2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第4問解答画面(正解)

正解です。
自己株式を現金のように使って吸収合併・吸収分割・株式交換などの企業再編を行うことができます(問題文は正しいです)。

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2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第3問解答画面(不正解)

不正解です。
自己株式の処分の手続きは、基本的には募集株式の発行の手続と同じとなっています。なぜなら、両者は「株式と引換えに会社にキャッシュが入ってくる」という点で共通しているからです(問題文は正しいです)。

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「自己株式を処分または消却したい」の「自己株式を保有し続けることのデメリット」はこちら

2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第3問解答画面(正解)

正解です。
自己株式の処分の手続きは、基本的には募集株式の発行の手続と同じとなっています。なぜなら、両者は「株式と引換えに会社にキャッシュが入ってくる」という点で共通しているからです(問題文は正しいです)。

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2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第2問解答画面(不正解)

不正解です。
自己株式を保有し続けることには「余裕資金の減少」「株価の上値が抑えられる」「法的権利の制限」「純資産の減少」などのデメリットがあります。

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2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第2問解答画面(正解)

正解です。
自己株式を保有し続けることには「余裕資金の減少」「株価の上値が抑えられる」「法的権利の制限」「純資産の減少」などのデメリットがあります。

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2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第1問解答画面(不正解)

不正解です。
自己株式の取得により浮動株が減少するため、敵対的買収の予防につながります(問題文は正しいです)。

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「自己株式を処分または消却したい」の『数百社の上場会社で「筆頭株主が自社」に』はこちら

2021/08/18 【ケーススタディミニテスト】自己株式を処分または消却したい 第1問解答画面(正解)

正解です。
自己株式の取得により浮動株が減少するため、敵対的買収の予防につながります(問題文は正しいです)。

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2021/08/18 【ファイナンス】自己株式を処分または消却したい(会員限定)

 

数百社の上場会社で「筆頭株主が自社」に

株主に対する余剰資金の還元や、ROE・1株当たり利益・1株当たり純資産といった経営指標の改善、さらに“シグナリング効果”や浮動株を減少させることによる敵対的買収の予防、経営陣にとって都合のよい株主の持株比率の向上など、会社にとって多くのメリットがある自己株式の取得ですが、取得した自己株式はその後どのように扱うべきでしょうか。

ROE : Return On Equity=当期純利益/自己資本
シグナリング効果 : 「経営陣は現在の株価を割安と考えている」というメッセージを株式市場に対して伝えることで株価に与えるプラスの効果のこと。
浮動株 : 長期保有の株主が持つ株式と異なり、株式市場で転々と流通している株式。

まず、会社は取得した自己株式をそのまま保有し続けることができます(このように会社が保有している自己株式は「金庫株」と呼ばれます)。保有し続ける期間に限度はありません。実際、自己株式の取得を繰り返し、そのまま保有し続けた結果、「筆頭株主が自社」という状況になっている上場会社は数百社あります。自社が筆頭株主になっても、法令や証券取引所の規則に反するわけではありません()。

もっとも、自己株式の取得を繰り返した結果、上場廃止基準のうち流通株式に関する基準に該当することも考えられます。その場合は、改善期間内に改善できなければ上場廃止になってしまいます。流通株式に関する基準については【役員会 Good&Bad発言集】流通株式の定義変更 を参照してください。

自己株式を保有し続けることのデメリット

ただし、自己株式を保有し続けることにはデメリットもあります。具体的には以下のようなものが挙げられます。

○余裕資金の減少
自己株式の取得により資金が流出しますが、自己株式を保有し続けることは当該資金が眠り続けることを意味します。それは企業が成長していくために使うこ資金が減ることも意味します。

○株価の上値が抑えられる
自己株式を保有し続けた場合、投資家は「自己株式はいずれ市場に放出されて需給を緩め(=供給の増加)、株価を下落させる可能性がある」という予測を織り込むため、上値が抑えられる要因となります。

○法的権利の制限
自己株式には株主総会での議決権がないうえ(会社法308条2項)、剰余金の配当請求権、残余財産分配請求権等もありません(会社法453条括弧書き、504条3項)。

