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【2015年4月の課題】最高経営責任者の後継者の計画

2015年4月の課題

 今年(2015年)6月1日からコーポレートガバナンス・コードが施行されます。東京証券取引所市場第1部・第2部に上場している会社は、コードの基本原則のみならず、原則や補充原則についても「コンプライ」(コードに従う)するか、あるいはコーポレート・ガバナンス報告書で「エクスプレイン」(コードに従わない場合に、その理由を説明)するか、どちらかの選択を迫られることになります。コードは、コンプライしやすいものから、どうやってコンプライしたらよいのか考え込んでしまうものまで様々です。コードの中でも補充原則4-1③「取締役会は最高経営責任者等の後継者の計画(プランニング)について適切に監督を行うべき」は、どこまでやればコンプライしたと言えるのか、頭を悩ませるコードの代表格です。

 役員定年制を導入していない貴社(市場第1部に上場)では、還暦を過ぎた取締役が取締役会の過半を占めています。なかでも昨年に古希を迎えた社長は、社長在任期間が20年を超える最年長取締役で、サラリーマン社長にしては異例の“長期政権”を維持しています。つい先日は、中途入社させた長男を、スピード昇進を経て副社長に大抜擢し、社内外を驚かせたばかり。「持病の悪化によりそろそろ引退も近いのでは?」といった周囲の声をよそに、最近では「100歳まで頑張る!」と血気盛んです。

 “政権の長期化”に伴い社長の周りにはイエスマンが増え、社内には“ワンマン”社長に引退を勧告できる人材がいません。最近では「会社を取り巻く環境がここ数年で大きく変わったにもかかわらず、過去の成功体験が足かせになり、会社は環境変化に適応できていない」との指摘をアナリストや機関投資家から受けることが多くなりました。

 社外取締役であるあなたは、上述したコードの補充原則4-1③への対応方針(コンプライすべきか、エクスプレインにとどめるか)についてどのように考えているのか、IR担当取締役より質問を受けました。あなたの考えを述べてください。

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