2021/08/17 各取締役の報酬額決定を社長に一任した理由、各社はどう書いた?

会社法の改正(2021年3月1日から施行)に伴い、2021年3月期の有価証券報告書からは「企業内容等の開示に関する内閣府令」(開示府令)も改正され、“役員報酬ガバナンス”に関する開示が強化()されたのは周知のとおり。開示強化の大きな狙いの一つが、取締役の個人別報酬の決定を社長等に一任する際の透明性の確保だ。

 取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く)において、取締役会から委任を受けた取締役その他の第三者が当事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容の全部又は一部を決定したときは、①その旨、②「委任を受けた者」の氏名および当該内容を決定した日における当該株式会社における地位並びに担当、③委任された権限の内容、④委任の理由及び当該権限が適切に行使されるようにするための措置を講じた場合における当該措置の内容、を記載することが開示府令に明文化された。

報酬決定プロセスの客観性・透明性の確保を求める投資家の声が高まる中、・・・

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2021/08/17 各取締役の報酬額決定を社長に一任した理由、各社はどう書いた?(会員限定)

会社法の改正(2021年3月1日から施行)に伴い、2021年3月期の有価証券報告書からは「企業内容等の開示に関する内閣府令」(開示府令)も改正され、“役員報酬ガバナンス”に関する開示が強化()されたのは周知のとおり。開示強化の大きな狙いの一つが、取締役の個人別報酬の決定を社長等に一任する際の透明性の確保だ。

 取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く)において、取締役会から委任を受けた取締役その他の第三者が当事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容の全部又は一部を決定したときは、①その旨、②「委任を受けた者」の氏名および当該内容を決定した日における当該株式会社における地位並びに担当、③委任された権限の内容、④委任の理由及び当該権限が適切に行使されるようにするための措置を講じた場合における当該措置の内容、を記載することが開示府令に明文化された。

報酬決定プロセスの客観性・透明性の確保を求める投資家の声が高まる中、各取締役の報酬額の決定を社長等に一任する方法を見直す会社も現れていたが(2019年8月28日のニュース「各取締役の報酬額決定の社長一任を見直す動き」参照)、このほど当フォーラムが開示府令改正後のTOPIX100銘柄を構成する3月末決算会社(指名委員会等設置会社を除く60社)の2021年3月期有価証券報告書を調査したところ、取締役会が各取締役の報酬額の決定を社長等への一任を行っている企業は、むしろ前回調査時(上記で引用のニュース参照)の27社から3社増えたことが分かった。また、「報酬委員会等の任意の委員会等」に委任した会社は9社だった。

(注)「代表取締役社長+代表取締役会長」など複数に委任している場合を含む。
取締役会からの委任先 社数(60社中の構成割合)
社長等の取締役(注) 30(50%)
報酬委員会等の任意の委員会等 9(15%)

取締役会が各取締役の報酬額の決定を社長等に一任している会社のうち、その理由が記載されていた会社の一覧および各社が記載した理由は下表のとおり。各社が記載した理由を見ると、表現こそ異なるものの、要するに各社とも「会社の経営及び業績を俯瞰し判断できるのは、会社の実情を最も把握している社長しかいない」ということを言っている。

