2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
問題文のとおり、米国において確定拠出年⾦にESG要素を考慮する運⽤会社を採⽤したことにつき従業員退職所得保障法(エリサ法)に違反するとした判決が出ました。日本で事業を展開する米系運用会社の行動に変容をもたらす可能性が指摘されています。

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2025年2月5日 確定拠出年⾦にESG要素を考慮する運⽤会社を採⽤したことが違法に(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
問題文のとおり、米国において確定拠出年⾦にESG要素を考慮する運⽤会社を採⽤したことにつき従業員退職所得保障法(エリサ法)に違反するとした判決が出ました。日本で事業を展開する米系運用会社の行動に変容をもたらす可能性が指摘されています。

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2025年2月5日 確定拠出年⾦にESG要素を考慮する運⽤会社を採⽤したことが違法に(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
経済産業省が2023年8月に公表した「企業買収における行動指針」(M&A指針)では、「望ましい買収か否かは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、又は向上させるかを基準に判断されるべきである」としています。一方で、M&A指針には、「取締役会は、買収者との交渉を行う際に、取引条件の改善により、株主にとってできる限り有利な取引条件で買収が行われることを目指して、真摯に交渉すべきである」「買収者との間で企業価値に見合った買収価格に引き上げるための交渉を尽くす、競合提案があることを利用して競合提案に匹敵する程度に価格引き上げを求める」としており(3.2.3)、欧米と同様に「買収価格基準」が採用されているとも読めます。いずれにしろ買収提案を受けた上場会社の取締役にとって「買収価格」しか判断基準がないわけではないので、問題文は誤りです。

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2025年2月4日 買収提案の競合と取締役の義務(会員限定)

2025/02/28 2025年2月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
経済産業省が2023年8月に公表した「企業買収における行動指針」(M&A指針)では、「望ましい買収か否かは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、又は向上させるかを基準に判断されるべきである」としています。一方で、M&A指針には、「取締役会は、買収者との交渉を行う際に、取引条件の改善により、株主にとってできる限り有利な取引条件で買収が行われることを目指して、真摯に交渉すべきである」「買収者との間で企業価値に見合った買収価格に引き上げるための交渉を尽くす、競合提案があることを利用して競合提案に匹敵する程度に価格引き上げを求める」としており(3.2.3)、欧米と同様に「買収価格基準」が採用されているとも読めます。いずれにしろ買収提案を受けた上場会社の取締役にとって「買収価格」しか判断基準がないわけではないので、問題文は誤りです。

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2025年2月4日 買収提案の競合と取締役の義務(会員限定)

2025/02/27 【役員会 Good&Bad発言集】保有株ウォッシュ

上場会社P社は、100%子会社S社を通じて取引先である上場企業X社の株式を政策保有株式として保有していました。しかし、機関投資家から「株式の持合いはガバナンスの低下につながる」との批判を受け、3年前にX社株式の保有目的を純投資に変更しました。

こうした中、P社の取締役会において社外取締役がX社株式の売却予定について質問したところ、次の3人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?

取締役A:「当社グループとX社間で株式の持ち合いを解消する場合には、P社とX社の承認が必要という合意を交わしています。現在の株価下落の状況を考えると、X社が売却に合意するとは思えません。また、仮に合意できたとしてもX社も当社株式を売却することが条件になるでしょうし、それば当社の株価の下落圧力になるでしょう。」

取締役B:「私の就任前のことなので詳細は不明ですが、X社との間で『売却には同意が必要』といった合意があるにもかかわらず、3年前にX社株式を純投資に振り替えたということでしょうか? それって「持合い株」を純投資目的であるかのように偽ったいわゆる『保有株ウォッシュ』に該当するのではないでしょうか?」

取締役C:「B取締役は大事なことを見落としています。X社株式を保有しているのは当社ではなく子会社のS社です。一方、X社が保有している株は当社株であり、S社株ではありません。つまり相互保有の関係ではないのです。よって、「実態は持合い株であるところ保有目的を『純投資』と偽り保有株ウォッシュをした」と言われるのは見当違いと言わざるを得ません。」

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2025/02/27 【役員会 Good&Bad発言集】保有株ウォッシュ(会員限定)

