2014/04/01 【不祥事】従業員が会社の金を着服していた

 

マスコミ報道等で会社のブランドイメージにも傷が

近年、個人的なもの、組織的なものを問わず、会社の不祥事の事例には枚挙に暇がありませんが、その中でも、過去から現在までコンスタントに発生し続けている“古くて新しい問題”が、従業員による会社の金の着服です。なかにはマスコミ等で報道され、大きな社会問題となってしまったケースもあります。

その目的・動機は、個人の利益のため、粉飾決算に関係するもの、過去の不正の辻褄合わせなど様々ですが、いずれにせよ、これが公になることで会社のブランドイメージに大きな傷がつくことになります。

では、上場会社の役員として、従業員による会社の金の着服が起こってしまった場合にどのように対処すべきでしょうか? 以下で解説します。

組織的な行為か否かで対処方法が変わる

従業員による会社の金の着服が、社内調査、内部告発、外部通報などにより把握された場合、役員としては即座に正確な情報を把握し、会社としての対応方針を決定しなければなりません。

対応方針を決める上で非常に重要となるのが、その着服は「個人的な利益」を図るために行われたものなのか、あるいは「組織的な行為」だったかという点です。それによって、今後の社内調査のやり方や再発防止策が変わってくるからです。

一般的に、従業員による会社資金の着服の動機は、ギャンブルの資金、ローンの返済、株式投資失敗の穴埋め等当該個人の利益目的であることが多いといえます。しかし、一見個人の犯罪のように見えても、実際は上司の命令に基づく特定の部署全体による組織的な行為だったり、全社的な会社決算の粉飾に関係して架空の売掛金の補填に使用されていたりというように組織が関与するケースの場合、調査に際して社内の圧力を排除するよう、調査担当者の人選は慎重に行う必要があります。また、場合によっては着服した金が反社会的勢力への資金提供につながるケースも考え得るため、慎重に実態を調査する必要があります。

現金横領の主な手口

横領の対象の代表格といえば、現金です。現金を横領する手口としては、次のようなものが考えられます。

1 レジ担当者や売掛金を現金で回収した営業担当者が入金の事実を記帳せずに横領する。
2 レジ担当者や売掛金を現金で回収した営業担当者が返品や値引きを仮装して横領する。
3 レジ担当者や現金保管担当者が、記帳後の現金・預金を横領する。

このうち、1についてはレジを通さなかったり売掛金の回収を会計的に認識しなかったりすることにより入金の事実が記録されないことから、発覚が遅れやすいといえます。掛売上の場合、滞留売掛金の調査で判明する可能性もありますが、現金売上の場合は在庫のロスとして処理される可能性があります。1を防ぐにはビデオカメラによる録画や領収書発行手続の管理徹底が有効と言えます。

2については、返品に関しては在庫の動き(返品の入庫処理)と仕訳が必ず連動するような仕組みとする(在庫担当者が起票を行ったり在庫システムと連動させる等)ことや、値引きに関しては上司の承認を必要とするといった内部統制で、ある程度は防ぐことができます。1と同様、領収書発行手続の管理徹底も有効と言えます。

また、3については別な担当者や上司による定期的・臨時的な現金実査(現金在高をカウントし、帳簿と照合すること)で、ある程度は防ぐことが可能です。

なお、横領の対象は現金だけとは限りません。預金、手形・小切手、製商品、備品等多岐に渡ります。もっとも、現金の管理方法を応用することで、横領を未然に防止することが可能となります。

業務上横領と窃盗の違いは?

自分の会社の金といえども、所詮は「他人の金」です。「他人の金」である会社の金を着服(金品などを密かに盗んで自分のものにする行為)すれば刑法の定める犯罪行為、すなわち、一般的には「業務上横領罪(刑法253条)」、場合によっては「窃盗罪(刑法235条)」が成立する可能性があります。

いつ自社でこうした犯罪行為が発生するか分からない中、役員としては、どのような場合にどのような犯罪が成立するのか、一通り知っておきたいところです。

社内で発生する頻度が高いのが「業務上横領」です。ここでいう「業務」とは、人がその「社会生活上の地位」に基づき“反復継続”して行う事務のことをいいますので、例えば会社の経理部門の仕事のように雇用契約に基づいて一定の金銭を保管することは「業務」に該当します。したがって、経理部員が会社の金銭を着服すれば、業務上横領が成立する可能性があります。また、会社の取引先を回って売掛金を集金する業務に従事していた従業員が、集金した金銭を会社に提出せずに着服した場合には、その従業員は集金した金銭を業務上「占有(事実上の支配)」している状況にあったと認められ、やはり業務上横領罪が成立する可能性があります。

