由(経営上あるいは業務上の必要性など)を、いざという時に誰にでも説明できるように整理しておくべきだろう。
不当労働行為 : 労働組合の組合員であることや労働組合を結成しようとしたことなどを理由として、労働者を解雇したり、不利益な取扱いしたりすること。
また、裁判所は、経営上の必要性とのバランスを衡量したとしても、「従業員に過大な不利益」を与える人事異動は無効であると断じている。例えば、人事異動により育児や介護に支障が出るような場合である。
人事異動は水面下で検討されるケースがほとんどであり、実際、「発令前の人事情報は極秘」というのが会社側の認識だろう。もちろんそれにも一理あるが、人事トラブルを防止する観点からは、発令前に本人に打診して、意見を聴いておくというやり方も検討の余地がありそうだ。
新入社員の配属や定期昇進等に伴い、この時期に人事異動(配置転換)を行う会社は多いが、人事異動がすべての社員にとって納得のいくものであることはまずあり得ない。なかには人事異動の不満を会社にぶつけて来る社員もいるかもしれないが、1人ひとりの不満を聞いていたらキリがないうえ、そもそも会社は「配置転換を行う権限(人事権)」を持っている。この権限は就業規則等に明文化するのが通常だが、仮に記載がなかったとしても、人事権は「経営権」の一つとして一般的に認められている。
ただし、だからと言って会社が人事権を“無制限”に発動できるわけではない。場合によっては人事異動が「無効」となってしまうこともある。
まず分かりやすい例として、・・・
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日本人の“働き過ぎ”解消に向け、政府は労働時間を短縮していく方針を打ち出している。今年(2015年)2月13日に厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会がまとめた「今後の労働時間法制等の在り方について」と題する報告書では、「時間外労働に対する監督指導の強化」や「所定外労働の削減に向けた労使の自主的取組の促進」「年次有給休暇の取得促進」などが提案されたところだ。
労働時間の短縮は社員にとっては喜ばしいことだが、実態として、日々の業務運営や好調な業績が社員の長時間労働に支えられているという企業は少なくないだろう。労働時間を短縮しつつ、業務運営に支障を来さず、また業績を維持していくためには、「労働生産性」を高めるしかない。しかし、元々日本の労働生産性は他の先進国と比べて低く、2013年における就業1時間当たりの日本の労働生産性は41.3ドルと、OECD加盟34カ国中20位となっている(日本生産性本部の調査)。
就業1時間当たりの労働生産性が日本と同水準にあるイギリス(46.6ドル)では現在、同国の労働生産性の低さが社会問題化している。イギリスの2014年のGDP成長率は前年比+2.6%と、2007年以来の高い水準を記録したが、実は「総労働時間の増加」がGDPの伸びに大きく貢献している。
イギリスの労働生産性が低い理由の1つとして指摘されているのが、「高スキル職種」と「低スキル職種」の二極化だ。同国では、従来“中間層”が担ってきた仕事が人件費の安い国外の労働力や産業ロボットに取って代わられたことで、このような現象が生じている。同様の傾向はヨーロッパ全体にあるが、中間層の雇用の減少を10とすると、イギリスでは高スキル職の雇用創出が4.5、低スキル職の雇用創出が5.5であるのに対し、ドイツやフランスではそれぞれ7、3と、中間層の雇用の減少を「高スキル職」の雇用の創出で補完している図式が見てとれる。
もちろん、イギリスにおいても高スキル職の雇用ニーズは高い。それにもかかわらず高スキル職の雇用が進まないのは、・・・
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日本人の“働き過ぎ”解消に向け、政府は労働時間を短縮していく方針を打ち出している。今年(2015年)2月13日に厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会がまとめた「今後の労働時間法制等の在り方について」と題する報告書では、「時間外労働に対する監督指導の強化」や「所定外労働の削減に向けた労使の自主的取組の促進」「年次有給休暇の取得促進」などが提案されたところだ。
労働時間の短縮は社員にとっては喜ばしいことだが、実態として、日々の業務運営や好調な業績が社員の長時間労働に支えられているという企業は少なくないだろう。労働時間を短縮しつつ、業務運営に支障を来さず、また業績を維持していくためには、「労働生産性」を高めるしかない。しかし、元々日本の労働生産性は他の先進国と比べて低く、2013年における就業1時間当たりの日本の労働生産性は41.3ドルと、OECD加盟34カ国中20位となっている(日本生産性本部の調査)。
就業1時間当たりの労働生産性が日本と同水準にあるイギリス(46.6ドル)では現在、同国の労働生産性の低さが社会問題化している。イギリスの2014年のGDP成長率は前年比+2.6%と、2007年以来の高い水準を記録したが、実は「総労働時間の増加」がGDPの伸びに大きく貢献している。
イギリスの労働生産性が低い理由の1つとして指摘されているのが、「高スキル職種」と「低スキル職種」の二極化だ。同国では、従来“中間層”が担ってきた仕事が人件費の安い国外の労働力や産業ロボットに取って代わられたことで、このような現象が生じている。同様の傾向はヨーロッパ全体にあるが、中間層の雇用の減少を10とすると、イギリスでは高スキル職の雇用創出が4.5、低スキル職の雇用創出が5.5であるのに対し、ドイツやフランスではそれぞれ7、3と、中間層の雇用の減少を「高スキル職」の雇用の創出で補完している図式が見てとれる。
もちろん、イギリスにおいても高スキル職の雇用ニーズは高い。それにもかかわらず高スキル職の雇用が進まないのは、高いスキルを持った人材が不足しているからに他ならない。その要因として挙げられるのが、雇用も解雇も容易にできるイギリス特有の柔軟な労働市場だ。このような柔軟な労働市場は、適切なスキルを持っていれば外国人労働者も受け入れる度量を持ち、実際、イギリスの労働市場は多くの外国人労働者を惹きつけ、経済成長の原動力になってきた。その一方で、企業に「育てるより雇った方が簡単」という発想をもたらし、企業から、中長期的な視点に立って従業員のスキルアップに投資するインセンティブを奪ってきたとも言える。
しかし、多くの企業が人材に対しこのようなスタンスであれば、高いスキルを持った人材は争奪戦となり、結局、各企業において人材不足が生じることになる。連立政権は、労働生産性の向上に向けて企業の人材育成制度への補助金拡大等の政策を実施して来たが、現状の低い労働生産性を見る限り、まだその効果が出ていない。
このような状況は日本企業にも起こり得る。政府による「労働時間短縮」は企業に労働生産性の向上、言い換えれば、「高スキル社員」の増加を迫っていると言える。社員の長時間労働に依存した経営は、早晩行き詰まりを迎える可能性がある。近年は日本でも転職が当たり前の時代になり、経営陣もつい「転職マーケットから探してくればいい」という発想に陥りがちだが、政府の労働政策が大きく切り替わろうとしている今こそ、かつて日本企業が大事にしてきた「人材育成」に再び注力すべきと言えるだろう。
アービトラージ(Arbitrage)は日本語では「裁定取引」と言われるが、投資ファンドが企業についてこの言葉を使う場合、少しニュアンスが異なる。
裁定取引とは、同一価値のものに対して異なる価格が付いている局面で、「割高な方を売り、割安な方を買う」取引を指す。例えば、日経平均株価指数の現物価格が先物価格より安かったとする。この場合、先物を売って現物を買えば、両者の価格差が縮小する過程で収益を得ることができる。
ある時点の日経平均株価指数の現物価格が1万8千円、先物価格が1万9千円だったとしよう。「割高な方を売り、割安な方を買う」のが裁定取引なので、この場合には、・・・
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