○純資産の減少
自己株式の取得は配当と同様に「株主に対する出資の払戻し」です。そのため、自己株式の取得には純資産を減らす効果があります。貸借対照表上は、純資産の部の自己資本に「自己株式」という行が設けられマイナス項目として表示されることになります。純資産を減らす効果は自己株式を消却しても変わりません(詳細は後述)。純資産をマイナスする効果が完全に解消するのは、自己株式を売却してその取得価額以上の対価を得た場合(=売却益が出た場合)のみであり、そうならない限り、純資産は減少したままとなります。

消却 : 自己株式を消し、存在しない状態にすること。

それでは、上場会社は、自己株式を「保有し続ける」ということ以外に、どのような選択肢を採り得るのでしょうか。以下で解説します。

自己株式の売却は「募集株式の発行」と同じ扱い

自己株式を「保有し続ける」ということ以外の選択肢としてまず考えられるのが、取得した自己株式の売却です。

会社法ではこれを自己株式の「処分」と言います。会社法上、自己株式の処分は「募集株式の発行」と同列に扱われます。なぜなら、両者は「株式と引換えに会社にキャッシュが入ってくる」という点で共通しているからです。このため、自己株式の処分の手続きは、基本的には募集株式の発行の手続と同じとなっています(会社法199条1項)。

募集株式の発行 : 新株発行の募集に応じた者に対して株式を割り当てること。すべての株主に持株数に応じて株式を割当てる「株主割当」と、特定の第三者に株式を割り当てる「第三者割当」がある。

このように、自己株式の処分は「募集株式の発行」、すなわち新株発行と同列に扱われますが、両者には違いもあります。まず、新株を発行した場合には発行済株式総数が増えるのに対して、自己株式を処分しても発行済株式総数は変わりません。また、新株の発行では払込金額の半分以上が資本金に計上され、資本金が増加するのに対して(*1)、自己株式を処分した場合には資本金の額に変更はありません。自己株式を取得したときに資本金を減らしていない(*2)以上、「処分」したときに資本金を増やしてしまえば、資本金を二重にカウントすることになってしまうからです。

*1 資本準備金にできるのは払込金額の半分以下です。詳細は、ケーススタディ「配当をしたい」の『配当の支払いに伴い「準備金」の強制積立てが求められるケースも』を参照してください。
*2 資本金を減らすことを減資といいます。減資の手続きは、会社の債権者を保護するために、厳格なものとなっています。

なお、自己株式は、証券取引所を通さずに相対で売却することもできますし、上場会社であれば、証券取引所を通じて売却することもできます。自己株式を売却した場合の処分損益は、株主との取引によって生じたものであり、会社の“経営成績”とは言い難いことから、損益計算書を通さずに、「純資産の部」の「自己資本」の「その他資本剰余金」に直接計上します。その際、売却益が生じるかどうかで売却後の「自己資本」の内訳が変わってきます。仮に、売却益(自己株式処分差益)が出れば「自己資本」の「その他資本剰余金」に加算され、純資産を増やすことになります。一方、売却損(自己株式処分差損)が出てしまう(*1)と「その他資本剰余金」から減算されることになります。もし、自己株式処分差損の方が「その他資本剰余金」よりも多い場合は、「その他資本剰余金」がマイナスになってしまいます。それを避けるため(*2)、「その他資本剰余金」をマイナスにせずにゼロにとどめておき、代わりに「その他利益剰余金」から減額します(その結果、「その他利益剰余金」がマイナスになることはやむをえません)。

その他資本剰余金 : 株主との取引(資本取引)のうち、資本金を除いた額を資本剰余金と言う。その他資本剰余金とは、資本剰余金から、資本準備金を控除した金額のこと。

*1 自己株式処分差損を出してまで自己株式を処分しなければいけない状況は、株価の向上に失敗したことを意味することから、経営者としては避けたいところです。
*2 「その他資本剰余金」がマイナスになることを避ける理由として、「企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」40項では、「資本剰余金は株主からの払込資本のうち資本金に含まれないものを表すため、本来負の残高の資本剰余金という概念は想定されない」と説明されています。

なお、上場会社が自己株式を処分した場合には、やはり「募集株式の発行」と同様に、その旨を適時開示する必要があります。

自己株式を現金のように使って企業買収も

自己株式を売却しない場合、例えば以下のような場面で活用することができます。

(1)取得請求権付株式・取得条項付株式・全部取得条項付種類株式の取得
(2)株式無償割当て
(3)単元未満株主からの売渡請求
(4)ストック・オプションの行使
(5)吸収合併・吸収分割・株式交換などの企業再編
(6)産業競争力強化法に基づく株式公開買付け
(7)「日本版ESOP」としての従業員持株会への譲渡

