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(新用語・難解用語)Comply and Explain

 Comply or Explainが「ルールに従え(comply:コンプライ)、従わないのであればその理由を説明せよ(explain:エクスプレイン)」を意味するのに対し、complyしたうえで、さらにexplainもせよ、ということを意味する。

 半年間の提出猶予措置を経て、3月決算法人のコーポレートガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンス報告書が12月に大量に提出されたが、東証1部上場企業1,480社のうちすべてのコードをコンプライ(=フルコンプライ)したのは205社であり、東証2部上場企業では380社のうち9社となっている。

 提出猶予を受けずに昨年の8月末までにコーポレートガバナンス報告書を提出した東証市場1部・2部上場企業の68社を見ると、その6割超に当たる41社がコードをフルコンプライしていたが、無理にフルコンプライするよりも、自社の課題を認識したうえで適度にエクスプレインがあった方が投資家の評価も高いとの認識が広がったこともあり(2015年7月14日のニュース「コンプライorエクスプレイン、投資家の評価が高いのは?」参照)、フルコンプライの割合は大幅に低下した格好だ。

 とはいえ、取締役会全体の実効性の分析・評価(補充原則4-11③)、議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳(補充原則1‐2④)など、エクスプレインする企業が半数を超えるとみられる一部のコードを除けば、多くの企業が補充原則を含め73あるコードの大部分をコンプライしている。

 こうした中、投資家などからは「コンプライについては包括的な説明が少なく、詳細な説明が少ない」「単純なコンプライだけでは対話につながらない」といった批判的な声が上がっている。そこで注目されているのが「Comply and Explain」だ。

 日本のコーポレートガバナンス・コードでは、あくまで「Comply or Explain」という方針をとっているため、コンプライした場合にはエクスプレインする必要はないわけだが、「Comply and Explain」では、・・・

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