2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第4問解答画面(正解)

正解です。
2021年3月1日から施行される改正会社法では、問題文のとおり上場会社が取締役に報酬として株式を無償で交付できるようになります(問題文は正しいです)。

こちらの記事で再確認!
2020年11月13日 会社法改正に伴う有報開示の変更点(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
取締役会の役割が明確になれば、自社の社外取締役に求められる役割も自然に決まってきます。社外取締役の人選に動く前に、まず経営陣は自社の取締役会の役割について議論するべきです(問題文は正しいです)。

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2020年11月11日 社外取締役の人選の前にやるべきこと(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
取締役会の役割が明確になれば、自社の社外取締役に求められる役割も自然に決まってきます。社外取締役の人選に動く前に、まず経営陣は自社の取締役会の役割について議論するべきです(問題文は正しいです)。

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2020年11月11日 社外取締役の人選の前にやるべきこと(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
譲渡制限付株式報酬とストック・オプションを企業の費用負担を同じにしてインセンティブ効果を比較してみると、インセンティブ効果の優劣はストック・オプションの公正価値と株価次第と言えます(問題文は誤りです)。

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2020年11月9日 譲渡制限付株式報酬vsストック・オプション インセンティブ効果が高いのは?(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
譲渡制限付株式報酬とストック・オプションを企業の費用負担を同じにしてインセンティブ効果を比較してみると、インセンティブ効果の優劣はストック・オプションの公正価値と株価次第と言えます(問題文は誤りです)。

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2020年11月9日 譲渡制限付株式報酬vsストック・オプション インセンティブ効果が高いのは?(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
経理財務のようなスペシャリスト業務は社内でのローテーションは難しくても、出向制度を利用したグループ会社間でのローテーションは可能であり、人事の固定化を防ぐためにぜひとも取り組むべきです(問題文は誤りです)。

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2020年11月6日 “一人経理” 子会社のリスクとその防止策(会員限定)

2020/11/30 2020年11月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
経理財務のようなスペシャリスト業務は社内でのローテーションは難しくても、出向制度を利用したグループ会社間でのローテーションは可能であり、人事の固定化を防ぐためにぜひとも取り組むべきです(問題文は誤りです)。

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2020年11月6日 “一人経理” 子会社のリスクとその防止策(会員限定)

2020/11/30 【役員会 Good&Bad発言集】取締役会における審議の活性化(会員限定)

<解説>
コーポレートガバナンス強化に不可欠な取締役会活性化

取締役会はコーポレートガバナンスの要諦であり、取締役会での意見のやり取りの活性化がコーポレートガバナンスの強化につながると言っても過言ではありません。コーポレートガバナンス・コードでも、原則4-12において下記の定めが設けられています。

【原則4-12.取締役会における審議の活性化】
取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めるべきである。

さらにコーポレートガバナンス・コードの補充原則4-12①には次のような方策も記載されています。

補充原則4-12①
取締役会は、会議運営に関する下記の取扱いを確保しつつ、その審議の活性化を図るべきである。
(ⅰ) 取締役会の資料が、会日に十分に先立って配布されるようにすること
(ⅱ) 取締役会の資料以外にも、必要に応じ、会社から取締役に対して十分な情報が(適切な場合には、要点を把握しやすいように整理・分析された形で)提供されるようにすること
(ⅲ) 年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと
(ⅳ) 審議項目数や開催頻度を適切に設定すること
(ⅴ) 審議時間を十分に確保すること