産業競争力強化法 : 日本経済再生のため、規制緩和や規制改革、産業活動の新陳代謝促進などを主眼とした法律。平成26年1月20日に施行された。産業活力再生法の後継法であり、産業活力再生法上の措置の多くは産業競争力強化法に引き継がれている。

以下、それぞれについて説明します。

(1)取得請求権付株式・取得条項付株式・全部取得条項付種類株式の取得
取得請求権付株式とは、株主側から会社に買取りを求めることができる種類株式です。一方、取得条項付株式とは、一定の出来事が発生すれば会社が買取りを行うという種類株式です。取得請求権付株式は株主側に主導権がありますが、取得条項付株式は会社側に主導権があり、株主の同意を必要とせず買取りとなってしまうという点で異なります。また、全部取得条項付種類株式とは、株主総会の決議(特別決議)で種類株式の全部を会社が買い取ることを予定している種類株式です。

これらの株式の買取りの対価は、会社法上現金に限られてはいないことから、会社は自己株式を渡すことも考えられます(種類株式の発行時に、例えば「買取り時の対価は普通株式とする」旨の条項を入れておくことになります)。「株式を買い取って、その対価に株式を渡すのでは結局同じでは?」と思われるかもしれませんが、対価として渡す株式の種類が異なれば「同じ」ではありません。また、買取りに現金を必要としないという点で、会社側にもメリットがあります。

(2)株式無償割当ての対価に自己株式を利用
株式無償割当てとは、株主全員に対し、保有株式数に応じ“無償で”株式を交付するもので、株主への利益還元、株式の流動性確保による投資家層の拡大を目的としています。株式無償割当ての対価に自己株式を使うことで、自己株式の有効活用になります。

(3)単元未満株主からの売渡請求
単元株に満たない株数の株式を「単元未満株」と言いますが、単元未満株しか保有しない株主は、株主総会での議決権行使も、株式市場での売買もできません。そこで多くの上場会社は、定款に「単元未満株主による売渡請求(買増請求)」を認める旨の定めを置くことで、単元未満株を単元株にすることができるようにしています。例えば単元株が1,000株のところ500株しか保有していない株主は、会社に対して500株の買増請求をすることで、これを1,000株(単元株)にすることができるわけです。

単元株 : 株主総会での議決権行使や株式市場での売買を行うのに最低限必要な株式数。

そして、会社が株主からの買増請求に応じる際には、新規に株式を発行せず、保有している自己株式を渡すことができます。

(4)ストック・オプションの行使
従業員や役員がストック・オプションを行使してきた場合、新規に株式を発行せず、自己株式を渡すことも可能です。ストック・オプションの権利者にとっては、新規に発行された株式であろうが自己株式であろうが経済的価値は同一ですし、新規に株式を発行した場合に生じる「希薄化」を免れることができるため、既存株主からも歓迎されます(下図参照)。

<ストック・オプションの行使時に自己株式を交付>
57953a

(5)吸収合併・吸収分割・株式交換などの企業再編
自己株式は、吸収合併・吸収分割・株式交換などの企業再編にも活用できます。

合併では、存続会社(A社)が、吸収会社(B社)の株主に対して自己株式を交付することも可能です。これにより、新株を発行して吸収会社(B社)の株主に交付した場合に生じてしまう「存続会社(A社)の株主の持分の希薄化」を避けて、合併を行うことが可能になります。

<自己株式を用いた吸収合併>
57953b

また、吸収分割(他社(B社)の一事業部門等を分割して引き受けること)や株式交換(他社(B社)の株主から当該他社(B社)の株式をもらう代わりに、当該他社(B社)の株主に自社(A社)の株式を渡す手法)でも、自己株式を活用することができます。

<自己株式を用いた吸収分割>
57953c

<自己株式を用いた株式交換>
57953d

これらの企業再編では、自己株式がいわば現金のように使われていることが分かります。つまり、保有している自己株式を活用すれば、現金の支出なしに企業買収ができるわけです。もちろん、自己株式を取得する際には現金が必要になりますが、株価が低いときに自己株式を取得しておけば、株価が上がったところで自己株式を使った企業買収を実行することにより、トータルの現金支出を抑えることができます。

