2022/02/01 サステナブル経営に対する投資家の本音(会員限定)

ESG経営やサステナブル経営と業績・株価の相関関係の分析や研究が進んでいるが、まだ“定説”と言えるものはないのが現状だ。ESG経営やサステナブル経営は将来の不確実性を軽減するという点で投資家にとってはリスク低減につながるという指摘や、ESG経営を実践している企業は企業価値が高く、資本コストが低いといったポジティブな評価が多くある一方で、ESG要素と投資パフォーマンスには相関関係がない、あるいはネガティブスクリーニング(ESGの観点から見て何らかの問題がある企業への投資を避ける手法)を行ったESG投資はむしろパフォーマンスが低いとった指摘も一部にはある。

こうした中、食品、洗剤、トイレタリーなど一般消費財を製造・販売するグローバル企業である英国のユニリーバの大株主として知られる投資家のテリー・スミス氏が、「同社の経営陣がサステナブル経営に注力しすぎており、企業経営の基本である利益追求を軽視している」との批判の声を上げたことが話題を呼んでいる。テリー・スミス氏は批判の理由として、①ユニリーバが子会社のアイスクリーム・ブランド(Ben & Jerry)がパレスチナ問題に対してイスラエルに批判的な立場を表明したこと、②英国の伝統的なマヨネーズブランドについて、食品ロス問題の克服をブランド目的の中心に掲げたことが、ブランドイメージに合わないとの指摘を受けていること、③ユニリーバの株価が昨年(2021年)後半から同業他社に比べて低迷していること、を挙げている。

資本コスト : 資本コストとは「資金提供者(債権者+株主)に対するリターン」を指す(なお、株主に対するリターンには、配当のほかキャピタルゲインも含まれる)。資金提供者に対するリターンが適切にできなければ、債権者は会社に資金の返還を求め、株主は株式を売却(=株価が下落する)せざるを得ない。したがって、会社にとって資本コストは「資金提供者に対するリターンの目標値」と言える。
ESG投資 : 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に優れた企業に投資すること。

これに対し、同社の他の株主やESGの専門家は、サステナビリティへの配慮は企業価値を高めるものであり、同社の株価低迷の要因ではないと反論している。

本件について当フォーラムが取材した機関投資家は、「サステナブル経営は決して株価や業績の低迷を許容するものではない」と語る。結局、投資家にとっての「サステナブル経営」とは、企業は最終的には投資家に対して利益をもたらす責任があるという大前提の下、その利益を上げるために、ESGやSDGsなどを考慮しなければ長期的に見て企業活動を継続することが困難となることがあるために必要となるもの、と整理することができる。

一口に「長期投資家」と言っても、5年、10年、あるいは年金基金のように基本的にずっと株式を保有し続けるところもあり、それによってサステナブル経営に対する意見も違ってくると考えられるが、いずれの投資家も、サステナブルな経営とともに、業績を上げていくことを企業に求めているということに変わりはない。ユニリーバの大株主による批判は、それを裏付けるものと言えそうだ。

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第10問解答画面(不正解)

不正解です。
金融庁のEDINETで公表されているデータによれば、「英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載している上場会社は2022年1月22日現在でわずか29社(表には30社あるが、非上場のNTTドコモが含まれている)に過ぎません(問題文は正しいです)。有価証券報告書の英文開示は、プライム市場選択会社にとってまさにゼロからの検討課題だと言えそうです。

こちらの記事で再確認!
2022年1月26日 /member/news-disclose-l/disclose-disclose-l/61000/も(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第10問解答画面(正解)

正解です。
金融庁のEDINETで公表されているデータによれば、「英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載している上場会社は2022年1月22日現在でわずか29社(表には30社あるが、非上場のNTTドコモが含まれている)に過ぎません(問題文は正しいです)。有価証券報告書の英文開示は、プライム市場選択会社にとってまさにゼロからの検討課題だと言えそうです。

こちらの記事で再確認!
2022年1月26日 /member/news-disclose-l/disclose-disclose-l/61000/も(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト

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【問題1】

TOPIX100採用企業が作成するスキル・マトリックスのほとんどで、役員の該当スキル部分を示す記号として「〇」印が用いられている。


正しい
間違い
【問題2】

気候変動に関する開示は環境報告書やCSR報告書といった任意開示書類で行えば足り、開示府令が気候変動に関する開示に対応できていない以上、有価証券報告書のような制度開示書類での開示は不要である。


正しい
間違い
【問題3】

現行の開示府令を前提に、有価証券報告書において、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の4つの枠組みに沿った開示を行おうとすると、上場会社が自社の有価証券報告書で自ら【サステナビリティ情報】という項目を創設して、そこにまとめて開示するしかない。

正しい
間違い
【問題4】

下請法の適用対象とならない取引であっても、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を取引価格に反映しない取引は、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に該当するおそれがある。


正しい
間違い
【問題5】

パートナーシップ構築宣言を実施した企業の数は2021年10月1日時点で約1,500社であったが、それからわずか3か月で4,500社に急増した。


正しい
間違い
【問題6】

男女別の賃金を開示するよう有価証券報告書が改正される可能性は低い。


正しい
間違い
【問題7】

ASBJが現在進めているリース会計基準の見直しが実現すると、ファイナンス・リース、オペレーティング・リースの区分が廃止され、原則としてすべてのリースについて資産計上が求められることから、これにより不動産の賃借取引の多くがB/S計上不可避になると見込まれている。


