2023/12/08 年末年始休業のお知らせ

誠に勝手ながら、2023年12月28日~2024年1月5日は事務局の年末年始休業となります。
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2023/12/08 女性役員比率、“新たな数値目標”が年内にも公表へ

内閣府に設置された男女共同参画会議「計画実行・監視専門調査会」が(2023年)11月27日に開催した第29回会合では、企業における女性登用の状況が明らかとなっている。同会合に提出された資料「企業における女性登用の加速化について」によると、2023年7月31日時点での役員(取締役・監査役・執行役)における女性役員の比率は、全上場企業で10.6%、プライム市場上場企業で13.4%、TOPIX100構成企業で16.9%となっており、着実に女性役員の割合は高まっている。とはいえ、日本を除くG7諸国の平均38.8%(2022年)、OECD諸国の平均29.6%(2022年)にはまだ遠く及ばず(同資料の6ページ参照)、また、女性役員がいない(0人)企業の割合は、全上場企業で30.6%、プライム市場で10.9%にのぼる(同資料9ページ参照)。2023年6月に政府が公表した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」では、プライム市場上場企業を対象として、2030年までに「女性役員比率30%以上」という目標が掲げられたが(同資料の2ページ「①プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に係る数値目標の設定等」参照)、・・・

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2023/12/08 女性役員比率、“新たな数値目標”が年内にも公表へ(会員限定)

内閣府に設置された男女共同参画会議「計画実行・監視専門調査会」が(2023年)11月27日に開催した第29回会合では、企業における女性登用の状況が明らかとなっている。同会合に提出された資料「企業における女性登用の加速化について」によると、2023年7月31日時点での役員(取締役・監査役・執行役)における女性役員の比率は、全上場企業で10.6%、プライム市場上場企業で13.4%、TOPIX100構成企業で16.9%となっており、着実に女性役員の割合は高まっている。とはいえ、日本を除くG7諸国の平均38.8%(2022年)、OECD諸国の平均29.6%(2022年)にはまだ遠く及ばず(同資料の6ページ参照)、また、女性役員がいない(0人)企業の割合は、全上場企業で30.6%、プライム市場で10.9%にのぼる(同資料9ページ参照)。2023年6月に政府が公表した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」では、プライム市場上場企業を対象として、2030年までに「女性役員比率30%以上」という目標が掲げられたが(同資料の2ページ「①プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に係る数値目標の設定等」参照)、まだ政府目標と現実の数値に距離がある中、政府は年内に“新たな数値目標”を打ち出す方針であることが当フォーラムの取材により判明した。

まずは12月14日に開催される男女共同参画会議「計画実行・監視専門調査会」の第30回会合で、親会議体である男女共同参画会議に諮る案が審議されるものとみられる。男女共同参画会議は今年6月5日以来開催されていないが、同会議を約半年ぶりとなる12月25日または26日に開催し、“新たな数値目標”を決定する模様。ただし、当フォーラムの取材によると、2030年までの達成を目指している「30%」という最終目標値自体は引き上げず、「2025年段階」での到達目標値が新たに決められることになるようだ。また、企業の負担を考慮し、「女性役員」の定義は緩和されたものが使用される見込み。

今年7月には、著名海外のメディアで、日本の地銀が開示した女性管理職のデータの中に厳密には管理職ではない立場の女性が含まれていることを問題視するとともに、金融庁が地銀に対して、”ジェンダーウォッシュ”(女性登用が進んでいるように見せかけるデータの開示)をしないように注意を呼び掛けていることや、日本の銀行では男女賃金格差が依然として大きい現状が報じられたこともあり、日本企業における女性活躍促進への取り組みに対する海外機関投資家の関心は高まっている。日本政府が示す“新たな数値目標”は国内機関投資家のみならず海外機関投資家からも注目を集めるだろう。2025年まで残された時間は少ないだけに、企業にとっても新たな数値目標の達成難易度は気になるところ。本件については近く続報したい。

2023/12/07 【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(後編)

「前編」の冒頭に記載しました通り、英国FRC(財務報告評議会)は2023年11月7日に同国コーポレートガバナンス・コードの改訂について方針を転換することを発表、改訂案の大部分を撤回し、今回は小規模な改訂にとどまることとなりましたが、改訂案の内容は資本市場の潮流を把握するうえで極めて有用であることから、当フォーラム事務局内で検討した結果、「前編」ではお伝えしていない当初改訂案の残りの部分の解説を「後編」として掲載することとします。

はじめに

【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(前編)では、2025年1月1日以降に開始する事業年度から適用される予定だった改訂英国コーポレートガバナンス・コード案(2023年5月23日公表後、9月13日までパブリックコメントを募集)のうち、当該改訂の中心となるセクション4「監査、リスク、内部統制(Audit, risk and internal control)」の改訂内容について解説したが、当該改訂はセクション4にとどまらず、全5セクションにわたる広範なものとなっている。そこで今回はセクション4以外の部分(セクション1~3および5)における改訂案のポイントを解説する。

