2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
日本証券業協会の「持株制度に関するガイドライン」によると「福利厚生制度の一環として取り扱われる範囲内において、定時拠出金に関して一定比率を乗じた額又は一定額の奨励金を付与することができる」とされています。この「福利厚生制度の一環として取り扱われる範囲内」とは具体的にどの程度の奨励金の支給額を指すのかについて公的なガイダンスはありませんが、実務上は東京弁護士会会社法部「利益供与ガイドライン」の中の「3%ないし20%の程度であれば問題ないと思われる」との記述を頼りに、「20%」が「福利厚生制度の一環」として”問題なし”の奨励金水準の上限として取り扱われています(もちろん「20%」を超えたからと言って、ただちに問題が発生するわけではなく、利益供与に該当するリスクが高まるに過ぎません)。以上より、問題文は誤りです。

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2016/10/07 従業員持株会の拠出金への奨励金額が増加している理由(会員限定)

2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
日本証券業協会の「持株制度に関するガイドライン」によると「福利厚生制度の一環として取り扱われる範囲内において、定時拠出金に関して一定比率を乗じた額又は一定額の奨励金を付与することができる」とされています。この「福利厚生制度の一環として取り扱われる範囲内」とは具体的にどの程度の奨励金の支給額を指すのかについて公的なガイダンスはありませんが、実務上は東京弁護士会会社法部「利益供与ガイドライン」の中の「3%ないし20%の程度であれば問題ないと思われる」との記述を頼りに、「20%」が「福利厚生制度の一環」として”問題なし”の奨励金水準の上限として取り扱われています(もちろん「20%」を超えたからと言って、ただちに問題が発生するわけではなく、利益供与に該当するリスクが高まるに過ぎません)。以上より、問題文は誤りです。

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2016/10/07 従業員持株会の拠出金への奨励金額が増加している理由(会員限定)

2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
第三者委員会の委員への報酬は、役員が不祥事を起こさなければ発生することはなかった支払いであり、役員が会社にもたらした損害と言えます。いったんは会社が立て替えたとしても、会社がそれを負担するのは会社に生じた損害が回復しないことを意味するため、株主はとうてい納得しないでしょう。会社は、不祥事を起こした役員に対して、第三者委員会の委員への報酬立替額を請求するべきです。以上より、問題文は正しいです。

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2016/10/06 「第三者委員会」への報酬は誰が負担する?(会員限定)

2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
第三者委員会の委員への報酬は、役員が不祥事を起こさなければ発生することはなかった支払いであり、役員が会社にもたらした損害と言えます。いったんは会社が立て替えたとしても、会社がそれを負担するのは会社に生じた損害が回復しないことを意味するため、株主はとうてい納得しないでしょう。会社は、不祥事を起こした役員に対して、第三者委員会の委員への報酬立替額を請求するべきです。以上より、問題文は正しいです。

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2016/10/06 「第三者委員会」への報酬は誰が負担する?(会員限定)

2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
我が国のコーポレートガバナンス・コードでは、本則市場に上場している企業の取締役に「取締役会を評価すること」を求めています(補充原則4-11③「取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである」)が、問題文のように「他の取締役や取締役会議長を評価すること」までは求めていないので、問題文は誤りです。

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2016/10/03 取締役会評価を巡る日英のギャップ(会員限定)

2016/10/31 2016年10月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
我が国のコーポレートガバナンス・コードでは、本則市場に上場している企業の取締役に「取締役会を評価すること」を求めています(補充原則4-11③「取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである」)が、問題文のように「他の取締役や取締役会議長を評価すること」までは求めていないので、問題文は誤りです。

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2016/10/03 取締役会評価を巡る日英のギャップ(会員限定)

2016/10/31 【2016年9月の課題】パッシブ投資家への対応:解答(会員限定)

パッシブ運用が存在感を増している理由

株式投資は大きく「アクティブ投資」と「パッシブ投資」に分けられます。アクティブ投資とは、銘柄を選別し、魅力のある銘柄を購入する一方で、見劣りする銘柄を売却するなどして利益を得ようとする投資手法です。個人の株式売買は基本的にアクティブ運用と言えます。これに対しパッシブ投資(パッシブとは「消極的」なという意味))とは、東証株価指数(TOPIX)や日経平均に連動する運用成果を目指し、個別企業の株価が高いか安いかなどは考慮せずに指数に採用されている銘柄を、これらの指数で採用されているウェイトに沿って購入する投資手法です。

