正解です。
有価証券報告書の「総会の3週間以上前」開示を実現するために金融庁が推奨しているのが、議決権基準日を後ろ倒しにすることで総会開催日も後ろ倒しにするアプローチです。もっとも、議決権基準日の後ろ倒しによる総会開催日の後ろずらしには上場会社・投資家双方の根強い抵抗感があり、実際に採用する上場会社はほとんどないのが実態です。
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2025年6月10日 有報の総会前開示につながる「総会開催日の後ろ倒し」が進まない背景(会員限定)
正解です。
有価証券報告書の「総会の3週間以上前」開示を実現するために金融庁が推奨しているのが、議決権基準日を後ろ倒しにすることで総会開催日も後ろ倒しにするアプローチです。もっとも、議決権基準日の後ろ倒しによる総会開催日の後ろずらしには上場会社・投資家双方の根強い抵抗感があり、実際に採用する上場会社はほとんどないのが実態です。
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2025年6月10日 有報の総会前開示につながる「総会開催日の後ろ倒し」が進まない背景(会員限定)
不正解です。
裁判所は牧野フライス事件において、「競合買収提案がなされる蓋然性が生じ、又は高まる場合」という条件を満たせば「買収のタイムライン」を定める権限を取締役会に付与するという米国法の考え方を採用しました(問題文の「無条件で付与」は誤りです)。
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2025年6月9日 同意なき買収に対する“時間稼ぎ”(会員限定)
正解です。
裁判所は牧野フライス事件において、「競合買収提案がなされる蓋然性が生じ、又は高まる場合」という条件を満たせば「買収のタイムライン」を定める権限を取締役会に付与するという米国法の考え方を採用しました(問題文の「無条件で付与」は誤りです)。
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2025年6月9日 同意なき買収に対する“時間稼ぎ”(会員限定)
不正解です。
東証が要請する『資本コストや株価を意識した経営』に関する情報開示が行われていないことに対し、株主から批判を受ける上場企業も散見されるようになりました。たとえば、HSホールディングスは「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示の義務化を求めて定款変更議案を株主から提案されました。また、ダイキアクシスでは商号変更を求める定款変更議案の提案理由の中で東証が要請する『資本コストや株価を意識した経営』に関する情報開示が行われていないことが批判され、同社は株主総会の開催月の翌月になって当該開示をようやく行うに至りました。
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2025年6月4日 東証要請への非対応企業が抱えるリスク(会員限定)
正解です。
東証が要請する『資本コストや株価を意識した経営』に関する情報開示が行われていないことに対し、株主から批判を受ける上場企業も散見されるようになりました。たとえば、HSホールディングスは「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示の義務化を求めて定款変更議案を株主から提案されました。また、ダイキアクシスでは商号変更を求める定款変更議案の提案理由の中で東証が要請する『資本コストや株価を意識した経営』に関する情報開示が行われていないことが批判され、同社は株主総会の開催月の翌月になって当該開示をようやく行うに至りました。
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2025年6月4日 東証要請への非対応企業が抱えるリスク(会員限定)
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ニデックが提案した同意なき買収(TOB)(同提案は5月9日付で撤回)に関する牧野フライス製作所の事案において、裁判所は「買収のタイムライン」を定める権限を取締役会に無条件で付与するとの判断を示した。
サステナビリティ経営を実効的に推進するには、経営陣だけでなく従業員レベルでのインセンティブ設計も不可欠となる。経営者報酬と同様に、従業員の報酬制度にもサステナビリティ目標を組み込み、実行力を担保する必要がある。
公正取引委員会は2025年6月17日、小学館と光文社に対して特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス新法)8条1項及び2項の規定に基づき勧告を行ったことを公表しました。これは、公正取引委員会の調査の結果、フリーランス新法3条1項(取引条件の明示義務)および4条5項(期日における報酬支払義務)の規定に違反する事実が認められたことを理由とするものです。フリーランス新法が適用開始になったのは2024年11月1日ですが、今回の両社に対する勧告は適用以降初の勧告となります。
小学館は、2024年12月1日から31日までの間、フリーランス新法で保護される特定受託事業者(個人であって、従業員を使用しないものまたは法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの。詳細は「【役員会 Good&Bad発言集】フリーランス新法(従業員の有無)」を参照)191名に対し、自らが出版する月刊誌及び週刊誌に関する原稿、写真データ、イラスト等の作成、ヘアメイクの実施等を委託した際に、直ちに、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項(フリーランス新法3条1項に規定するものをいう。以下、明示事項)を、書面または電磁的方法により当該事業者に対し明示していませんでした。また、光文社は、2024年11月1日から2025年2月27日までの間、特定受託事業者31名に対し、自らが出版する月刊誌、週刊誌、文庫本等に関する原稿、写真データ、イラスト等の作成、ヘアメイクの実施、撮影道具等の手配等を委託した際に、直ちに、明示事項を、書面または電磁的方法により当該事業者に対し明示していませんでした。