(6)産業競争力強化法に基づく株式公開買付け
公開買付け(TOB)を行う場合、買付けの対価として、株主に自己株式を交付するケースがあります(もちろん、新株を発行して交付することも可能です)。この場合、原則として株主総会の特別決議が必要となりますが、産業競争力強化法の認定(経済産業省の認定)を受けた公開買付けであれば、株主総会の決議は不要となります。また、対価として(新株発行や自己株式の処分により)交付する株式数の計算も不要で、単に交換比率を定めればよいほか、仮に被買収会社の株式の価格が変動したとしても交換比率を見直す必要はないなど、買収者側の負担が大幅に軽減されます。

公開買付け : 「買付価格、買付株式数、買付期間」などを不特定かつ多数の人に対して公告することで、「株式市場外」で株式を買い集めること。”take-over bid”の略でTOBと称されることもある。株式の発行会社が行うこともあれば、かつての村上ファンドのような第三者が行うこともある。第三者が、公開買付けの対象会社の取締役会の賛同を得ないで実施する公開買付けは敵対的買収(敵対的TOB⇔友好的TOB)と言われる。

(7)「日本版ESOP」としての従業員持株会等への譲渡
ESOP(Employee Stock Ownership Planの略)は「イーソップ」と読み、従業員の退職給付制度と自社株保有制度を兼ねた仕組みのことです(*)。日本では、信託の仕組みを使い、従業員持株会に自社の株式を交付する方式(以降、「持株会型」。従業員は持株会の会費を負担しますが、会社から一定の補助が出るケースが大半です)や従業員に付与したポイントに応じて退職時に自社の株式を交付する方式(以降「株式給付型」。従業員の負担はありません)等が行われており、それらはまとめて日本版ESOPと言われています。

持株会型のESOPでは、従業員は従業員持株会を通じて取得した自社株式を退職時まで売却することができません。そのため、持株会型のESOPを導入することで従業員が株価向上に向けてのインセンティブを持つことや従業員の会社へのロイヤリティが高まることが期待されます。株式給付型の場合も、持株会型と同様、将来交付される自社株式の価値が高まれば高まるほど従業員の資産形成に資することから、株価向上に向けて一般投資家と同じ目線を持ちつつ業務に励むことが期待されます。一方、会社にとっても長期保有の株主が増加(ESOPの適用対象者が多ければ多いほど長期保有の株主が増加します)することから、福利厚生にとどまらず、株価向上の施策という観点からもESOPの導入を検討する上場会社が増えています。

日本版ESOPにおいて、信託に拠出する自社株式は、株式市場から調達することになります(これは安定的な買い需要を作り出すことになります)が、もし自己株式を有していれば、その信託を自己株式の受け皿にすることもできます。

自己株式を「消す」方法

会社が置かれた状況は各社で異なることから、上述のような自己株式の有効な使い道を見出せないこともあるでしょう。その場合、有効な使い道が見つかるまで自己株式を保有し続けるという判断も当然あり得ます。しかし、上述の「自己株式を保有し続けることのデメリット」でも触れたとおり、自己株式を保有し続けることで、「将来、マーケットに自己株式が放出され株価が下落する要因を抱えている」と投資家に判断されかねないといったリスクもあります。

そこで、自己株式の使い道がないという場合には、自己株式を「消す」こともできます。自己株式を消すことを、会社法上は「消却」と言います。消却した株式は文字通り「存在しない」ことになるため、発行済株式総数が減少することを通じて株価向上の要因になるとして、投資家からは歓迎されることになります(もっとも、消却した分について発行可能株式総数が減少するわけではないので、投資家の持つ希薄化の懸念を完全に払しょくすることはできません)。

自己株式の消却は、取締役会設置会社では取締役会の決議で、取締役会のない会社(上場会社の子会社や上場準備会社ではあり得ます)では株主総会の決議で行います(会社法178条)。いずれにせよ、決議に際しては、消却する自己株式の数を定めることが必要です。また、自己株式の消却により発行済株式総数はその分減少しますので、発行済株式総数減少についての変更登記が必要になります。ただし、「発行可能株式総数」は変わりません。したがって、今後発行できる株式数の枠は増えることになります。

自己株式の消却により、消却対象となった自己株式の帳簿価額が純資産の部の「その他資本剰余金」から減額されます。消却される自己株式の帳簿価額の方がその他資本剰余金の額より多ければ、消却の結果その他資本剰余金の残高がマイナスとなってしまいます。期末時点でその他資本剰余金の残高がマイナスのままであれば、その他資本剰余金をゼロに戻して、代わりにその他利益剰余金(繰越利益剰余金)から減額することになります。