日本ではGPIFによる国内株式への投資拡大や、日銀によるETF(上場投資信託)の大量購入などに伴い、パッシブ投資を行うパッシブファンドの存在感が急速に増していますが、海外でもパッシブファンドが大きく残高を伸ばしています。その背景には、これまでアクティブ運用がその運用手数料に見合った実績を上げてこなかったため、より運用手数料が低いパッシブ運用の方が効果的ではないかとの認識が広がっていることなどがあります。

パッシブ投資家は「モノ言わない投資家」か

ただ、パッシブ運用の広がりに対しては、批判の声も上がっています。

その主なものは、①銘柄選択を行わず、株価も評価しないので、投資による“価格発見機能”が失われる、②投資判断を行わないパッシブファンドは企業調査や企業との対話も行わないため、企業に対するガバナンス機能がない、③日銀のETF購入が過度に注目され、短期の需給要因となっているーーといったことです。

しかし、これらの批判はやや的外れと言えます。まず、全ての投資家がパッシブ投資家になれば確かに”価格発見機能”はなくなるのですが、少しでもアクティブ運用が残っていれば、価格発見機能は維持されるはずです。また、パッシブ運用が企業調査を必要としないのは事実ですが、日本でパッシブファンドを運用している機関投資家はスチュワードシップ・コードに署名しており、対話の頻度はともかくとして、議決権は確実に行使して来ます。つまり、パッシブ投資家は決して「モノ言わない安定株主」ではありません。

パッシブ投資家の議決権行使の特徴と企業に求められる対応

確かに、パッシブ投資家は企業価値評価の専門家ではなく、あくまで“機械的な運用”の専門家ですから、従来は原則として対話は行っていませんでした。現在も、例えばTOPIX連動型のパッシブファンドを運用している投資家は、東証一部に上場するの全企業に投資をしているため、全ての企業と対話をするわけではありません(事実上不可能)。

しかしながら、近年は議決権行使の専門部隊を設け、スチュワードシップ・コードへの署名後はさらにこの部隊を強化し、対話を行う機会が増えています。

パッシブ投資家の議決権行使の特徴は、企業ごとの個別事情は考慮せず、あくまで投資家が定めた基準に沿って“機械的に”賛否を判断する場合が多いということです。

したがって、企業としては、議決権行使基準をしっかりと理解し、対応しておくことが重要です。時価総額上位500銘柄程度の企業は投資家と対話する機会も多く、機関投資家の考え方をよく理解できていると思いますが、それ以外の企業は、議決権行使の場面で突然機関投資家の考え方を突き付けられることにもなりかねません。このような事態を回避するためには、まずは、パッシブ投資家(特に海外のパッシブ投資家)が拠り所とすることが多いISS(最大手)やグラスイルイス(準大手)など議決権行使助言会社の考え方を理解したうえで、自社の株主となっている各機関投資家が独自に定めている議決権行使基準をチェックしておくことが必要でしょう。機関投資家が議決権行使助言会社と異なる基準を定める場合、よりハードルの高いものとなるケースがほとんどです。例えば、社外取締役の独立性基準などは、議決権行使助言会社が定める基準より厳しい基準を設定している機関投資家も散見されます。2016年6月の株主総会では、「独立社外取締役が2名いない経営トップの選任議案(ISSの基準では独立性は問題にしていない。5ページの注釈5参照)」「社外取締役が3分の1いない経営トップの選任議案」「在任期間が10年を超える社外取締役の選任議案」「剰余金処分の権限を取締役会に授権する定款変更議案」「非執行取締役を対象とするストックオプションの付与議案」に対し、機関投資家から反対票が投じられています(2016年9月27日のニュース「ISS等より厳しい議決権行使基準への対応策」参照)。

また、通常の議決権行使の場面だけでなく、株主提案などがあった場合の“有事”の議決権行使についても考えておくことが必要です。通常の議決権行使の場面では、機関投資家は自ら定める基準に沿って賛否を判断しますが、例えば株主提案などがあった場合には、「企業の提案内容と株主提案の提案内容のどちらが株主価値を高めるか」という視点で判断を行うことになります。つまり、通常の場面では認められる議案であっても、株主提案の方が優れていると判断された場合には、会社提案に反対票を投じることも考えられるわけです。米国のアクティビストの活動を見てみると、低い保有比率のアクティビストによる提案があってもその内容が理にかなったものであると、パッシブ投資家など機関投資家がこれに賛同し、結果として賛否に大きな影響を与えるケースが増えています。個別性が高いアクティブ投資家の判断に比べて、パッシブ投資家の判断は株主価値という面で意見の一致が得られやすいという特徴もあります。すなわち、賛否がいずれかに集中するケースが多いということです。