ちなみにフリーランス新法の施行規則が求めている明示事項は次の9つです。フリーランス新法で保護される特定受託事業者に対しては、これらの明示事項を書面または電磁的方法により必ず明示しなければなりません(なお、口頭でも契約自体は成立しますが、フリーランス新法違反であることに変わりはありません)。
| ①給付の内容 ②報酬の額 ③支払期日 ④業務委託事業者・フリーランスの名称 ⑤業務委託をした日 ⑥給付を受領する日/役務の提供を受ける日 ⑦給付を受領する場所/役務の提供を受ける場所 ⑧(検査をする場合)検査完了日 ⑨(現金以外の方法で報酬を支払う場合)報酬の支払方法に関して必要な事項 |
今回の小学館と光文社の勧告事案では、両社とも「支払期日」を書面または電磁的方法により当該事業者に対し明示していませんでした。このように支払期日を定めなかった場合は特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日が、支払期日として定められたものとみなされることになります(フリーランス新法4条1項)。両社とも「支払期日」を書面または電磁的方法により当該事業者に対し明示していなかったため、特定受託事業者の給付を受領した日に支払わなければ、支払遅滞と扱われることになりました。
ちなみに、「支払期日」を当月末翌月末払いにしている事業者は多いですが、これは「フリーランス新法」や「下請代金支払遅延等防止法」(いわゆる下請法。2026年1月1日から下請法の呼称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に変更されます)で定められた「給付の受領後60日以内」ルールをぎりぎりでセーフとなる支払期日です。取引先の資金繰りを真剣に考えるのであれば、そういったぎりぎりの支払期日ではなく、もっと早いタイミングで支払ってあげたいところです
さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。
取締役B:「契約は口頭でも成立します。ただ、契約の成立とは関係なく、フリーランスへの発注にあたり条件面を口頭で伝えるだけでは特定業務委託事業者として明示したことにはなりません。」
(コメント:取締役Bの発言は、取締役Aの発言の誤りを指摘したうえで、フリーランス新法の明示義務違反に触れることができている点がGOODです。)
取締役A:「そもそも口頭では契約は成立しないです。契約書の形にしないとダメです。」
(コメント:民法によると、契約は申込と承諾という意思表示の合致によって成立するのが原則です。つまり、契約書という書類の体裁を伴う必要はないのが原則となります。取締役Aの発言は、民法の基本原則に対する理解が不十分であることを露呈した、BAD発言でした。)
取締役C:「支払期日について特段合意がなくても、月末に締めて翌月末に払っておけば、下請法の支払期日のルールには違反していないはずです。」
(コメント:この流れで下請法の話をするのは、今一つフリーランス新法と下請法の違いを整理しきれていないように見受けられます。また、支払期日を定めなかった場合は特定業務委託事業者が特定受託事業者から当該役務の提供を受けた日が支払期日とみなされることになる点についての知識が欠けており、BAD発言です。)
上場会社P社の取締役会において、総務担当取締役より、フリーランス新法に違反した小学館と光文社に対して公正取引委員会が行った勧告についての情報提供とP社におけるフリーランス新法への対策の現状について説明があり、これに対して次の3人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「そもそも口頭では契約は成立しないです。契約書の形にしないとダメです。」
取締役B:「契約は口頭でも成立します。ただ、契約の成立とは関係なく、フリーランスへの発注にあたり条件面を口頭で伝えるだけでは特定業務委託事業者として明示したことにはなりません。」
取締役C:「支払期日について特段合意がなくても、月末に締めて翌月末に払っておけば、下請法の支払期日のルールには違反していないはずです。」
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サステナブル経営を社内全体に浸透させるうえで大きな影響力を持つのが経営者の行動です。経営者の行動を変容させるには、経営者報酬にサステナビリティに関する目標を組み込むのが効果的であり、既に日本企業の間でもこの動きが広がっています。例えば、温室効果ガス排出量の削減目標やダイバーシティ目標の達成度といったサステナビリティに関する非財務指標を株式報酬の付与条件とすることで、経営者は単に株価を上げることだけでなく、持続可能な社会への貢献を通じて企業価値を高めようというインセンティブを持つことになります。
もっとも、経営者がサステナビリティ目標を実現する能力やコミットメントを持っているとは限りません。ここで重要な役割を果たすのが指名委員会です。指名委員会は、後継者計画のプロセスにおいて、サステナビリティに関する知識、スキル、リーダーシップといった資質を見極め、サステナブル経営に深くコミットできるリーダーを選出する責任があります。そして、報酬委員会と指名委員会が密接に連携し、経営者の指名と報酬を一体的に運用することで、適切な人材像を共有するとともに、サステナビリティ目標の達成に向け効果的な評価制度を構築することが可能になります。
