RIDEAL株式会社 代表取締役 三代 まり子
財務情報だけでなく、ビジョンや戦略といった企業価値創造につながる非財務情報も合わせて提供する統合報告書を作成する企業が増えている。しかし、単にこれらの情報を網羅的にカバーして開示しただけのものを「統合報告書」と称しているケースも見受けられる。統合報告書では、各情報のピースが「どのようにつながっているか」が理解できることが求められる。そのためには、例えば売上や利益といった財務情報と、それをもたらすこととなった「戦略」「ビジネスモデル」「強み」といった非財務情報の間にある“因果関係”を明らかにすることが望ましい。
このような特性を持つ統合報告書では、必然的に非財務情報の割合が従来型の(統合報告書でない)年次報告書に比べて大きくなる。特に将来の戦略やビジネスモデルのような非財務情報は、数値よりも言葉による説明が多くならざるをえない。そして、言葉での説明が多くなればなるほど、どうしてもその内容の信憑性が問われることになる。非財務情報の信憑性の確保は、統合報告書を作成する企業にとって悩ましい問題であり、同時に、企業と投資家の対話においても重要な課題となる。
非財務情報の信憑性を高めるために役立つのが、・・・
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