会社名 報酬等の内容の全部又は一部の決定を社長等の取締役に一任した理由
大和ハウス工業 当社が重点を置くべき項目(売上・利益等の定量的要素に加え、経営基盤強化等の定性的要素)を個人別の報酬額の指標としているため、総合的な考慮を行うのに最も適しているためです。
東レ これらの権限を委任する理由は、各取締役の職務及び業績を最も良く把握する代表取締役社長が決定することで、一定の客観性が担保されると判断しているためです。
信越化学工業 役員報酬委員会での審議に基づき答申された取締役の個人別の報酬を決定する者として、取締役会議長である代表取締役会長が適切であるためであります。
ENEOSホールディングス 当社グループの経営状況等を最も熟知している代表取締役が責任をもって報酬等を決定すべきという理由から。
住友金属鉱山 執行役員を兼務している取締役の個人別の報酬等の額については会社業績及び執行役員としての個人別の業績評価に連動させており、当該業績評価のための個人目標の設定及びその到達度の評価を代表取締役社長が各執行役員と面談のうえ行うことから、具体的な報酬額を代表取締役社長が決定することが適すると判断しているためです。また、その他の取締役の個人別の報酬等の額については取締役社長の報酬等の額を基準として定めているためです。
住友電気工業 当社全体の業績を俯瞰し各業務執行取締役の評価を行うため。
SMC 社長が、取締役の個人別の報酬等の内容決定の根拠となる業績見通し、従業員給与の水準、各取締役の業績に対する貢献度について最も多くの情報を把握しており、経営方針を踏まえて最も公正な評価をすることができる立場にあるためです。
ダイキン工業 当社の経営及び全社業績を俯瞰し各取締役の担当部門や個人の評価を行うには同氏が最も適していると判断したためである。
富士通 報酬等を決定する際に用いる指標や目標達成度合いに応じた支給額については、取締役会で決定した経営方針の実現にむけて、業務執行の最高責任者である代表取締役社長が自身の考えを踏まえて決定をすべき。
パナソニック 当社全体の業務執行を客観的に把握・統括している。
シスメックス 当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当事業の評価を行うには代表取締役が最も適しているから。
京セラ 権限を委任した理由は、当社グループ全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の役割や責務の評価を行うには代表取締役会長及び代表取締役社長が最も適しているから。
三菱重工業 当社全体の業績等を勘案しつつ各取締役の報酬の配分について最終的な決定を行うには、CEOとして会社業務全般を統括・執行する取締役社長が適していると判断したためである。
スズキ 各取締役の業績を踏まえて役位別の基準額に若干の調整を加えることであり、取締役会議長である同氏への委任が妥当と判断したためです。
任天堂 各取締役の職責にかかる評価を俯瞰的に行うには代表取締役社長が最も適していると判断したため。
丸紅 個人評価給のうち、定性評価(当該年度の業績、将来に向けた新たな価値創造の仕掛け・取組み等中長期の貢献等の定性面での評価)を行うのは業務執行のトップである社長が最も適していると判断された。
東京エレクトロン 各取締役の職責やパフォーマンス評価について業務執行を統括するCEOがおこなうことが適しているため。
住友不動産 各人の見地から、各取締役の職責や業績への貢献度合いを合議の上、総合的に見極めることで適切な評価を行うことができると判断されたため。
東日本旅客鉄道 各取締役の業績評価にあたっては、代表取締役社長が、対象となる取締役に対して、年次計画およびグループ経営ビジョン「変革 2027」の達成に向けた目標設定面談およびトレース面談を実施することで、当期実績および貢献度等を確認しているため。
西日本旅客鉄道 業務執行の最高責任者を社長に一元化する体制としており、各取締役の評価を最終的に決定するにあたっては、代表取締役社長の任にある同氏が最も適切である。
東海旅客鉄道 各人の課題に対する成果等の実績を把握している。
ANAホールディングス 代表取締役社長は当社業務全体を総括し、各個人ごとの業務内容にも精通しており、最も適任である。
ソフトバンク 役員の個人別報酬等の決定にあたっては、報酬委員会にて役員報酬ポリシーに沿い、報酬総額と個人別報酬等について検討の上、取締役会へ提言を行うこととしており、委任を受けた者はその提言を尊重し決定することとしているため。
中部電力 当社の業務執行を統括し,全体を俯瞰して判断できる。
ソフトバンクグループ 創業者であり当社全体の業績を統括する。

また、当フォーラムの調査によると、取締役会が各取締役の報酬額の決定を社長等に委任している上記29社のすべてにおいて、報酬委員会等の任意の委員会が存在しており(前回調査では27社中16社)、報酬委員会等が社長等に対して個人別の報酬額の原案を作成またはアドバイスする、決定された各取締役の報酬額を報酬委員会に報告し会社の方針通りに決定されていることについて承認を受けるなど、その権限が適切に行使されるようにするための措置を開示していた。コーポレート・ガバナンスコード補充原則4-2①(今年6月は改訂なし)は、「取締役会は、経営陣の報酬が持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、客観性・透明性ある手続に従い、報酬制度を設計し、具体的な報酬額を決定すべき」としているが、社長等に一任する場合には特に“お手盛り”との疑念が持たれやすいだけに、「客観性・透明性ある手続」が一層意識された結果と言えそうだ。

2021/08/17 【総務等】契約書案をレビューしたい

 

そもそも契約「書」は何のために作成するのか?

企業と取引先との関係は、様々なルールによって規律されています。そのルールは、全業種に共通する一般的なルールから業種の特性や業界の慣習などによって異なる特殊なルールまで様々です。そういったルールを、相手方との関係に応じて、「やるべきこと」「やってはいけないこと」「求められてはいないがやることが望ましいこと」などを法的に整理したものが「契約」です。企業は契約内容に拘束されることから、契約の締結前にその内容を詳細に検討しておかなければなりません。そしてこの契約は、特に企業間の取引においては合意した内容を明確化し、後日トラブルになることを防ぐために事前に書面化されることがほとんどです。そこで契約書案の検討(レビュー)を通じて、契約内容の事前検討を行うことになります。