サステナブル経営を推進するのは経営者だけではありません。サステナブル経営を従業員目線にまで落とし込むためには、経営者と同様に、従業員の報酬にもサステナビリティに関する目標を組み込み、モチベーションを高める必要があります。
ただし、従業員の場合、日々の業務がサステナビリティ経営にどう貢献しているかが見えにくいという問題があります。そこで、従業員個人の行動がサステナブル経営にどう繋がるのかを明確に示すこと、すなわち、具体的かつ測定可能な目標を設定することが重要になります。例えば、特定の製造ラインでのエネルギー消費量削減率、廃棄物の分別・リサイクル率、ペーパーレス化の推進度、環境関連の研修参加率、サステナビリティに関する改善提案数などが指標として考えられます。
個人での目標設定が難しい場合には、チームや部門全体のサステナビリティ目標を設定し、その達成度にボーナスを連動させる方法も有効です。個人ではなくチームで目標に取り組むことで、従業員間の協力や知識共有が促され、結果として、従業員への動機付けも強まるはずです。
また、評価においては、数字(定量)だけでなく、サステナビリティに対する意識や行動の変化(定性)も考慮するべきです。例えば、定期的な人事評価の際には、従来の業績等に関する目標の達成度に加え、「業務プロセスにおける環境負荷低減への貢献」「チーム内でのサステナビリティ意識向上への貢献」「サステナビリティに関する改善提案の質と数」といった事項を評価対象に含めることが考えられます。さらに、「環境に配慮した資源利用」「ステークホルダーへの配慮」「倫理的な行動」など、サステナビリティを考慮した行動規範やコンピテンシー(行動特性)を設定し、それを評価基準にするのも効果的です。こうした評価制度の導入により、従業員はサステナビリティが自身の職務評価の一部であることを認識し、積極的に取り組むようになることが期待されます。
サステナビリティに関する従業員の意識や行動そのものを評価の対象にすることは、従業員がサステナビリティに意識的に貢献する企業文化や組織風土を育むことにもつながります。サステナブル経営を深く根付かせるうえで、企業文化や組織風土の醸成は極めて重要な要素です。
ここで、サステナブル経営の浸透に向けた企業の取り組みを2つ紹介しましょう。まずは、「社会に貢献する力となる」という目的を掲げる企業の事例です。この企業は自社を「共通の目的を持つ人々のコミュニティ」と捉え、日々の働き方や人との関わりを通じて「自分の仕事が社会につながっている」と実感できる環境作りを推進しています。具体的には、人事評価の項目に「社会への貢献度」や「チームとの協働姿勢」を含めているほか、社会課題に関心のある社員が自ら参加できるボランティア活動や社内プロジェクトを用意し、それらがキャリア形成にもつながるよう支援体制を整えています。さらに、企業としてのサステナビリティに関する方向性や取り組みが全従業員に伝わるよう、経営層からのビジョン共有や社内ニュースの発信を通じた情報の透明化にも力を入れています。こうした取り組みは、従業員エンゲージメントを高めるとともに、サステナビリティを重視する求職者に対しても自社の魅力を伝える強力なメッセージとなっています。
従業員エンゲージメント : 「企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識を持っていること」を指し、組織の目指すゴールに対する「自発的貢献意欲」とも言い換えることができる。従業員エンゲージメントは「従業員満足度」と混同されがちだが、実は両者は大きく異なっている。所属する組織、職場の状況、上司、自身の仕事などについて、「従業員が自身の物差し」で評価をするのが従業員満足度であるのに対して、「会社が目指す方向性や姿を物差し」として、それらについての自分自身の理解度、共感度、行動意欲を評価するのが従業員エンゲージメントとされる。
もう1つが、企業文化を変革し、サステナブル経営を組織全体に浸透させるために、リーダーシップの強化を図った企業の事例です。同社は、リーダー層を含む全従業員を対象に、企業文化や価値観、サステナビリティに関する目標の達成に向けて変えるべき点について、詳細なヒアリング調査を実施しました。その結果得られた客観的なデータを基に、全役職員が目指すべき具体的な行動を明確に定義した「カルチャー・アンビション(文化目標)」を策定しました。そして、このカルチャー・アンビションを組織に根付かせるため、リーダー層が率先してインタラクティブなワークショップを主導し、従業員の共感と実行へのコミットメントを引き出しました。さらに経営陣は、カルチャー・アンビションが将来の目的や戦略の達成にどう結びつくかを示すストーリーを構築し、その内容を従業員向けの動画として展開しました。このようにリーダー層が変革の旗振り役となり、現在では組織全体にサステナビリティ志向の文化が定着しつつあります。
サステナブル経営を真に組織全体に浸透させるには、経営層から現場の従業員に至るまで、すべてのメンバーがサステナビリティ目標を“自分事”として捉え、主体的に推進する意識を持つことが不可欠です。そのような意識を育むには、「自分の仕事が社会や環境の持続可能性につながっている」という手応えを得られる仕組みや、そのような感覚を支える企業文化・組織風土を醸成することが求められます。さらに、企業として、個々のメンバーの価値観や想いと自社のパーパスや戦略を結び付ける機会をいかに創出できるかが、サステナビリティへの取り組みを一過性のもので終わらせず、自社の競争力と価値創造の源泉として根付かせられるかどうかの分水嶺となるでしょう。
金融庁が進めるスチュワードシップ・コード(以下、SSコード)の改訂では、2025年4月20日にパブコメの募集が終了したところだが、近く公表される見込みの確定版・・・
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