現行の株主総会、すなわち、物理的に存在する会場に取締役・監査役等と株主が一堂に会する形態の株主総会を「リアル株主総会」、リアル株主総会を開催せず、取締役・監査役等と株主のすべてがインターネット等の手段を用いて株主総会に参加する株主総会を「バーチャル株主総会」とすると、これらの混合(ハイブリッド)型に位置付けられるのが、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」だ。ハイブリッド型バーチャル株主総会はあくまでリアル株主総会の開催を前提としており、株主はそのリアル株主総会にインターネット等を活用して参加するという点、バーチャル株主総会とは異なる。現時点では、バーチャル株主総会はもちろん、ハイブリッド型バーチャル株主総会を開催している上場会社は存在しない。
リアル株主総会には株主が会場に赴くにあたり経費や時間がかかるといった問題があるため、株主が自宅等に居ながらにして株主総会に参加できるバーチャル株主総会は、とりわけ株主総会の開催会場から遠隔地に住んでいる株主のニーズが高い。IT技術の進展やPC・スマートフォンといった端末の普及に伴いバーチャル株主総会を開催するうえでの技術的なハードルはほぼなくなったと言えるが、ネックとなるのが会社法だ。現行会社法では、株主総会の招集に際しては株主総会の「場所」を定めなければならない(会社法298条1項1号)とされているため、リアル株主総会を開催せずに、取締役・監査役等と株主のすべてがインターネット等の手段を用いて株主総会に出席するバーチャル株主総会(以下、バーチャルオンリー型株主総会)は会社法の解釈上、開催が難しい。そこで注目されているのが、ハイブリッド型バーチャル株主総会だ。・・・
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