なお、業務上横領の対象は必ずしも金銭とは限りません。例えば、会社の備品を自宅に持ち帰っても、業務上横領罪は成立します。

「窃盗」は業務上横領よりも発生頻度は低いとはいえ、やはり社内で起こり得る犯罪です。「横領」と「窃盗」の違いですが、上述のとおり横領が「自分」が占有していたものを着服する行為であるのに対し、窃盗とは「他人」が占有していたものを着服する行為のことをいいます。業務上横領罪と窃盗罪が重複して成立することはありません。あくまで、着服した金銭を占有していたのが「会社」か「従業員自身」かによって、窃盗罪か業務上横領罪のいずれかが成立することになります。すなわち、会社が占有していたものを着服したのであれば窃盗罪の成否が問題となり、一方、従業員自身が占有していたものを着服したのであれば業務上横領罪の成否が問題となるわけです。過去の裁判例では、配達中の「現金在中」の普通郵便物は郵便集配人が占有しているものとされ、これを着服した郵便集配人に「業務上横領罪」が成立するとされた一方、工場内の物件は工場の守衛が占有しているものではない(=会社が占有しているものである)とされ、これを着服した守衛には「窃盗罪」が成立するとされています。

「社内調査」では済まないケースも

では、従業員による着服の疑惑が生じた場合、会社はどのように対応すべきでしょうか。まず、着服の証拠となる書類等が隠されたり、捨てられたり、改ざんされたりすることを防止するため、関連する書類等を早期に確保する必要があります。また、着服が疑われる従業員が使用していたメールのデータを、削除される前に保全することも重要です。その際には、コンピュータ・フォレンジック(コンピュータ本体に記録されたデータを収集・分析する技術)の専門家を活用することが有益です。

こうした「証拠保全」を行ったうえで、次に事実関係を調査し、従業員や関係者に対してどのような責任追及や処分を行うべきかを検討することになります。

事実関係の調査については、会社の規模や着服の疑惑の程度、着服金額の多寡に応じ、法務部門や内部監査部門等により構成された調査チーム(社内調査委員会)が中心になって進めていきます。

着服の内容や影響度が小さければ、・・・

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「告訴しない」という選択をした場合の留意点は?

調査によって事実関係を検証したら、会社は、その従業員に対して損害賠償責任(民法709条)を追及するか否かを検討することになります。

具体的には、・・・

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発覚後の会社の対応が不十分なら、善管注意義務違反も

調査の結果、「管理体制の不備」にも着服を許した原因の一端があるということになれば、管理職や役員も降格や減俸等の責任を負う可能性が生じます。

まず、着服した従業員の上司については、・・・

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どの段階で適時開示すべき?

上場会社において避けて通れないのは、適時開示の必要性を検討することです。調査の初期段階で「重要性の高い事案」であることが判明すれば、証券取引所と相談の上、着服に関しての適時開示を行う必要が生じます。ここでいう「重要性」については、金額基準等が定められているわけではありませんので、まずは証券取引所と相談することになります。もちろん、個人による不正で金額も少額というようなケースまですべて証券取引所に相談しなければならないわけではありません。一方、・・・

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有価証券報告書や内部統制報告書を訂正すべきか

会社に生じた損害の内容・金額は個別のケースによって様々ですが、着服された金銭が会社の財産から奪われていたということだけでなく、適正な会計処理が妨げられていた点も考慮する必要があります。前述の現金横領の主な手口の「1」のケースでは、売上の入金の事実を記帳せずに横領していることから、本来、自社の売上代金を現金で回収した処理をすべきところを、この処理が漏れていることになり、売上の未計上、あるいは売掛金の回収処理漏れとなります。また、「2」のケースでは、・・・

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個人の不正を防止する方法

取締役・監査役としては、従業員が会社の金銭を着服しないようにするためにはどのような体制を作るべきかを常に意識し、体制の整備・運用に努めるとともに、万が一、会社の金銭が着服されてしまった場合には、どのような対応をとるべきかをあらかじめ理解し、そのような事態に備えておくべきといえます。

そのためにはまず、・・・

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組織的な不正を防止する方法

組織的な会社資金の着服の有効な防止策が「モニタリング」です。モニタリングとは、内部監査室、監査役などによって、定期的または臨時的に行われる業務処理統制(業務プロセス(取引の開始、承認、記録、処理、報告など)において起こり得る不正や誤謬を防ぐために行われるチェック)を言います。つまり、・・・

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不正を許さない企業風土の醸成を

直接的な防止機能ではありませんが、究極的には「不正を許さない企業風土」の醸成が非常に重要となります。
・・・

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2014/04/01 インターネット取引、「スクロール→承諾」は不可に?(会員限定)

 日用品の大手メーカーがインターネット取引専用規格の製品を売り出すなど、インターネット取引は拡大の一途にある。それに伴い、消費者トラブルが増加しており、契約の締結に至る勧誘や契約条項に関する規制を求める声が高まっている。これを受け消費者庁は、「消費者契約法」の見直しに向けての検討を開始した。