正しい
間違い
【問題8】

プライム市場上場会社に英語での情報開示を求める改訂CGコードの補充原則3-1②(東証の市場再編後に適用)は、決算短信、適時開示資料(重要事実)、株主総会招集通知、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、ESG報告書、有価証券報告書、IR説明会資料のどれか1つでも英訳すればコンプライしたと言える。


正しい
間違い
【問題9】

令和4年度(2022年度)税制改正大綱では、たとえ「個人」による上場株式の保有割合が3%未満であっても、当該個人の保有割合と、当該個人が株主となっている同族会社(資産管理会社等)による上場株式の保有割合を合計すると3%以上となる場合には、当該個人株主が支払いを受ける配当は「総合課税」の対象にすることとされた。


正しい
間違い
【問題10】

「英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載している企業」は50社もない。


正しい
間違い

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第9問解答画面(不正解)

不正解です。
令和4年度(2022年度)税制改正大綱では、たとえ「個人」による上場株式の保有割合が3%未満であっても、当該個人の保有割合と、当該個人が株主となっている同族会社(資産管理会社等)による上場株式の保有割合を合計すると3%以上となる場合には、当該個人株主が支払いを受ける配当は「総合課税」の対象にすることとされました(問題文は正しいです)。この改正が実現すると、令和5年(2023年)10月1日以後に支払われる配当から適用される見込みです。

こちらの記事で再確認!
2022年2月24日 創業者一族の“配当節税”にメス、税負担倍増も(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第9問解答画面(正解)

正解です。
令和4年度(2022年度)税制改正大綱では、たとえ「個人」による上場株式の保有割合が3%未満であっても、当該個人の保有割合と、当該個人が株主となっている同族会社(資産管理会社等)による上場株式の保有割合を合計すると3%以上となる場合には、当該個人株主が支払いを受ける配当は「総合課税」の対象にすることとされました(問題文は正しいです)。この改正が実現すると、令和5年(2023年)10月1日以後に支払われる配当から適用される見込みです。

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2022年2月24日 創業者一族の“配当節税”にメス、税負担倍増も(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第8問解答画面(不正解)

不正解です。
CGコードの補充原則3-1②では「プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである」とされています。ここでポイントとなるのは「必要とされる情報」とは何かです。東証が2021年8月30日に公表した「英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果」(調査期間:2021年7月1日~2021年8月13日、回答数:54件(うち機関投資家48件))によると、海外投資家が特に英文開示を求めているのは決算短信(「必須」「必要」の両回答を合わせると80%)とIR説明会資料(同74%)となっており、それらに比べるとESG報告書(同59%)や株主総会招集通知(同56%)などはそれほど重要視されていないことが分かります。また、情報は「(受け手が)必要とする時」にタイムリーに提供されなければ意味がありません。プライム市場上場会社は、何が英語での開示において「必要とされる情報」なのか、提供時期はタイムリーにできているかをじっくりと検討してから、補充原則3-1②をコンプライしていると言えるかどうかを見極めるべきです(開示資料の「どれか1つでも英訳すれば(補充原則3-1②を)コンプライしたと言える」訳ではないので、問題文は誤りです)。

こちらの記事で再確認!
2022年1月19日 補充原則3-1②の英文開示で「必要とされる情報」の意味(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第8問解答画面(正解)

正解です。
CGコードの補充原則3-1②では「プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである」とされています。ここでポイントとなるのは「必要とされる情報」とは何かです。東証が2021年8月30日に公表した「英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果」(調査期間:2021年7月1日~2021年8月13日、回答数:54件(うち機関投資家48件))によると、海外投資家が特に英文開示を求めているのは決算短信(「必須」「必要」の両回答を合わせると80%)とIR説明会資料(同74%)となっており、それらに比べるとESG報告書(同59%)や株主総会招集通知(同56%)などはそれほど重要視されていないことが分かります。また、情報は「(受け手が)必要とする時」にタイムリーに提供されなければ意味がありません。プライム市場上場会社は、何が英語での開示において「必要とされる情報」なのか、提供時期はタイムリーにできているかをじっくりと検討してから、補充原則3-1②をコンプライしていると言えるかどうかを見極めるべきです(開示資料の「どれか1つでも英訳すれば(補充原則3-1②を)コンプライしたと言える」訳ではないので、問題文は誤りです)。

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2022年1月19日 補充原則3-1②の英文開示で「必要とされる情報」の意味(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第7問解答画面(不正解)

不正解です。
問題文のとおり、ASBJが現在進めているリース会計基準の見直しが実現すると、ファイナンス・リース、オペレーティング・リースの区分が廃止され、原則としてすべてのリースについて資産計上が求められるようになります。そうなると、不動産の賃借取引の多くがB/S計上不可避になると見込まれています(問題文は正しいです)。

こちらの記事で再確認!
2022年1月19日 リース会計基準変更へ 「重要性基準」という“逃げ道”は通用するか(会員限定)

2022/01/31 2022年1月度チェックテスト第7問解答画面(正解)

正解です。
問題文のとおり、ASBJが現在進めているリース会計基準の見直しが実現すると、ファイナンス・リース、オペレーティング・リースの区分が廃止され、原則としてすべてのリースについて資産計上が求められるようになります。そうなると、不動産の賃借取引の多くがB/S計上不可避になると見込まれています(問題文は正しいです)。

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2022年1月19日 リース会計基準変更へ 「重要性基準」という“逃げ道”は通用するか(会員限定)