上記のコードを受けて、下記のような対応を実施している旨公表している上場企業も見受けられました。

丸紅 コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取組み
(i)取締役会資料は、原則として会日の7日前までに配布しています。
(ii)社外取締役には事前に経営課題、執行状況、討議内容等についてのブリーフィングを行っています。
(iii)年間開催スケジュールは新年度の約3か月前までに、審議事項は会日の10日前までに通知しています。
(iv)2019年度の取締役会は全17回、2018年度は全19回開催しており、取締役付議基準については、会社の状況を踏まえ、随時変更を検討しています。
(v)想定される審議時間を取締役会開催通知に記入しており、審議延長には議案により柔軟に対応しています。
カプコン 当社のコーポレートガバナンス・コード対応状況
(1) 当社は、取締役会の年間開催スケジュールを策定し、取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
(2) 人事異動や組織改革など一部の重要な業務執行事項を代表取締役に委任し、付議事項を絞ることにより、審議の充実や取締役会のスリム化等に努めております。
(3) また、配付資料については概要が把握しやすい資料の作成に注力しております。
三井化学 コーポレートガバナンス・ガイドライン
(3) 取締役会の審議の活性化を図るため、以下の各事項に配慮した運営を行う。
①取締役会資料は、特段の事情のない限り、検討のために合理的な必要期間を確保して、事前に配布することとする。
②社外取締役・社外監査役に対しては、事前に取締役会資料の内容の説明を行う。
③次年度の取締役会日程については、12月までに決定するものとし、開催スケジュール及び予想審議事項を、予め通知するものとする。
④頻度は、月1回開催を目途とし、年間11回程度開催するものとする。また、意思決定に遅れが生じないよう、必要に応じ、臨時取締役会を開催するとともに、書面決議及び電話会議を活用する。
⑤審議時間は、毎回120分を確保する。
積水化学工業 コーポレートガバナンス・コード各原則への取組みについて
当社では、取締役会審議の活性化を図るため、下記取組みを行っています。
(ⅰ) 取締役会資料は、招集通知とともに、会日に十分先だって配布しており、特に社外取締役には個別に直接説明を行うようにしています。
(ⅱ) 取締役会の資料以外にも、必要に応じて十分な情報を提供しています。
(ⅲ) 年間の取締役会開催スケジュールは、当該年度の始まる前に決定・通知することで取締役会出席者の予定を確保し、結果として高い出席率につながっています。
(ⅳ)(ⅴ)十分な審議時間を確保できるよう、議題の項目数や開催頻度を適切に設定しています。

こういった他社例に加えて参考になるのが、経済産業省が2020年7月31日に公表した「社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)」です。同ガイドライン31ページには、次のような実践的な取締役会活性化策(赤字)が示されており、大変参考になります。

2.2 取締役会を活性化させるための運営の工夫
2.2.1 発言の機会を増やすための工夫

コーポレートガバナンス・コードの原則 4-12 は、「取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めるべきである」としている。
取締役会における審議を活性化させるためには、その第一歩として、取締役の発言を増やすことが必要である。そのためには、取締役会自体の審議時間を十分にとること(前述 2.1 参照)に加え、事前説明の充実等により議案説明にかかる時間を削減し、取締役会の進行を効率化すること取締役の人数を実質的な討議が可能な人数にとどめることが考えられる。
また、取締役会で発言しやすくするためには、会議室を小さくしてラウンドテーブルにする座席配置を変える(例えば、社内と社外が対面する形から自由席にして社内と社外が混ざり合うようにする)といった会場設置面での工夫も効果的である。
社外取締役としては、取締役会における取締役の発言が十分でない場合には、会社側にこのような工夫をするように提案を行うことが考えられる。
議事進行面では、社外取締役が率先して発言や質問を行うことで他の取締役も発言しやすい雰囲気を作ったり、取締役会議長(社外取締役)が発言の少ない取締役に発言を促して全てのメンバーを議論に参加させるようにしたりといった取組事例もある。

2.2.2 その場で結論を得ることを目的としない議論の時間を設ける
取締役会における実質的な議論や意見交換を増やし、取締役会を活性化させるための一手法として、その場で結論を得ることを目的としない議論の時間を設けることが有用である。
具体的には、取締役会の議題として、「決議事項」と「報告事項」の区分以外に、その中間的な位置づけの議題として、「検討事項」、「討議事項」、「協議事項」、「懇談事項」等と称して、その場で結論を出さないことを前提とした議論の時間を設けることが考えられる。それにより、経営上の重要な課題や中長期的な視点に立ったテーマについて、深く議論することが可能となる。
特に、中長期的な経営戦略の策定等、一度の取締役会で直ちに結論が出ない事項については、固まる前の中間段階から取締役会等で議論することが望まれる(前述2.1.3 参照)。
また、取締役会メンバーでの実質的な議論や意見交換を増やすことを目的に、取締役会以外のインフォーマルな議論の場を別途設けている会社も多く、それらの取組については後述 5.2.を参照されたい。

さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

取締役C:「報告事項でも決議事項でもない事項、呼び方は何でもいいですが、たとえば協議事項というくくりの議題があってもよいのではないでしょうか。その方が取締役会での審議の活性化につながると思います。」
コメント:中期事業計画の草案の検討のような場合には、「何かを決めるわけでもなく、誰かが一方的に報告して終わりというわけでもない」議題にすることで審議が活性化することが期待されます。取締役Cの発言は、議題という切り口から取締役会の審議の活性化を図るGood発言です。

取締役D:「取締役会での審議の活性化に関連して、役員の座る席の並びについて提案させてください。議長である代表取締役がいわゆるお誕生日席、社内取締役が通路側、社外取締役と監査役が窓側に固まって座る慣習をやめませんか。ランダムに着席してもいいですし、社外役員と社内役員が交互に座るのも一案かと思います。ついでに机は長テーブルではなく円卓にしませんか。」
コメント:少し唐突な発言のようにも思えますが、この手の提案はきっかけがないと切り出しにくいものです。取締役Cの発言をきっかけに、取締役Dが取締役会の審議の活性化のために行った提案は、座席の固定化が発言のベクトルの固定化をもたらし審議が膠着状態に陥るリスクを低減するためのもので、中期事業計画の草案の検討のような「自由闊達に議論すべき場」ではとくに有効な提案と言えGood発言です。

BAD発言はこちら
取締役A:
「何かを決定したわけではないので、報告事項だと考えます。」
コメント:取締役会の議題は報告事項か決議事項の二択しかないという考えを元にした発言ですが、その考え方を出発点にする限り、中期事業計画の草案の検討のような「何かを決めるわけでもなく、誰かが一方的に報告して終わりというわけでもない」議題の位置付けに困ることになります。取締役Aの発言は過去のやり方に捉われた発展性に欠けるBad発言です。
取締役B:
「中期事業計画の草案の修正を依頼した箇所が数か所ありました。いままで、当社の取締役会では報告事項か決議事項の2種類しかなかったので、中期事業計画の草案の修正を決議したと考えれば、決議事項にあたるのではないでしょうか。」
コメント:決議事項にすることで拘束性を持たすこともできますが、決議することを前提にすると自由な議論により創造性を発揮できる機会や斬新な視点によるブレイクスルーの機会を奪う可能性もあります。取締役Bの発言も取締役Aの発言と同様、過去のやり方に捉われた発展性に欠けるBad発言です。

2020/11/30 【2020年12月の課題】改正会社法・政省令の施行に向けた企業の対応

2020年12月の課題

会社法の施行後2度目となる今回の会社法改正は約5年ぶりの大改正であり、株主総会に関する改正、取締役に関する改正など、企業や経営陣への影響が大きい改正項目が多く含まれています。

2020年11月27日に公布された改正会社法施行規則等の内容も踏まえ、来年(2021年)3月1日の施行に向け、対応すべき点について考えてみてください。

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2020/11/27 【失敗学第78回】ジェイホールディングス(2回目)の事例(会員限定)

概要

ジェイホールディングス(JASDAQ)の子会社シナジー・コンサルティングにおいて、不動産取引の一部について売上の架空計上等による不適切な会計処理が行われていた。なお、本コーナーでジェイホールディングスを取り上げるのは2回目となる(1回目はこちら)。

経緯

ジェイホールディングスが2020年8月17日に東京証券取引所に提出した「改善報告書」によると、一連の経緯は次のとおり。

2016年
2月12日:ジェイホールディングスは、資金移動に関して必要であった取締役会決議や適時開示を怠っていたことが発覚したとして「第三者調査委員会による調査報告書」を公表(経緯についてはこちらを参照)。
11月21日:ジェイホールディングスは関東財務局に第2回新株予約権の発行に関する有価証券届出書を提出。引受人は上野氏(のちの代表取締役社長で本件不正事件の当事者)など。行使価額は1株につき427円(同日の終値)で44円の有償発行。すべて行使された場合896,000株増加見込み(当時の発行済み株式総数1,837,500株の約半分程度に相当)。
12月15日:ジェイホールディングスは臨時株主総会を開催し、上野氏が取締役に就任。上野氏は連結子会社のシナジー・コンサルティングの取締役にも就任。
12月16日:ジェイホールディングスは第2回新株予約権を発行し、払込が完了。
12月31日:同日現在、上野氏の持株数はゼロ(新株予約権のみ保有)。