 インターネット取引と言っても、買手が販売条件を承諾し、商品購入の意思を表示することにより契約が成立する点は、一般的な取引と変わるところはない。インターネット取引と一般的な取引との決定的な違いは、実際の製品を見ながら対面で契約しないことにあり、その手軽さがインターネット取引の最大の特長でもある。一方で、店舗に足を運んで相手方と直接のやり取りを交わすことなく契約を締結するがゆえに、実際に手にした商品に納得感が得られなかった買手から、販売後に「契約の締結に至る過程や契約条項に問題があった」といった主張を受けやすいという問題がある。

 消費者契約法見直しの検討の中心になるのが、インターネット取引の多くで用いられている売買契約に関する“約款”に関する規制だ。現在、買手は商品の購入に際し、画面に表示された約款をスクロールして、その一番下に表示された「承諾」ボタンをクリックするという実務が広く行われている。しかし、それが契約の内容(約款)を買手に理解させるための手段として十分なのか、疑問視する声がある。

 また、約款の条項そのものをめぐる紛争もしばしば見られる。例えば返品期間の制限や解約金に関する定めなど、消費者の権利を制限する条項が不当であるとするものだ。こうした紛争でも、約款の「文字の大きさ」や「表示位置」が契約条項の不当性を争うための手段として持ち出されることが多い。

 消費者契約法上の約款に関する規制の本質は「不当条項規制」にあると言ってよいが、消費者契約法は現在でも「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項」など、契約の条項のうち無効になるもののリスト(ブラックリスト)を規定している(消費者契約法8条1項)。今回の見直しでは、それに加えて更にリスト化すべきものがないかの検討が行われる見込みである。

 消費者契約法改正については検討が始まったばかりであり、実際に改正がなされるのは少し先になりそうだが、今回の検討を機にインターネット取引に関する問題に対する注目が高まることは間違いない。上場会社の役員としては、自社が展開する消費者向けのインターネット取引について、約款の承諾の方法や契約条項の内容の合理性を再度点検をしておいたほうが良さそうだ。

2014/03/31 50%損金算入実施でも上場会社の交際費支出を阻む“壁”とは?

 これまで、大法人(資本金1億円超の法人)が支出する交際費は、法人税の計算上「全額損金不算入」とされていたが、平成26年度税制改正により、その50%の損金算入が認められることになった(ただし、接待飲食費に限る。以下同)。この改正は「平成26年4月1日以降に開始する事業年度」において支出する交際費から適用されているため、まずは3月決算法人からその恩恵を受けられることになる。

では、実際のところ、この改正は上場会社の交際費支出にどれほどの影響を与えるのだろうか。

 これまで大法人に交際費の損金算入が認められてこなかった理由としては、冗費の節約、健全な取引慣行の確立、財務基盤の強化等が挙げられる。中小法人(資本金1億円以下の法人)では、年間800万円までの交際費の全額損金不算入が認められているのとは対照的だ。今回の改正は、その大法人の交際費(および中小法人の年間800万円超の交際費)の半分もの損金算入を認める大胆な減税措置であり、従来の法人税法上の交際費の考え方を大きく変えるものと言っていい。

 ただ、この改正により上場会社が交際費の支出を増やすかというと、疑問がある。なぜなら、上場会社には、予算実績の比較や交際費の事前申請といった交際費の無駄遣いを防ぐ仕組みがあり、経済合理性のある交際費のみが限定的に認められているのが通常だからだ。このような仕組みが、税制改正により緩められることは考えにくい。

 特にリーマンショック以降、経費の無駄遣いに対しては社内で厳しい目が注がれており、その中でも交際費はターゲットになりやすい費目。単に税制改正で交際費の損金算入枠が増えたというだけで、交際費の社内申請が通りやすくなることはまずないだろう。また、「損金算入枠ができたので交際費を増やしました」では株主に説明がつかない。結論としては、上場会社は交際費をほとんど増やさない可能性が高い。

 もっとも、上場会社をはじめとする大法人にとっては、支出した交際費の半分が損金算入され、法人税負担がこれまでの半分で済むため、歓迎される減税措置であるのは間違いない。一方、政府としては、消費を喚起して税収を増やすという目論見が達成されず、かえって税収が減る結果になる恐れがある。

 大法人に対する交際費の損金算入枠の創出は、「大法人の売上高や利益の増加」といった大前提をクリアしたのち、「交際費の予算枠の増加」を経て初めて生きてくる改正と言える。今回の減税措置が税収増につながるまでには、少々時間がかかりそうだ。

2014/03/31 チェックリスト:人件費を抑制したい(会員限定)