なお、上場会社による自己株式の消却は、証券取引所の適時開示事項として明示されていないとはいえ、投資家の関心事ですので、開示する方が望ましいと言えます。

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2021/08/18 CG報告書を見れば分かる「JASDAQ・マザーズ→スタンダード・プライム」上場を目指す会社

周知のとおり、東証一部・二部上場上場会社は、改訂コーポレートガバナンス・コード(以下、改訂CGコード)に対応したコーポレート・ガバナンス報告書(以下、CG報告書)を「準備ができ次第、速やかに(遅くとも12月末までに)」提出することが求められており(プライム市場のみを対象とする内容を除く)、提出に向け準備に追われていることだろう。こうした中、いよいよ来月(2021年9月)1日から、CGコードのうち「基本原則のみが適用されている上場会社」で、スタンダード市場またはプライム市場を選択する会社においても、改訂CGコードに対応したCG報告書の提出が始まる。

東証一部・二部上場上場会社が「準備ができ次第、速やかに」提出を求められているのに対し、「基本原則のみが適用されている上場会社」すなわちJASDAQ、マザーズ上場会社がスタンダード市場またはプライム市場を選択する場合(JASDAQスタンダード→プライム、JASDAQグロース・マザーズ→スタンダード・プライムへの上場には上場審査が必要)の提出時期は「9月1日〜12月末(=新市場の選択期間)」に限定されている。これは、・・・

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2021/08/18 CG報告書を見れば分かる「JASDAQ・マザーズ→スタンダード・プライム」上場を目指す会社(会員限定)

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東証一部・二部上場上場会社が「準備ができ次第、速やかに」提出を求められているのに対し、「基本原則のみが適用されている上場会社」すなわちJASDAQ、マザーズ上場会社がスタンダード市場またはプライム市場を選択する場合(JASDAQスタンダード→プライム、JASDAQグロース・マザーズ→スタンダード・プライムへの上場には上場審査が必要)の提出時期は「9月1日〜12月末(=新市場の選択期間)」に限定されている。これは、「どの市場を選択したか」という情報自体が投資判断に影響を与える可能性があることに配慮したもの。実際、現行の市場区分の下でも、東証一部に指定されるとTOPIXに採用されることを見越して株価が上がるという現象が起きている。同様に、現在はJASDAQやマザーズに上場する会社が充実したCG報告書を作成すれば、「スタンダード市場、場合によってはプライム市場上場に向け準備を始めた」というメッセージと受けとめられる可能性は十分にあろう()。

 2020年11月1日以降にJASDAQスタンダードに上場した会社は、すでにコーポレートガバナンス・コードの全原則(基本原則・原則・補充原則)について、各原則を実施するか、実施しない場合にはその理由をCG報告書において説明済みである。

また、当フォーラムの取材によると、JASDAQ、マザーズ上場会社がスタンダード市場またはプライム市場を選択する場合の提出時期を9月1日以降としたもう一つの理由として、基本原則にのみに対応することで済んでいた会社が全原則に対応するとなれば、検討事項が多岐にわたるため、「準備ができ次第、速やかに」提出を求めるのは酷であるうえ、実際、早い段階で提出する会社も少ないと想定したことによる。ただし、東証によると、9月になる前に提出してはいけないというわけではないとのことだ。8月も残り少ないが、準備ができたマザーズ、JASDAQ上場会社が今月中に改訂CGコードの全原則に対応したCG報告書を提出しても差し支えない。ただしその場合、東証は、当該CG報告書が「改訂CGコードの全原則に対応している」旨を注記することを求めている。

2021年8月18日現在、JASDAQスタンダード上場会社では、日本マクドナルドホールディングスの6,807億5,500万円を筆頭に169社、JASDAQグロース上場会社では9社、マザーズ上場会社ではメルカリの8,523億7,400万円、フリーの4,283億6,500万円をはじめ153社の時価総額が100億円以上となっている(プライム市場の上場維持基準は流通株式時価総額100億円以上)。東証一部、二部上場会社にとっては今後同じ市場に競合他社が増えることになる可能性もある。JASDAQ、マザーズ市場の時価総額上位会社のCG報告書の内容が注目されるところだ。