2017年
2月17日:2016年12月期決算の決算短信の公表にあたり、2017年12月期の業績として、連結売上58億円(2016年12月期の連結売上13億円の約4倍)、当期純利益176百万円(2016年12月期の当期純利益20百万円の約9倍)の予想値を公表。同日のジェイホールディングスの株価終値は440円。
3月1日:2017年12月期の連結業績予想にかかる補足説明として、上野取締役を業務推進者として高額所得者層を対象に資産形成、資産運用を目的とする提案型の不動産販売事業として一棟物の不動産物件の取得販売業務を強化する方針を開示(リリースはこちら)。これを受け株式相場が過熱し、同日のジェイホールディングスの株価終値は1,380円になる。
3月30日:上野氏がジェイホールディングスの代表取締役に就任。
12月31日:同日現在、上野氏の持株数はゼロ(新株予約権のみ保有)。
2017年12月期は連結売上高3,864百万円、当期純利益110百万円を計上(その後の第三者委員会の調査で連結売上高3,711百万円、当期純損失88百万円に訂正)。

2018年
6月28日:上野氏は新株予約権をすべて行使し、300,000株を一株当たり行使価格427円で取得(同日の終値は1,050円)。
12月31日:同日現在、上野氏の持株数は10.97%。
2018年12月期は連結売上高1,613百万円、当期純利益0百万円を計上(その後の第三者委員会の調査で連結売上高1,362百万円、当期純損失253百万円に訂正)。

2019年
10月7日:ジェイホールディングスは、同社の連結子会社であるシナジー・コンサルティングが行った過去の不動産取引の売上計上の妥当性につき外部から指摘を受け、社内調査委員会を設置し調査を開始。

2020年
1月17日:ジェイホールディングスは、本件不正に関して、事実経緯の正確な把握には外部取引先を含めた深度ある客観的な調査が必要であるとの認識に至ったとして、第三者委員会を設置して調査を開始。また、同日に会計監査人であるRSM清和監査法人より辞任の申し出があったとして、HLB Meisei 有限責任監査法人を一時会計監査人として選任。
3月30日:ジェイホールディングスは定時株主総会を開催し、HLB Meisei 有限責任監査法人を会計監査人に選任。また、ジェイホールディングスの上野代表取締役は代表権を返上。
3月31日:ジェイホールディングスは、2019年12月期の有価証券報告書の提出期限の延長申請が承認されたことをリリース
4月21日:ジェイホールディングスは、第三者委員会の調査報告書(中間)および今後の対応方針をリリース
4月28日:ジェイホールディングスは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令や外出自粛要請等を受け、通常とは異なる環境下での決算手続きとなり、決算業務および監査手続きに当初想定していた以上の日数が必要となる見通しになったとして、2019年12月期決算発表および2020年12月期第 1四半期決算発表の延期をリリース
4月30日:ジェイホールディングスは、第三者委員会の調査報告書(最終)を公表。
5月12日:第三者委員会の調査結果を受け、上野元代表取締役が取締役を辞任。
5月19日:ジェイホールディングスは、シナジー・コンサルティングの全株式を上野元代表取締役に譲渡し、不動産事業から撤退することをリリース
6月30日:ジェイホールディングスは、第三者委員会の調査報告書(最終)により、上野元代表取締役およびシナジー・コンサルティングの元代表取締役に責任がある旨認定されたことから、今後両名に対して刑事民事の双方において必要な法律手続きを執り行うことが適当であると判断した旨をリリース
7月31日:ジェイホールディングスは、東京証券取引所より改善報告書の徴求を受ける。また、ジェイホールディングスは、上野元代表取締役にシナジー・コンサルティングの株式を1円(備忘価額)で譲渡。
8月17日:ジェイホールディングスは、東京証券取引所に対し改善報告書を提出する。