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■チェックリスト:人件費を抑制したい

チェック事項 備考 対応未了 対応済
役員は、人件費と付加価値の関係について、検討を加えているか。 付加価値とは、事業活動によって生み出される価値であり、「売上高-その売上を上げるために外部から調達した原材料や商品、サービス」によって算定される。
役員は、今後、人件費を増加させる“不可抗力”とも言える下記の3つの要因について、留意しているか。
・法定福利費の増加
・高年齢者雇用安定法の改正に伴う60歳以上の従業員の継続雇用の促進
・従業員の高齢化
人件費の抑制策を講じる際に、次の点について考慮しているか。
・人件費の抑制は、一般従業員より先に役員や管理職から行うこと
・労働条件引下げや雇用調整を安易に行なわないこと
雇用調整は最終手段であり、その前に次の対応策を検討したか。
・役員報酬のカット、役員数の削減
・労働時間管理の徹底
・労働時間の見直し
・福利厚生費の削減
・有期労働契約の期間満了による雇止め
・退職による自然減、採用の抑制
・諸手当の見直し
・賞与・一時金(ボーナス)の減額
・昇給実施の延期、賃金カット、ベースダウンの実施
雇用調整としての希望退職を募る際に、自社に残って欲しい優秀な従業員が手を挙げてしまわないよう、事前に根回しを行ったか。
退職勧奨の際に、「なぜ自分に声がかかったのか(退職勧奨の対象となった理由・選定基準)」をきちんと説明できるようにしているか。 パワーハラスメント問題に発展しないように留意する必要がある。
整理解雇の際には、
・経営上の人員削減の必要性
・解雇回避努力の有無
・解雇対象者選定の妥当性とその公正な運用
・説明や協議等の手続きの妥当性・相当性
の4要件に照らしながら、極めて慎重かつ丁寧に対応するよう心掛けているか。
人件費抑制策を講じる際には、自社の置かれている厳しい現状を従業員へ丁寧に説明しているか。 「経営者も従業員も”企業”という同じ船に乗っている」という一体感の醸成・高揚を図る必要がある。

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2014/03/31 【人事・労務】人件費を抑制したい(会員限定)

 

付加価値の減少割合が人件費の減少割合を大幅に上回る意味

グローバル競争のさらなる激化などによって、日本企業は厳しい経営環境下での事業活動を強いられています。その結果、企業の収益構造は不安定さを増しており、人件費の原資である付加価値は近年、大きく減少しています。付加価値とは、事業活動によって生み出される価値であり、「売上高-その売上を上げるために外部から調達した原材料や商品、サービス」によって算定されます。要するに、「顧客が自社に支払ってくれる金額-自社が外部に支払う金額」が付加価値ということになります。この付加価値が、人件費、支払利息、賃借料、税金、減価償却費などの原資となるため、付加価値を生み出さなければ、これらの費用を負担することもできません。したがって、健全な収益構造を維持するためには、理屈上は付加価値の減少に応じて人件費も減少させなければならないはずです。では、実際のところ、付加価値の減少に対して、人件費はどのような動向を示しているのでしょうか。

財務省「法人企業統計年報」によれば、付加価値額(全産業・規模計)は2007年度からの5年度間で5.3%減少した一方、人件費はほぼ横ばい(0.8%減)となっています。製造業ではさらに両者の格差が顕著であり、付加価値額が19.4%減少しているのに対して、人件費は8.4%の減少にとどまっています。

このように付加価値の減少割合が人件費の減少割合を大幅に上回っているという事実は、付加価値が減少する厳しい経営環境の中でも、企業が人件費を適切に抑制できていないということを示しています。

総額人件費は所定内給与の約1.7倍

従業員を雇用するにあたって、企業が負担している人件費は毎月の給与(所定内給与)や時間外・休日勤務・深夜勤務手当(所定外給与)、賞与・一時金(ボーナス)などといった「現金給与」だけではありません。健康保険料や厚生年金保険料などの法定福利費、社宅の管理・運営費やレクリエーション費用など企業が任意に支出する法定外福利費、Off-JT(⇔OJT=On the Job Training)といった教育訓練費などの「現金給与以外の人件費」も負担しています。

その結果、厚生労働省の調査結果を用いた推計では、従業員を雇用するために企業が支出している「総額人件費(現金給与+現金給与以外の人件費)」は所定内給与の約1.7倍となっています。多くの企業は毎年、所定内給与の引上げを実施していますが、所定内給与が引上げられれば、これをベースに算定されている所定外給与やボーナス、法定福利費もアップしますので、所定内給与の引上げ額を超える負担が企業に重くのしかかってくるわけです。

懸念される3つの人件費増加要因

さらに、今後、人件費を増加させる“不可抗力”とも言える要因が存在することにも役員は留意する必要があります。

1つ目は「法定福利費」です。厚生年金保険料は2017年9月まで毎年0.354%ずつ引き上げられることが決まっていますし(労使折半)、健康保険料も組合健保あるいは協会けんぽの財政悪化などを理由に引き上げられる可能性は高まる一方です。このように増大していく法定福利費を、企業は「経営状況や業績に関係なく」支払うことになります。

