2026年2月の課題
コーポレートガバナンス・コード(以下、CG コード)の補充原則 4-11①では、上場会社に対し、取締役の有するスキル等の組み合わせを「スキル・マトリックス」等の形で開示することを求めています。2025年6月に公表された「東証上場会社コーポレートガバナンス白書2025」によると、プライム市場上場会社の96.2%(1,579社)が同補充原則にコンプライしています。
しかし、上場会社各社の開示内容を分析すると、CGコードをコンプライすることのみを目的とした形式的な対応が散見されます。具体的には、「経営」「法務」「財務」など定型的なスキルのみが根拠の説明もなく配列されている事例や、スキルに係る判定基準の説明がないまま、ほとんどの取締役に「○」が付されている事例が挙げられます。
スキル・マトリックスには、中長期的な経営の方向性や事業戦略に照らして必要な知識・経験・能力が取締役会全体として確保されているかどうかを、株主・投資家等が一覧できるようにする役割が期待されています。実際、欧米の企業では、指名委員長の主導のもと、スキル・マトリックスを取締役の個人評価やサクセッションプランと連携させつつ運用・更新するなど、取締役会の実効性を確保する手法として活用する事例が見受けられます。
以上を踏まえ、株主・投資家からも評価されるスキル・マトリックスを作成するうえで、日本企業はどのような工夫をすべきでしょうか。以下の観点から考えてみてください。
① スキル・マトリックスの主旨・目的の説明
② スキル項目の内容と件数
③ 保有スキルの評価基準
④ 見直しのタイミングとそのプロセス