セクション1:取締役会のリーダーシップと会社の目的(会員限定)

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2023/12/07 【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(後編)(3・会員限定)

セクション2:取締役会の責任

取締役の兼任に関する規則15の改訂案では、各取締役が責任を果たすための十分な時間(sufficient time to undertake their role effectively)を確保できたか、年次報告書に記載すべき、との一文が追加されている。いわゆる「オーバーボーディング(兼任過多:overboarding)」に対処するためのものだが、具体的な兼任の上限社数など“閾値”を示すまでには至らなかった。企業や取締役ごとに事情や状況が異なることが考慮された模様だ。

改訂案で追加された事項
● 取締役の重要な兼任状況は全て、年次報告書に記載されるべきである。
● その際、他の兼任先との関係を考慮したうえで、各取締役が自社における役割を効果的に遂行するための十分な時間を、どのようにして確保できているかを説明する。
● また、十分な時間が確保できているとの認識に至るまでに、どのような取り組みが講じられたのかについても説明する。

セクション3:取締役会の構成、後継者計画、実効性評価(会員限定)

2023/12/07 【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(後編)(5・会員限定)

セクション5:役員報酬

旧原則Pでは、役員報酬は「会社の目的と価値観(company purpose and values)」に合致し「長期戦略の成功(the successful delivery of the company’s long-term strategy)」と結びつくべきとされてきたが、改訂案ではこれに「環境・社会・ガバナンスの目標(environmental, social and governance objectives)」が追加されている。同様に規則43(旧41)においても、報酬委員会の年次報告では「執行役員報酬の方針、構成および業績指標が、企業戦略および環境・社会・ガバナンスの目標を達成するものであること」を説明するよう求めている。

また、原則39(旧37)で言及されているマルスクローバック条項(malus and clawback provisions)について、改訂案で新設された原則40で詳細が定められている。具体的には、下表のとおり制度設計から適用実績まで年次報告書で説明することが求められる。経営者報酬にマルス ・クローバックを“標準装備”することがグローバルな潮流となっていることの表れと言えよう。

年次報告書で説明が求められる事項
● マルス・クローバック条項が適用される条件
● マルス・クローバック条項の対象期間および同期間が適切な理由
● 対象事業年度において当条項が適用されたか、適用された場合はその理由
● 過去5年間における当条項の使用状況

以上、前編と併せて英国CGコード改訂案の「当初案」の全貌をお伝えした。本改訂案のキーワードと言える「アウトカム・ベース」「オーバーボーディング」「環境・社会・ガバナンス(ESG)の目標」などに関する議論は、今後の我が国のコーポレートガバナンス議論においても重要なテーマになると考えられる。日本の上場企業は、本改訂案の内容を踏まえ、先を読んだ対応を意識したいところだ。

2023/12/07 【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(後編)(4・会員限定)

セクション3:取締役会の構成、後継者計画、実効性評価

取締役選任と後継者計画に関する原則I(旧J)では、取締役会に求める多様性としてこれまで「性別・民族・人種(gender, social and ethnic backgrounds)」が挙げられてきたが、改訂案ではこれらを削除し、「社会的弱者(non-protected characteristics)」という文言に統合している。本改訂では、様々な多様性を等しく考慮することを求めたものと言えよう。

また規則18を新設し、指名委員会が役員選任プロセスを主導すべきこと、ボードメンバーおよび上級管理職の双方について秩序ある後継者計画を策定すること、多様性の取り組みを後継者計画に反映することなどが盛り込まれている。

取締役会の実効性評価について規定する原則K(旧L)では、個々の取締役を評価する際、他社兼任の状況(commitments to other organisations)を踏まえたうえで、自社における責任を適切に果たしているかを重視すべき旨が追加されている。前述セクション2の「オーバーボーディング」に対応したものと考えられる。

また規則22(旧21)では、下表のとおり、これまで外部評価について「検討すべき(should consider)」としてきたところ、これを「委託すべき(should commission)」という表現に変更している(赤字部分)。英国では「外部評価は必須」との認識が定着したことを受けたものだろう。

現行(一部) 改訂案(一部)
取締役会議長は、外部者による取締役会評価の定期的な実施を検討すべきである。 取締役会議長は、取締役会の業績評価を定期的に外部者に委託すべきである。

セクション5:取締役会の構成、後継者計画、実効性評価(会員限定)

2023/12/07 【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(後編)(2・会員限定)

セクション1:取締役会のリーダーシップと会社の目的

改訂案で新設された原則Dにおいては、ガバナンス情報の開示に際しては仕組みや取り組みの説明にとどまらず、それらがもたらした「成果に焦点を当てる(focus on outcomes)」ことを求めている。改訂案では「アウトカム・ベース」がキーワードの1つとなっており、議長のエンゲージメント責任に関する規則3においても、「エンゲージメントの結果(outcomes of the engagement)を年次報告書で報告すべき」との一文が追加されている。