2つ目は、60歳以上の従業員の継続雇用を促進することを目的とした法律改正です。2013年4月より、厚生年金保険の報酬比例部分の支給開始年齢が60歳から段階的に引き上げられ始めたこととあわせて、同年4月施行の改正高年齢者雇用安定法によって、企業は原則として「希望者全員」に対して65歳までの雇用確保措置を講じなければならないこととされました。これにより、今後は60歳以降の継続雇用を希望する高齢従業員が増えることが予想され、さらなる人件費増加が見込まれます。

3つ目は、2つ目の要因とも関連しますが、より広い年齢層での「従業員の高齢化」です。上場企業における年齢階層の構成を見ると、一般的には団塊ジュニアを含む「35~44歳」の中高年齢層がもっとも多くなっています。近年の賃金制度の見直し等によって、以前より年功的要素が薄まってきたとはいえ、年齢の高い従業員ほど賃金が相対的に高いことには変わりなく、今後進む「従業員の高齢化」に伴って人件費も増加していくことになります。

では、役員としては、このように様々な増加要因のある人件費をどのように適切に抑制していけばよいでしょうか。次に、人件費抑制にあたってのポイントを解説します。

人件費の抑制はどこから手をつけるか

まず、人件費の抑制は、一般従業員より先に「役員や管理職から行うこと」が重要です。通常、役員や管理職は一般従業員より高い処遇を受けており、業績が良ければその成果として一般従業員より多くの報酬・賃金を受け取ることになるのですから、逆に業績が悪化して人件費抑制が避けられない場合には、率先してその身を切らなければ、従業員や部下はついてきませんし、その後に企業が実施する施策への信頼も協力も得られません。

次に、「労働条件引下げや雇用調整を安易に行なわないこと」です。経営資源は「ヒト・モノ・カネ・情報」といわれますが、天然資源に乏しい日本にあって、企業の一番の競争力の源泉は「ヒト」にあります。仮にヒト、すなわち従業員を軽視するようなことをすれば、従業員のモチベーションや士気を大きく低下させる原因となり、その結果として生産性が下がってしまえば、業績の回復・向上など期待できようはずもありません。

したがって、労働条件の引下げや雇用調整を行う際には、「従業員のモチベーションに十分配慮すること」とあわせて、「従業員の納得が得られる方法や手続きをとること」も非常に大事なポイントといえます。

以上のことを踏まえた上で、実務的な対応策を解説していきます。

人件費抑制の具体策【前半】―――雇用調整に踏み切る前にやるべきこと

近年、「人件費抑制策=雇用調整」と安易に考える風潮がありますが、雇用調整はあくまで最終手段であり、極力避けるべきです。

そこでまず、雇用調整の前に検討するべき対応策を挙げます。基本的には検討すべきと考える順番に紹介していきますが、実際には必ずしもこの順番通りである必要はなく、自社の状況に応じて、労働組合等と真摯に話し合い、納得してもらったうえで実行していくことになります。

また、これから提示する対応策には、「労働条件の不利益変更」に該当するものが多く含まれ、その実施にあたっては、原則的には従業員との個別合意が求められますが(労働契約法9条)、通常の実務では、労働組合との合意である労働協約の締結、あるいは就業規則の変更の手続きをとることによって行います。ただ、その際には、労働条件の不利益変更を行なうことについて、従業員が受ける不利益を上回る合理的な理由が存在することが求められます(同10条)。例えば、労働条件の変更を行わなければ、会社の存続自体が危ぶまれたり、経営危機によって従業員の雇用調整が予想されるような場合です。この点を十分に踏まえて慎重に検討・対応することが、従業員とのトラブルを未然に防止するという観点からも極めて重要となります。

具体的な対応策は以下のとおりです。

(1)役員報酬のカット、役員数の削減
従業員に対して“痛み”を強いる前に、役員が率先してその身を切らなければなりません。そうでなければ、後述する人件費抑制策に対して、従業員から理解も協力も得られません。

(2)労働時間管理の徹底
出退勤時間や休憩時間を厳守するよう周知徹底します。これに加えて、不要不急の仕事のために残業をすることのないよう、残業する際には必ず上長の許可を得るようにします。また、残業しなければならない場合、基本的には残業代が発生しない管理職にその業務を行わせることも一案です。ただし、役員としては、管理職ばかりに過度に負担がかかることのないよう、管理職といえどもその労働時間を把握しておく必要があります。

(3)労働時間の見直し
変形労働時間制(一定期間(1か月、1年など)における1週間当たりの平均労働時間が法定労働時間(40時間)を超えない範囲内であれば、特定の日又は週に(残業手当を支払うことなく)法定労働時間を超えて労働させることができる制度)や企画業務型裁量労働制(実際に働いた時間ではなく、あらかじめ労使の間で協議して決めた時間を働いたものと“みなす”制度。事業運営に直接影響するような企画・立案・調査・分析などの職種が対象となる)の導入や、所定内給与の増額を伴わない所定労働時間の延長(例えば、1日の勤務時間を法定労働時間(8時間)より短く設定している場合、所定内給与の金額は据え置いたまま、これを法定労働時間まで延長する)などを検討します。また、業務量が減少している場合には、非正規従業員に対して、一日の労働時間を短縮したり、出勤日数を減らすことも考えられます。あわせて、仕事内容の見直しによる業務の効率化を実施することができれば、より効果的といえます。