契約書案のレビューとは、契約書案の内容を確認して、その問題点を洗い出し、必要に応じて加筆修正を加えるという作業です。一見、契約書を読んで確認すればよいと思われるこの作業ですが、チェックすべきポイントはどこか、具体的にどのように行うのが効率的なのかは、弁護士やロースクール出身のような方以外にはなかなか理解されていないと思います。何事にもそれを行う上で外すことのできない重要なポイントがあるように、契約書案の検討にも一種の肝ともいうべき勘所のようなものがあり、それを知ることで、より実践的な契約書案の検討を行うことが可能となります。とりわけ取締役は取締役会の決議事項である契約の承認について決議する際に、重要なポイントを見落とししないようにしなければなりません。

では、契約書案を検討する場合に、具体的にどのような点に注意すれば良いのか、その勘所について、以下見ていきましょう。・・・

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契約書が法律違反になる場合も

契約書案の検討に当たり、契約書に定めた内容が、法律違反を犯している可能性について、検討しておきましょう。まず、・・・

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他の契約との体系を意識する

次に、検討している契約書案が、他の契約と整合するのかどうかについて、検討します。

たとえば、・・・

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契約書案の検討は性悪説を前提に

契約書は当事者の権利義務について定めることを一義的な目的としています。そこで、各当事者にどのような権利義務が定められているのかを確認します。・・・

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契約書案、最低でもここだけはチェック

契約書案のチェックポイントのうち、上述したものも含めて「少なくともここだけはチェックしておきたい箇所」を下に掲げておきました。・・・

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複雑な契約の場合には、専門家によるチェックが必要

以上、契約書案の検討における勘所を述べました。これらは極めて基本的な内容ですが、これだけのポイントを丁寧に検討するだけでも、契約書案の内容の理解が格段に高まり、将来的な紛争の防止につながります。

しかし、・・・

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調印前に承認を忘れずに

契約書に調印する前に、・・・

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重要な契約は開示が必要

有価証券報告書提出会社が・・・

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2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい(会員限定)

【問題1】

契約書のうち法律に違反した条項があれば、当該条項は必ず無効となる。


正しい
間違い
【問題2】

消費税に関する総額表示の義務付けにより、明記の有無を問わず、契約書に記載した金額は消費税込の金額となる。


正しい
間違い
【問題3】

トラブルが生じればその段階で改めて当事者同士で誠実に協議をして円満な解決を目指せばよいので、契約において営業秘密やノウハウ、知的財産権の帰属がどうなるかをわざわざ契約書で明記する必要はない。


正しい
間違い
【問題4】

電子契約は紙の契約書よりも証拠力が落ちる。


正しい
間違い
【問題5】

契約書に印紙を貼付し消印を押すのは契約書の有効性を高めることが目的である。


正しい
間違い

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第5問解答画面(不正解)

不正解です。
印紙税が課される契約書の場合、契約書に印紙を貼付する必要があります。そして、印紙には印章や署名により契約書と印紙をまたぐように消印を押します。消印の目的は印紙の再利用の防止にあります。消印は契約書の有効性とは関係のない行為なので、問題文は誤りです。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「調印前に承認を忘れずに」はこちら

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第5問解答画面(正解)

正解です。
印紙税が課される契約書の場合、契約書に印紙を貼付する必要があります。そして、印紙には印章や署名により契約書と印紙をまたぐように消印を押します。消印の目的は印紙の再利用の防止にあります。消印は契約書の有効性とは関係のない行為なので、問題文は誤りです。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「調印前に承認を忘れずに」はこちら

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第4問解答画面(不正解)

不正解です。
電子契約も紙の契約書と同等の証拠力であり、合意内容を事後的に証明する手段として有効です(問題文は誤りです)。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「調印前に承認を忘れずに」はこちら

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第4問解答画面(正解)

正解です。
電子契約も紙の契約書と同等の証拠力であり、合意内容を事後的に証明する手段として有効です(問題文は誤りです)。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「調印前に承認を忘れずに」はこちら

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第3問解答画面(不正解)

不正解です。
営業秘密やノウハウ、知的財産権の帰属がどうなるかは契約書の記載内容次第であることから、契約書にしっかりと明記する必要があります(問題文は誤りです)。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「契約書案、最低でもここだけはチェック」はこちら

2021/08/17 【ケーススタディミニテスト】契約書案をレビューしたい 第3問解答画面(正解)

正解です。
営業秘密やノウハウ、知的財産権の帰属がどうなるかは契約書の記載内容次第であることから、契約書にしっかりと明記する必要があります(問題文は誤りです)。

ケーススタディを再確認!
「契約書案をレビューしたい」の「契約書案、最低でもここだけはチェック」はこちら