2016/10/06 「第三者委員会」への報酬は誰が負担する?

企業で不祥事が起こると、その規模や深刻度によっては「第三者委員会」が立ち上がることがある。第三者委員会とは、不祥事に対する調査の客観性を担保するため、文字通り企業から独立した“第三者”によって構成される委員会であり、委員には弁護士を中心に、事案の性質によって公認会計士、学者などが就任するのが一般的となっている。

ただ、「第三者委員会」とは言っても、これを立ち上げるのは企業であり、当然ながら委員に対する報酬も発生する。ここで気になるのは、委員に対する報酬は誰が負担すべきものなのか、という点。従業員個人の横領などは別として、企業の大規模な不祥事には役員が関与しているケースが多い。特に粉飾決算などは、役員の関与がなければ“遂行”するのは困難と言える。役員が起こした不祥事に対する調査費用を企業が負担することに株主が納得するのか、疑問のあるところだ。

この点について一つの答えを示しているのが、・・・

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2016/10/06 「第三者委員会」への報酬は誰が負担する?(会員限定)

企業で不祥事が起こると、その規模や深刻度によっては「第三者委員会」が立ち上がることがある。第三者委員会とは、不祥事に対する調査の客観性を担保するため、文字通り企業から独立した“第三者”によって構成される委員会であり、委員には弁護士を中心に、事案の性質によって公認会計士、学者などが就任するのが一般的となっている。

ただ、「第三者委員会」とは言っても、これを立ち上げるのは企業であり、当然ながら委員に対する報酬も発生する。ここで気になるのは、委員に対する報酬は誰が負担すべきものなのか、という点。従業員個人の横領などは別として、企業の大規模な不祥事には役員が関与しているケースが多い。特に粉飾決算などは、役員の関与がなければ“遂行”するのは困難と言える。役員が起こした不祥事に対する調査費用を企業が負担することに株主が納得するのか、疑問のあるところだ。

この点について一つの答えを示しているのが、今年出たクラウドゲート社(平成24年3月23日付で上場(札証アンビシャス)廃止)の元取締役会長が行った粉飾取引を巡る判決である。この事件は、有価証券報告書の虚偽記載等により課徴金を課されたクラウドゲート社が、経費の水増し計上や循環取引などの粉飾取引に関与した元取締役会長を相手取り、「(金融庁による)課徴金」のほか、「第三者調査委員会に対する報酬」「決算訂正に関する監査法人費用」等に相当する損害を被ったとして、会社法423条1項(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)等に基づき損害賠償を請求したもの。金額は、課徴金が約5,000万円、第三者調査委員会(弁護士2名、公認会計士1名)に対する報酬が約2,200万円、決算訂正に関する監査法人費用が約3,700万円である。

循環取引 : 特定の関係者の間で利益を乗せて売買を繰り返す取引。経済的実態の伴わない取引であり、最終的には関係者の利益が乗った高値で買い戻す必要があるため、粉飾取引の一つに位置付けられている。

クラウドゲート社が調査を依頼した第三者調査委員会は、同社に対し「11の取引に伴う会計処理が不適切又は適切性に疑問が残る」旨報告、これを受け同社は、当該11の取引に関する過去の会計処理を訂正し、過年度の有価証券報告書等の訂正報告書を提出していた。これに対し裁判所は、11の取引のうち「7つ」の取引を粉飾取引と認定したうえで、課徴金については5,000万円満額、第三者調査委員会に対する報酬、監査法人費用については、それぞれ同社が負担した金額の「11分の7」に相当する約1,400万円(第三者調査委員会に対する報酬)、2,300万円(監査法人費用)を損害と認定した。

なお、課徴金だけ実際の負担額と同額の損害が認定されたのは、課徴金の計算上、粉飾取引が11であろうと7であろうと同社に課される課徴金の金額は変わらないためである。

本件においては、粉飾取引に関わった他の取締役がクラウドゲート社に対し、和解金等として既に約2,800万円を支払っていた。これを踏まえ裁判所は、元取締役会長に対し、上記の合計金額約8,800万円から当該2,800万円を控除した約6,000万円の損害賠償金の支払いを元取締役会長に命じている(東京地裁平成28年3月28日判決)。