(4)福利厚生費の削減
上述のとおり健康保険料や厚生年金保険料などの法定福利費は所定内給与と連動しており、また、企業の業績等に関係なく増加していくため、所定内給与を減らさない限りこれを企業がコントロールすることはできない一方、「法定外福利費」の削減は自社の判断で決定できます。特に象徴的なもの(社員旅行や運動会、忘年会など)から着手すると、「人件費削減」に向けた経営陣の意思が従業員にも伝わり、効果的です。しかし、何でも削減すればよいというものではありません。例えば教育訓練費の削減は企業の成長を阻害する可能性もありますので、何を削減するかは労働組合等と協議した上で慎重に判断するべきです。

(5)有期労働契約の期間満了による雇止め
契約期間の満了を迎える有期労働契約の従業員の「雇止め(有期労働契約の期間満了時に更新せず、契約を終了させること)」を行ないます。ただし、有期労働契約でも、例えば、内容を確認することなく契約書に署名・捺印するなど形骸化した手続きによって契約が複数回にわたって反復更新され、「期間の定めのない労働契約と実質的に異ならない状態」となっている場合や、従業員に対して上司が「○○さんにはずっとうちで働いてもらいたい」と発言するなど、契約満了時には契約が更新されるものと従業員が期待することに合理的な理由が認められる場合には、その雇止めについて「合理性」と「客観性」が厳しく問われることになります(労働契約法19条)。企業としては、そのような状況とならないよう、有期労働契約の従業員に対する適切な雇用管理が求められます。

(6)退職による自然減、採用の抑制
定年等で退職者が出た後に人員を補充しなかったり、採用数を減らす、あるいは採用自体を控えます。繁忙期への対応などで一時的に人員が必要な場合は、パートや派遣社員などで対応します。あわせて、この機会に、自社にとっての適正な従業員数を確認・検討することが望まれます。

(7)賞与・一時金(ボーナス)の減額
賃金を引き下げざるを得なくなった場合、従業員の日常生活への影響を考慮し、まずはボーナスで対応するのが現実的です。ボーナスは業績を反映して変動するものなので、業績が悪化すれば当然にダウンしますが、自社のボーナスがもしそのような仕組みになっていない場合には早急に見直す必要があります。また、後述する(9)も同様ですが、管理職から「先に」「不利益の程度を大きく」することで、一般従業員の理解が得やすくなります。

(8)諸手当の見直し
住宅手当や通勤手当など、多くの企業が従業員に支給している諸手当のうち、精勤手当や出張手当など、従業員の日常生活への影響が比較的小さいと思われるものから削減や廃止を検討します。

(9)昇給実施の延期、賃金カット、ベースダウンの実施
昇給の実施を通常よりも数カ月遅らせたり、制度上の昇給は実施した上で一定期間にわたって賃金をカットします。いずれも「暫定措置」であるため、恒常的に人件費抑制が必要な場合には、賃金額を引き下げる(賃金表を書き換える)ことで、自社の賃金カーブ自体を下方修正します(ベースダウン)。ただし、賃金カットやベースダウンの実施は、労働条件関係の対応策としては“最終手段”とすべきです。やむを得ずその実施を検討しなければならない場合には、できるだけ早く(遅くとも実施予定の半年以上前から)、労働組合や従業員代表との協議を開始するようにします。

人件費抑制の具体策【後半】―――雇用調整の種類

これまでに挙げた具体策を講じてもなお、さらなる人件費の抑制が避けられない場合には、雇用調整に踏み切りますが、これは人件費抑制策の最終手段であり、極力避けるべきです。その理由として特に重要なのが次の3つです。

1つ目は、「愛社精神への悪影響」です。雇用調整されずに企業に残ったとしても、実際にそれを目の当たりにした従業員の心の中には「いつか自分も雇用調整されるのではないか」との意識が芽生えてしまうことは否めません。2つ目は、雇用調整によって退職した従業員が有していた自社の技術やノウハウの流出と人脈の喪失のリスクです。3つ目として、「雇用調整を実施しなければならないほど経営が悪化した企業」という対外的な“マイナスイメージ”の定着が考えられます。一度ついてしまったマイナスイメージを払拭するのは容易なことではなく、その後の業績回復・向上、ひいては経営再建に悪影響を及ぼしかねません。

その一方で、雇用調整をしなければならないのに決断ができず、状況をかえって悪化させてしまうこともあり得ます。企業を存続させ、多くの従業員の雇用を守るために雇用調整に踏み切らざるを得ないという“苦渋の選択”を強いられる場合もあることを、役員は肝に銘じておかなければなりません。