<解説>
政策保有目的で保有しているのに「純投資」と強弁

最近「●●ウォッシュ」といった言い回しを目にする機会が増えました。たとえば「グリーンウォッシュ」は、企業が実際には環境に配慮した取り組みを十分に行っていないにもかかわらず、あたかも環境に優しい企業であるかのように見せかけることを指します。またエンタメの世界において、原作では有色人種であった役を白人が演じることを「ホワイトウォッシュ」と言います。日清食品がCM中のアニメーションで女子テニスの大阪なおみ選手の肌の色を白く表現したこともホワイトウォッシュではないかと批判されました。歴史を改ざんすることをホワイトウォッシュという表現をするときもあります。

ガバナンスやディスクロージャーの現場で注目を集めている「●●ウォッシュ」は「保有株ウォッシュ」です。これは開示制度の不備を突いて株式の保有目的を「政策保有目的」から「純投資目的」に変更するというものです。これを理解するためには、まずは現行(2025年3月31日まで)の開示ルールを理解する必要があります。

現行の開示ルールでは、有価証券報告書の提出会社が上場会社の場合、【株式の保有状況】欄において、政策保有目的のような「純投資目的以外の目的」で保有している上場会社株式に関して「保有方針及び保有の合理性を検証する方法」「個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」「最近事業年度及びその前事業年度のそれぞれについて、銘柄別による貸借対照表計上額が提出会社の資本金額の100分の1を超えるもの(当該株式の銘柄数の合計が60に満たない場合には、当該貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄)について、銘柄ごとに「株式数」「貸借対照表計上額」「保有目的」「保有目的が提出会社と当該株式の発行者との間の営業上の取引、業務上の提携その他これらに類する事項を目的とするものである場合には、当該事項の概要」「(株式数が増加した場合は)増加した理由」「当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無」等を記載しなければなりません。

一方、保有目的が純投資目的であれば、「提出会社の最近事業年度及びその前事業年度における銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額」「提出会社の最近事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益のそれぞれの合計額」を記載すれば足ります。

このように現行の開示ルールでは「純投資目的」で保有している株式よりも「政策保有目的」などの「純投資目的以外の目的」で保有している株式の方が開示すべき内容が多いと言えます。その分だけ投資家にさらされる情報量も増えることになります。

そこで、「政策保有株式」を多く保有している金融機関や事業会社の一部に「政策保有目的」から「純投資目的」に変更する動きが見られました。もちろん実態としても純投資目的として保有する株式と同様であれば問題はありません。しかし、実態は変わっていないのにみせかけのだけの保有目的変更であれば、それは投資家の目をあざむくための不正行為と言わざるをえません。

もちろん現行開示ルールでも、最近事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの又は純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したものがある場合には、それぞれ区分して、銘柄ごとに、銘柄、株式数及び貸借対照表計上額を記載する必要があるのですが、当該記載はあくまで目的を変更した年度だけに限られます。つまり、現在の開示制度では、株式の保有目的が純投資に変更されると投資家から見ればその後の削減状況を確認できないという問題があります。

そこで金融庁は開示府令を改正し、2025年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から、当期を含む最近5事業年度以内に保有目的を政策保有目的から純投資目的に変更した株式(当事業年度末において保有しているものに限る)について、新たに下記の開示を求めることになりました。
・銘柄
・株式数
・貸借対照表計上額
・保有目的の変更年度
・保有目的の変更の理由及び変更後の保有又は売却に関する方針

ポイントは目的を変更した時点が「当期」に限定されておらず、「当期を含む最近5事業年度以内に」と過去5年間までさかのぼるという点です。これにより、たとえば3年前に政策保有目的から純投資目的に保有目的を変更した株式があれば、その株式数を開示しなければならなくなりました。これにより、過去の開示と比較することで、株式数の増減が白日の下にさらされることになりました。

もっとも、「当事業年度末において保有しているものに限る。」としているので、投資家から保有株ウォッシュだと騒がれるくらいなら、事業年度末(3月決算会社であれば2025年3月末)までに売却するということを選択する上場会社もありそうです。

子会社が保有する場合も相互保有に

今回の開示府令の改正に合わせて、開示ガイドラインには「純投資目的」の定義が明文化されました。こちらは開示府令と異なり、すでに2025年1月31日から適用されています。