内容・原因・改善策

ジェイホールディングスが2020年8月17日に東京証券取引所に提出した「改善報告書」によると、ジェイホールディングスの子会社のシナジー・コンサルティングにおいて不動産取引に係る売上の架空計上の内容ならびに原因および当該不正を受けて策定した改善策は次のとおりとされている。

不動産取引に係る売上の架空計上
内容 シナジー・コンサルティングの代表取締役が、架空の不動産取引の契約書等を偽造して売上を不正計上していた。しかも不正売上の売掛金は親会社のジェイホールディングスの代表取締役が個人的にねん出して支払っていた。
原因 (動機)
シナジー・コンサルティングの代表取締役は代表取締役としての地位を失うことへの恐怖心から本件不正を行っていた。
(権限の集中と他の取締役らによる牽制の不十分さ)
シナジー・コンサルティングの代表取締役は親会社のジェイホールディングスの上野元代表取締役が同社の経営に参画する際に勧誘されてシナジー・コンサルティングの代表取締役に就任したという経緯があった。ジェイホールディングスの上野元代表取締役はシナジー・コンサルティングの取締役も兼ねており、ジェイホールディングスグループの不動産事業についてはシナジー・コンサルティングの代表取締役とジェイホールディングスの上野元代表取締役に権限が集中しており、ジェイホールディングスの管理本部には情報が入ってきづらい状況であり、ジェイホールディングス管理本部から改善の具申をしづらい雰囲気が社内にて醸成されていた。また、管理担当取締役らは各子会社の稟議に対するリスク管理の観点からの深度ある確認、主要会議への出席や議事録の作成指示、各子会社の業績が上振れ又は未達となった際の追加的な資料や説明の要求等をしておらず、各子会社の業務執行状況を積極的に把握しようとしていなかった。
(前回策定した再発防止策の不徹底)
2016年2月に公表した第三者委員会の調査報告を受けてジェイホールディングスでは再発防止策を策定したものの、そのうちいくつかは下記のとおり骨抜きになっていった。
(前回の再発防止策)取締役の兼任の解消→(その後の経緯)2016年12月からジェイホールディングスの上野元代表取締役がシナジー社の取締役を兼任するようになった。
(前回の再発防止策)社外監査役の出社頻度の向上→(その後の経緯)2017年3月頃から社外監査役の出社頻度が低下していった。
(前回の再発防止策)取締役会及び監査役会の開催頻度を高めること→(その後の経緯)2017年3月に2017年4月以降の取締役会の開催頻度を原則月1回とする決定をしており、監査役会の開催頻度も併せて原則月1回としていた。
(前回の再発防止策)内部通報制度に伴う従業員に対するヒアリングを全職員に対して年2回実施すること→(その後の経緯)2016年から全従業員を対象とせず、実施頻度が年 1 回にとどまっていた。
(前回の再発防止策)月1回の頻度にてグループ会社役職員を対象とした研修を実施する→(その後の経緯)2017年12月に当該研修の中断を決定していた。
改善策 ・コンプライアンス意識の見直し
・コーポレートガバナンスの強化
・投資用不動産事業からの撤退
・責任の所在の明確化
・新規事業開始時における体制の整備
・取締役会における事前資料提供の早期化
・コンプライアンス委員会の設置
・監査役監査の実効性のある運用(2020年9月より、常勤監査役については週3日以上、非常勤監査役については月4日以上の出社を確保し、常勤監査役が各監査役の出社状況および監査業務の実施状況を記載した報告書を月次で作成する)
・公認会計士を非常勤監査役として選任
・内部監査室監査の実効性のある運用
<この失敗から学ぶべきこと>

本コーナーでジェイホールディングスを取り上げるのは2回目です(1回目はこちら)。前回の不祥事の際に策定した再発防止策の多くは1~2年で不実施や骨抜きになっていました。そのような中、新株予約権による資金調達の際に経営に参画したメンバーにより売上高の水増しが行われていました。再発防止策が骨抜きになっていないか、不祥事を起こした企業の社外役員等は再発防止策のフォローアップを定期的に実施すべきと言えます。