雇用調整には次の3つがあります。

(10)希望退職
後述する退職勧奨や整理解雇の前に、まずは希望退職を呼びかけます。その際には、(a)募集対象とする従業員の条件(勤続年数や年齢など)、(b)募集人数、(c)募集期間と応募先、(d)支給する退職金額と支払時期・方法――などを明確にしておきます。ところで、希望退職を募ると、自社に残って欲しい優秀な従業員が手を挙げてしまうことがあります。これを未然に防止するために、その者の上司等を通じて、希望退職に応募しないよう、内々に伝えておくなどの手段を講じておくと安心です。

(11)退職勧奨
退職勧奨とは、会社から従業員に退職を勧めることです。希望退職を募ったものの募集人数に達しなかったには、退職勧奨に踏み切ります。この場合、退職勧奨の対象になった従業員に対し、「なぜ自分に声がかかったのか(退職勧奨の対象となった理由・選定基準)」をきちんと説明できるようにしておかなければなりません。また、最近は、退職勧奨に応じるよう上司が部下を執拗に追い詰めて「パワーハラスメント問題」に発展するケースも起こっているので(ハラスメントの詳細については「ハラスメントを起こさせないために」を参照してください)、このようなことにならないよう、細心の注意を払いながら説得します。

(12)整理解雇
整理解雇とは、企業側からの一方的な労働契約の解約のことです。整理解雇は従業員に原因のない解雇であるため、その有効性を立証する責任は基本的に企業が負うことになります。具体的には、「経営上の人員削減の必要性」「解雇回避努力の有無」「解雇対象者選定の妥当性とその公正な運用」「説明や協議等の手続きの妥当性・相当性」の4要件が問われることになり、これらの4要件のいずれかを満たさない場合、仮に整理解雇の対象となった従業員が労働基準監督署に訴えたり、訴訟を提起した場合には、整理解雇の有効性が否定される可能性が高くなります。したがって、整理解雇を行う際には、自社の状況やこれまでの経緯等をこの4要件に照らしながら、極めて慎重かつ丁寧に対応することが求められます。

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人件費抑制を成功させるカギは?

ヒトがいなければ企業は成り立ちません。しかし、企業経営が破たんして事業継続ができなくなり、倒産してしまえば、雇用は維持できません。企業が存続してこそ従業員の雇用の維持・安定は図られるわけで、その逆はありません。

人件費抑制を検討・実施しなければならないということは、自社の経営が危機的状況にある、あるいはそのような状況に向かっている場合がほとんどではないかと思います。本来はそうなる前から、役員は様々な経営上の施策を講じておくべきではありますが、この機を捉えて、自社の置かれている厳しい現状を従業員に説明し、また従業員と共有することができれば、人件費の抑制・削減に限らず、その他の経営効率化に向けた施策への協力が得られやすくなります。何より、経営者が「ピンチをチャンスに変える」という強い意志を示すとともに、「経営者も従業員も”企業”という同じ船に乗っている」という一体感の醸成・高揚を図ることができるかどうかに、人件費抑制の成否はかかっていると言えます。

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2014/03/31 【人事・労務】人件費を抑制したい

 

付加価値の減少割合が人件費の減少割合を大幅に上回る意味

グローバル競争のさらなる激化などによって、日本企業は厳しい経営環境下での事業活動を強いられています。その結果、企業の収益構造は不安定さを増しており、人件費の原資である付加価値は近年、大きく減少しています。付加価値とは、事業活動によって生み出される価値であり、「売上高-その売上を上げるために外部から調達した原材料や商品、サービス」によって算定されます。要するに、「顧客が自社に支払ってくれる金額-自社が外部に支払う金額」が付加価値ということになります。この付加価値が、人件費、支払利息、賃借料、税金、減価償却費などの原資となるため、付加価値を生み出さなければ、これらの費用を負担することもできません。したがって、健全な収益構造を維持するためには、理屈上は付加価値の減少に応じて人件費も減少させなければならないはずです。では、実際のところ、付加価値の減少に対して、人件費はどのような動向を示しているのでしょうか。

財務省「法人企業統計年報」によれば、付加価値額(全産業・規模計)は2007年度からの5年度間で5.3%減少した一方、人件費はほぼ横ばい(0.8%減)となっています。製造業ではさらに両者の格差が顕著であり、付加価値額が19.4%減少しているのに対して、人件費は8.4%の減少にとどまっています。

このように付加価値の減少割合が人件費の減少割合を大幅に上回っているという事実は、付加価値が減少する厳しい経営環境の中でも、企業が人件費を適切に抑制できていないということを示しています。