年次報告書の記載事項に関する規則1は従来、戦略実現に対する「ガバナンスの貢献度(how its governance contributes)」を説明することを求めてきたが、改訂案では、下表のとおり、これが戦略実施に伴う「環境・社会問題への配慮(how environmental and social matters are taken into account)」に置き換えられている(赤字部分)。欧州を中心としたサステナビリティ重視の潮流を反映したものと言えよう。

現行(一部) 改訂案(一部)
将来における事業の機会とリスクに関する認識と対応、自社ビジネスモデルの持続可能性、および戦略の実現において自社のガバナンスがどのように貢献しているか、年次報告書に記載すべきである。 将来における事業の機会とリスクに関する認識と対応、自社ビジネスモデルの持続可能性、および戦略の実施において環境・社会問題がどのように配慮されているか、年次報告書に記載すべきである。

セクション2:取締役会の責任(会員限定)

2023/12/06 外国人社外取締役報酬は実質的に著しく目減りも 役員報酬に円安の影響をどこまで考慮すべきか

円安の影響が役員報酬にも及んでいる。多くの企業が検討を迫られることになるのが、・・・

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2023/12/06 外国人社外取締役報酬は実質的に著しく目減りも 役員報酬に円安の影響をどこまで考慮すべきか(会員限定)

円安の影響が役員報酬にも及んでいる。多くの企業が検討を迫られることになるのが、インセンティブ報酬の評価指標において為替の影響を除外すべきか、という点だ。典型的には年次インセンティブ(年次賞与)や長期インセンティブの評価において為替の影響を除外するかどうかが報酬委員会の審議事項となる。

有価証券報告書における報酬開示を調査したところ、例えば日本たばこは、年次賞与の評価において「為替一定Core revenue」や「為替一定調整後営業利益」を指標としており、期中の為替の影響を除外して評価していることが分かる(同社の2022年12月期の有価証券報告書の83ページ「役員賞与について」参照)。同様にオリンパスも、年次賞与の評価において、当期の業績予想に使用した為替レートを適用した「為替調整」を売上に対して実施していることを明らかにしている(同社の2023年3月期の有価証券報告書の2ページ(4)【役員の報酬等】参照)。

このように、短期的な著しい為替変動による好不調は経営陣への帰責性が低いと考え、年次賞与の評価からは為替の影響が除外されることが多い。これに対し、中長期的な為替変動はグローバル事業を営む経営者にとって対処すべきリスクの一つであることから、長期インセンティブの評価からは除外しないのが一般的だ。同様のプラクティスは欧米等の多国籍企業においても採用されており、今後は日本企業にも広まっていくことが予想される。報酬委員会は、為替の変動が自社の業績に対して著しい影響を持つ足下の経営環境において、「報酬委員会としての為替に対する考え方」を整理しておく必要があろう。

より深刻なのが、近年増加している外国人社外取締役の報酬に対して円安がもたらす影響だ。近年、取締役会の多様性が重視される中、2022年には日経225の27%、TOPIX100の41%が外国人取締役を選任している。業務執行側の外国人取締役の報酬であれば、一般的には自身の報酬マーケットで競争力のある報酬水準に「現地通貨ベースで」設定されることが多いため、問題とはなりにくい。一方、社外取締役の報酬は、外国人社外取締役を含め全員一律で同額(例:1,200万円)としているケースも多く、問題が生じる。この10年で、1ドルは80円程度から150円まで変動した。すなわち、同じ1200万円でも、ドルベースで見ると、10年前は15万ドルだったものが、足下では8万ドルまで目減りしてしまっている。

各社における外国人社外取締役との合意内容を見ると、就任時レートで固定というケースもあれば、毎期のレートで見直されるケース、送金時のレートで外貨換算されるケースなど、各社の対応は一律ではない。外国人社外取締役が為替リスクを負わない分、円ベースの報酬額がどんどん膨らんでしまい報酬枠を逼迫しかねないというケースもあれば、逆に為替リスクを外国人社外取締役に負わせた結果、報酬の競争力が著しく損なわれ、外国人社外取締役から何らかの補填を求められるというケースも見受けられる。

社外取締役報酬の為替リスクという問題に簡単な解はないものの、この問題への対応を検討するうえで留意すべき点が1つある。それは、社外取締役の報酬は、報酬委員会という仕掛けをもってしても、「自身の報酬を自身で決める構造(いわゆる“お手盛り”)」となることは免れないということだ。したがって、社外取締役の報酬は「株主」の監督に服すべきものであり、報酬委員会事務局としては、自社の対応ぶりがそのまま対外的な開示に耐えうるものであるかどうかという視点に立って検討を進める必要がある。

支給対象が外国人かどうかを問わず、社外取締役報酬を巡っては、期待役割の拡大に伴う報酬水準の上昇(場合によっては常勤に近いような形で社外取締役の任に就く者も散見される)、株式報酬適用企業の増加など、変化が大きく、論点も多い。一度、自社の社外取締役報酬の現状を棚卸しし、そのあり方について再検討してもよいだろう。