企業はこのような事態に備えて、普段からパッシブ投資家の考え方について情報収集しておくことを意識しておくことが必要でしょう。

パッシブ投資家の間では、スチュワードシップ・コード受入れ後、ESGに関する意識も高まっています。機関投資家が意識するESGは、従来日本企業が意識してきたCSRとも考え方の違いがあり(従来のCSRは「社会貢献活動」が中心でしたが、ESGでは「企業の持続性を高めるための活動」であることが重視されます)、また重要とされるポイントも日々変化しています。企業はこのような情報に対する情報感度を高めておくことが今後ますます重要となってくるでしょう。

2016/10/31 【2016年10月の課題】社外役員への株式報酬の付与

2016年10月の課題

東証一部に上場するA社では、社外役員に株式報酬を付与するべきかどうか議論しています。社内には、「株主の意向に沿った行動を促すという観点から、株式報酬の付与は合理的ではないか」といった意見があるのに対し、他社の株主総会では、社外役員に株式報酬を付与する議案への賛成率が低い事例が見受けられたことから、付与にネガティブな意見も出ています。

社外役員への株式報酬の付与について、貴方の考えを述べてください。

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2016/10/31 「相談役・顧問」問題の本質とその解消法

来年の株主総会では日本企業独特の仕組みである「相談役・顧問」制度がテーマになりそうだ。経済産業省は、8〜9月に東証一部・二部上場企業を対象に相談役・顧問に関するアンケート(人数や待遇、縮小を検討しているかなど)を実施し、今年度(2016年度)末までに報告書をとりまとめる予定。また、議決権行使助言会社最大手のISSは、来年度の議決権行使の指針で、企業が相談役制度を導入する定款変更議案には反対を推奨する旨を盛り込む。さらに、コーポレートガバナンスの識者の間では、相談役・顧問の役割や報酬等について開示を求める声が大きくなってきている。

もっとも、機関投資家である筆者の目から見ると、この問題の本質は「相談役・顧問制度」そのものではなく、相談役や顧問が・・・

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2016/10/31 「相談役・顧問」問題の本質とその解消法(会員限定)

来年の株主総会では日本企業独特の仕組みである「相談役・顧問」制度がテーマになりそうだ。経済産業省は、8〜9月に東証一部・二部上場企業を対象に相談役・顧問に関するアンケート(人数や待遇、縮小を検討しているかなど)を実施し、今年度(2016年度)末までに報告書をとりまとめる予定。また、議決権行使助言会社最大手のISSは、来年度の議決権行使の指針で、企業が相談役制度を導入する定款変更議案には反対を推奨する旨を盛り込む。さらに、コーポレートガバナンスの識者の間では、相談役・顧問の役割や報酬等について開示を求める声が大きくなってきている。

もっとも、機関投資家である筆者の目から見ると、この問題の本質は「相談役・顧問制度」そのものではなく、相談役や顧問が社長・会長経験者であるということにある。日本企業では、社長が退任後に会長、そして相談役・顧問となり、長期にわたり会社に居座るということが珍しくない。また、コーポレートガバナンス・コード補充原則4-10①()を踏まえ指名委員会(任意のものを含む)を設置する上場企業が急増しているとはいえ、いまだに指名委員会が存在していない、あるいは存在していても機能していない企業も多く、そこでは社長・会長が次期社長を決めるという慣行が続いている。

 コーポレートガバナンス・コード補充原則4-10①では、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とする任意の諮問委員会を設置することなどにより、指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきとしている。

このような企業では、現役の社長・会長は自らを選出してくれた現相談役・顧問に恩義を感じ、彼らの意見に耳を傾けるとともに、前任者である彼らの経営方針を否定することができず、必要な改革が遅れることもある。相談役・顧問に対する批判として、「取締役出ない以上、法律上の責任は問われないにもかかわらず、経営に口出しするのはけしからん」というものがあるが、別に相談役・顧問が実際に口出ししたり意図して影響力を発揮したりしなくても、“存在そのもの”が企業経営に影響を与えることになる。

このように考えると、いくら相談役・顧問の役割や報酬を開示したところで、本質的な解決にはならないことが分かる。結局、どのような形・名目であれ、社長・会長経験者が会社に残るということが問題なのであり、この問題を解決するためには、「社長・会長経験者は退任後社外に出る」というルールを作るしかない。よく「他社の社外取締役に就任すれば、自社への影響力も薄まるのではないか」ということも言われるが、これは解決策にはならない。なぜなら、既に現在でも、相談役・顧問を務めながら他社の社外取締役を兼任している人は多いからだ。

社長・会長退任後は会社に残らないという制度を作れば、後任者は思い切った経営ができるうえ、社長・会長OBも他社の社外取締役のみに専念するならば、社外取締役としての機能も格段に改善するはずだ。