開示ガイドラインで明文化された「純投資目的」の定義
5-19-3-2
開示府令第二号様式記載上の注意(58)a、e及びfに規定する「純投資目的」とは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とすることをいう。例えば、当該株式の発行者が提出会社の株式を保有する関係にあること、当該株式の売却に関して発行者の応諾を要すること等により、発行者との関係において提出会社による売却を妨げる事情が存在する株式は、純投資目的で保有しているものとはいえないことに留意する。

確定版では公開草案にはなかった「」(上枠内の赤字部分)が加えられました。これは公開草案に対して「保有相手方がいわゆるホールディング会社で提出会社の株式が子会社に保有されている場合など「当該株式の発行者の子会社が提出会社の株式を保有する関係にある」場合に純投資と言えるとの誤解を招く可能性が考えられる。そのため、「当該株式の発行者」とは株式の発行者のみを指すものではなくその子会社も含める事を開示ガイドラインで明記する若しくはパブリックコメントへの回答で言明する事が重要だと考える。」との指摘が寄せられたことから、金融庁が子会社を通じた保有の場合も「当該株式の発行者」に含まれうるとの趣旨で、開示ガイドラインの文言を修正したものです。「子会社が有しているから相互保有ではない(よって純投資であることと矛盾しない)」や「株式の売却に関して発行者の応諾を要するとされているのは子会社であって親会社はそのような義務を負わない(よって純投資であることと矛盾しない)」といった強弁はもはや通じないことになります。今回の金融庁の開示ルール改正により、上場会社の「保有株ウォッシュ」が明らかになることが期待されます。

さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

取締役B:「私の就任前のことなので詳細は不明ですが、X社との間で『売却には同意が必要』といった合意があるにもかかわらず、3年前にX社株式を純投資に振り替えたということでしょうか? それって「持合い株」を純投資目的であるかのように偽ったいわゆる『保有株ウォッシュ』に該当するのではないでしょうか?」
コメント:取締役Bの発言は、X社株式の保有目的変更が『保有株ウォッシュ』にあたるのではないかとの問題意識を表明するもので、上場会社のガバナンスと透明性の観点から重要な指摘であり、GOOD発言と言えます。

BAD発言はこちら

取締役A:「当社グループとX社間で株式の持ち合いを解消する場合には、P社とX社の承認が必要という合意を交わしています。現在の株価下落の状況を考えると、X社が売却に合意するとは思えません。『純投資』として保有している株式であっても売れないものは売れないですよね。」
コメント:取締役Aの発言は、X社株式の売却は事実上困難であることを認める発言ですが、取締役Aはそのような制限の付された株式を『純投資』として扱っていることの妥当性について疑問を呈することはしていません。そもそも「当該株式の売却に関して発行者の応諾を要する」株式の保有を純投資ということはできません。取締役Aは上場会社の投資判断の説明責任を軽視しており、金融庁の開示強化の趣旨も理解できていないBAD発言です。

取締役C:「B取締役は大事なことを見落としています。X社株式を保有しているのは当社ではなく子会社のS社です。一方、X社が保有している株は当社株であり、S社株ではありません。つまり相互保有の関係にはないのです。よって、「持合い株を保有株ウォッシュした」と言われるのは検討違いと言わざるを得ません。」
コメント:取締役Cの発言は、形式的な保有関係の整理に焦点を当てたものですが、投資家の視点では「形式」よりも「実質的な関係」が重要です。また、取締役Cのような強弁を封じるために開示ガイドラインが改正され、有価証券報告書の提出会社ではなく、子会社が保有している株式であっても「発行者との関係において提出会社による売却を妨げる事情が存在する株式は、純投資目的で保有しているものとはいえない」こととされました(改正後の開示ガイドラインは2025年1月31日から適用されています)。取締役Aの発言にあるとおり、「当社グループとX社間で株式の持ち合いを解消する場合には、P社とX社の承認が必要という合意を交わしている」以上、純投資目的への目的変更が適切であったのか疑問視される可能性は「大」でしょう。それにもかかわらずB取締役の発言を見当違いと評価している点で取締役Cの発言はBAD発言です。