総額人件費は所定内給与の約1.7倍

従業員を雇用するにあたって、企業が負担している人件費は毎月の給与(所定内給与)や時間外・休日勤務・深夜勤務手当(所定外給与)、賞与・一時金(ボーナス)などといった「現金給与」だけではありません。健康保険料や厚生年金保険料などの法定福利費、社宅の管理・運営費やレクリエーション費用など企業が任意に支出する法定外福利費、Off-JT(⇔OJT=On the Job Training)といった教育訓練費などの「現金給与以外の人件費」も負担しています。

その結果、・・・

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懸念される3つの人件費増加要因

さらに、今後、人件費を増加させる“不可抗力”とも言える要因が存在することにも役員は留意する必要があります。

1つ目は・・・

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人件費抑制の具体策【前半】―――雇用調整に踏み切る前にやるべきこと

近年、「人件費抑制策=雇用調整」と安易に考える風潮がありますが、雇用調整はあくまで最終手段であり、極力避けるべきです。

そこでまず、雇用調整の前に検討するべき対応策を挙げます。基本的には検討すべきと考える順番に紹介していきますが、実際には必ずしもこの順番通りである必要はなく、自社の状況に応じて、労働組合等と真摯に話し合い、納得してもらったうえで実行していくことになります。

また、これから提示する対応策には、「労働条件の不利益変更」に該当するものが多く含まれ、その実施にあたっては、原則的には従業員との個別合意が求められますが(労働契約法9条)、通常の実務では、労働組合との合意である労働協約の締結、あるいは就業規則の変更の手続きをとることによって行います。ただ、その際には、労働条件の不利益変更を行なうことについて、従業員が受ける不利益を上回る合理的な理由が存在することが求められます(同10条)。例えば、労働条件の変更を行わなければ、会社の存続自体が危ぶまれたり、経営危機によって従業員の雇用調整が予想されるような場合です。この点を十分に踏まえて慎重に検討・対応することが、従業員とのトラブルを未然に防止するという観点からも極めて重要となります。

具体的な対応策は以下のとおりです。
・・・

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人件費抑制の具体策【後半】―――雇用調整の種類

これまでに挙げた具体策を講じてもなお、さらなる人件費の抑制が避けられない場合には、雇用調整に踏み切りますが、これは人件費抑制策の最終手段であり、極力避けるべきです。その理由として特に重要なのが次の3つです。・・・

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人件費抑制を成功させるカギは?

ヒトがいなければ企業は成り立ちません。しかし、企業経営が破たんして事業継続ができなくなり、倒産してしまえば、雇用は維持できません。企業が存続してこそ従業員の雇用の維持・安定は図られるわけで、その逆はありません。

人件費抑制を検討・実施しなければならないということは、・・・

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2014/03/31 2014年3月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)

不正解です。
実際に、会社法120条1項に違反しているとされた事例があります。もっとも、「お土産を渡すこと」が一般的に禁止されているわけではありません。その事例では「会社提案に賛成する議決権行使の獲得を目的として」お土産が渡された点が違法とされたものであり、QUOカードという金券を渡したことや金額の多寡は問題とされませんでした。あくまで「どのような目的でお土産を渡すか」が、合法か違法かを分けるポイントとなっていると言えます。

こちらの記事で再確認!
2014/03/28 “有事”の株主総会におけるお土産

2014/03/31 2014年3月度チェックテスト第10問解答画面(正解)

正解です。
実際に、会社法120条1項に違反しているとされた事例があります。もっとも、「お土産を渡すこと」が一般的に禁止されているわけではありません。その事例では「会社提案に賛成する議決権行使の獲得を目的として」お土産が渡された点が違法とされたものであり、QUOカードという金券を渡したことや金額の多寡は問題とされませんでした。あくまで「どのような目的でお土産を渡すか」が、合法か違法かを分けるポイントとなっていると言えます。

こちらの記事で再確認!
2014/03/28 “有事”の株主総会におけるお土産

2014/03/31 2014年3月度チェックテスト第9問解答画面(不正解)

不正解です。
日本の会計基準では、企業買収などにより計上した正ののれん(営業権)は、定期的な償却を行う必要があります。一方、IFRSでは、正ののれんの定期的な償却は不要とされています。企業買収などにより正ののれんを計上する企業は定期的な償却の要否で利益が変わることから、その点だけをとらえるとIFRSを採用した方が有利と言えます。

こちらの記事で再確認!
2014/03/26 IFRS任意適用要件緩和で、上場企業の「選択」は?

2014/03/31 2014年3月度チェックテスト第9問解答画面(正解)

正解です。
日本の会計基準では、企業買収などにより計上した正ののれん(営業権)は、定期的な償却を行う必要があります。一方、IFRSでは、正ののれんの定期的な償却は不要とされています。企業買収などにより正ののれんを計上する企業は定期的な償却の要否で利益が変わることから、その点だけをとらえるとIFRSを採用した方が有利と言えます。

こちらの記事で再確認!
2014/03/26 IFRS任意適用要件緩和で、上場企業の「選択」は?