本件は札幌アンビシャス上場企業を舞台とした比較的“小粒”な事案だったが、これが東証一部・二部上場企業ともなれば、第三者委員会の委員に支払う報酬だけでも膨大な金額に上る可能性がある。上場会社役員ガバナンスフォーラムでは「役員と会社の失敗学」というコーナーで毎月上場企業の不祥事を紹介しているが、役員にあっては、同じ轍を踏まないよう細心の注意を払いたいところだ。

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい(会員限定)

【問題1】

取締役会設置会社では、代表取締役が臨時株主総会を招集することを決める権限を有する。


正しい
間違い
【問題2】

株主総会の招集通知は、「株主総会の日の2週間前まで」に株主に発送する必要があることから、例えば11月30日に臨時株主総会を開催する場合には、その14日前の11月16日までに発送すればよい。


正しい
間違い
【問題3】

株主総会の招集通知は、会社法の求める要件を満たす日程のうち、可能な限り株主総会に近接した日に発送するのが望ましい。


正しい
間違い
【問題4】

上場会社の議決権の総数の3%以上を6か月継続して保有する株主は、臨時株主総会の開催を請求することができる。


正しい
間違い
【問題5】

会社は、臨時株主総会の開催にあたり、基準日の公告をする前に、招集通知を発送しなければならない。


正しい
間違い

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第5問解答画面(不正解)

不正解です。
株式会社は、臨時株主総会の開催に先立って、まず基準日を公告してから、その後に招集通知を発送する必要があります。問題文は順序が逆になっており誤りです。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「総議決権の3%以上を半年保有する株主からの開催請求を断ることは不可」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第5問解答画面(正解)

正解です。
株式会社は、臨時株主総会の開催に先立って、まず基準日を公告してから、その後に招集通知を発送する必要があります。問題文は順序が逆になっており誤りです。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「総議決権の3%以上を半年保有する株主からの開催請求を断ることは不可」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第4問解答画面(不正解)

不正解です。
問題文のとおり、上場会社の議決権の総数の3%以上を6か月(これを下回る期間を定款で定めた場合には、その期間)継続して保有する株主は、会社に対して臨時株主総会の開催を請求することができます。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「総議決権の3%以上を半年保有する株主からの開催請求を断ることは不可」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第4問解答画面(正解)

正解です。
問題文のとおり、上場会社の議決権の総数の3%以上を6か月(これを下回る期間を定款で定めた場合には、その期間)継続して保有する株主は、会社に対して臨時株主総会の開催を請求することができます。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「総議決権の3%以上を半年保有する株主からの開催請求を断ることは不可」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第3問解答画面(不正解)

不正解です。
株主総会の招集通知は会社法299条1項に規定する期日(株主総会の日の2週間前)よりも早期に発送することが望ましいとされています。なぜなら、招集通知の発送が早くなるほど、株主に株主総会の開催を早期に周知させ(株主に出席の機会を与える)、議決権行使に向けての判断のための時間的猶予を長く与えることになるからです。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「臨時株主総会の基本的な手続きは定時株主総会と同じ」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第3問解答画面(正解)

正解です。
株主総会の招集通知は会社法299条1項に規定する期日(株主総会の日の2週間前)よりも早期に発送することが望ましいとされています。なぜなら、招集通知の発送が早くなるほど、株主に株主総会の開催を早期に周知させ(株主に出席の機会を与える)、議決権行使に向けての判断のための時間的猶予を長く与えることになるからです。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「臨時株主総会の基本的な手続きは定時株主総会と同じ」はこちら

2016/10/05 【ケーススタディミニテスト】臨時株主総会を開催したい 第2問解答画面(不正解)

不正解です。
株主総会の招集通知は、「株主総会の日の2週間前まで」に株主に発送する必要があるとされています(会社法299条1項)。2週間前までに発送する必要があるということは、「株主総会の日」と「招集通知の発送日」との間を“中2週間”空ける(15日前までに発送する)必要があることを意味します。例えば、11月30日に臨時株主総会を開催する場合には、招集通知をどんなに遅くても開催日の15日前(「2週間+1日」)の11月15日以前に発送しなくてはなりません。以上より、問題文は誤りです。

ケーススタディを再確認!
「臨時株主総会を開催したい」の「臨時株主総会の基本的な手続きは定時株主総会と同じ」はこちら