2024/11/29 2024年11月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
加速型自社株買いは確実に執行されるがゆえに柔軟性はありません。逆に言えば、「柔軟性がない=確実な執行」を意味するため、上述のとおり、投資家に対しては強いアナウンスメント効果を持つことになります。株価が低迷している企業は、資金にゆとりがあるのであれば、通常の自社株買いに加えて加速型自社株買いについても比較検討すべきと言えます(問題文は正しいです)。

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2024年11月5日 「加速型」自社株買いのリスク(会員限定)

2024/11/29 2024年11月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
加速型自社株買いは確実に執行されるがゆえに柔軟性はありません。逆に言えば、「柔軟性がない=確実な執行」を意味するため、上述のとおり、投資家に対しては強いアナウンスメント効果を持つことになります。株価が低迷している企業は、資金にゆとりがあるのであれば、通常の自社株買いに加えて加速型自社株買いについても比較検討すべきと言えます(問題文は正しいです)。

こちらの記事で再確認!
2024年11月5日 「加速型」自社株買いのリスク(会員限定)

2024/11/28 【役員会 Good&Bad発言集】公益通報者の探索

上場会社A社の取締役会において、社外取締役より「公益通報者の探索禁止について当社のルールを教えて欲しい」との発言があり、これに対して次の3人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?

取締役A:「公益通報者保護法そのものには公益通報者の探索の禁止は明記されていませんが、当社の内部通報制度では通報者を探索してはならない旨しっかりと定めていますので、ご安心ください。」

取締役B:「公益通報者保護法には「公益通報者を探索してはならない」と明記されていますよ。なぜなら、公益通報者の探索を自由に行っていいのであれば、探索されることをおそれて通報を躊躇する者も出てくることが考えられるからです。」

取締役C:「そうですね。しかも公益通報者を探索した者には刑事罰が科されます。それくらい公益通報者の探索はやってはいけない行為であると考えられているわけです。」

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2024/11/28 【役員会 Good&Bad発言集】公益通報者の探索(会員限定)

<解説>
「公益通報者の探索の禁止」は公益通報者保護法に明記されておらず

パワハラ等の疑惑で失職したものの再当選を果たすなどすっかり話題の人物となった兵庫県の齋藤知事ですが、同知事の疑惑についての匿名の告発文書が報道機関へ送付された際に、齋藤知事は文書作成者を探索させており、これが「公益通報者の探索」(公益通報者を特定しようとする行為)にあたるのではないかとの問題が指摘されています(齋藤知事は「当該告発文書は告発というより誹謗中傷性の高い文書」「具体的な供述や証拠がなく、真実相当性はない」ことを理由に、文書の送付がそもそも公益通報に該当しないとの考えを主張)。今回の【役員会 Good&Bad発言集】では「公益通報者の探索」にフォーカスしてみることにします。

「公益通報者の探索」を自由に行っていいのであれば、探索されることをおそれて通報を躊躇する者も出てくることが考えられます。そこで公益通報制度の指針(「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(令和3年8月20日の内閣府告示第118号。以下、「法定指針」)において、「事業者がとるべき措置」として「事業者の労働者及び役員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとる。」「範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。」ことが明記されています。誤解の多いところですが、公益通報者保護法そのものに「公益通報者の探索の禁止」が明記されているわけではなく、あくまで同法の法定指針に「事業者がとるべき措置」として「探索を防ぐための措置をとること」「探索があった時に探索者を処分等の適切な措置をとること」が記載されているだけです。そして、公益通報者保護法そのものに「公益通報者の探索の禁止」が明記されていない以上、当然ながら公益通報者の探索という行為に対して刑事罰が用意されているわけではありません。もっとも、現行法上、事業者が指定した従事者には、公益通報者を特定させる情報の守秘義務が規定されており、当該情報を故意に漏らした場合には、罰則対象となっています(公益通報者保護法12条、21条)。

消費者庁では、2020年の改正公益通報者保護法の施行から一定期間が経過したことから、近年の公益通報者保護制度を巡る国内外の環境の変化や改正後の公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題について検討を行うため、有識者により構成する「公益通報者保護制度検討会」(以下、「検討会」)を開催しています。検討会は2024年9月2日に「中間論点整理」を公表したばかりです。中間論点整理では「公益通報を阻害する要因への対処」の一つに「公益通報者を探索する行為の禁止」の項が設けられており、そこでは次のように整理されています(中間論点整理の10ページ目を参照)。

中間論点整理の抜粋
2 公益通報を阻害する要因への対処
(1)公益通報者を探索する行為の禁止

通報者探索の防止については、体制整備義務の一部として、法定指針に規定されているが、公益通報がなされた後、事業者内で公益通報者を特定することを目的とした調査などが行われることは、公益通報者自身が脅威に感じることはもちろん、公益通報を検討している他の労働者を萎縮させるなどの悪影響があり、法律上、通報者探索を禁止する明文規定を設けるべきとの意見があった。
また、法律上明記するだけではなく、通報者を探索する行為に対し、行政措置又は刑事罰を規定すべきとの意見もあった。

中間論点整理公表後の2024年11月6日に開催された第6回の検討会では、事務局が資料「公益通報者の探索禁止について」(以下、「資料」)を提出しています。当該資料には「通報者探索の禁止について、明文規定を設けることが求める意見が多数あったが、慎重な意見もあった。」「違反時の罰則については、導入を求める意見もあったが、慎重な意見もあった。」とあり、同検討会のメンバーも決して一枚岩ではないことが分かります。この書きぶりからすると、最終報告で、仮に公益通報者保護法に公益通報者の探索禁止の明文規定を新設することを求めるよう記載されたとしても、違反時の罰則の導入は見送りになる可能性もあると言えるでしょう。

資料には「公益通報者の探索禁止」規定を導入する場合の規定例として、下記が示されています(資料の2ページ目を参照)。

「公益通報者の探索禁止」規定例
第●条 第二条第一項各号に定める事業者は、正当な理由がなく、公益通報者である旨を明らかにすることを要求することその他の公益通報者を特定することを目的とする行為をしてはならない。

そして、資料では「公益通報者を特定することを目的とする行為」とは、「公益通報者である旨を明らかにすることを要求すること」のほかに、「例えば、公益通報者が誰かを知っていそうな者に、心当たりがあるか質問する行為や、メールの履歴やその他の資料を収集・閲覧する行為などが考えられる」としています。また、資料では「正当な理由」の例として、「通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合(例えば、通報窓口において調査の実効性確保等のために所属部署や違反に関する具体的な状況を説明するよう促す場合)や匿名による通報者を不利益な取扱いや探索行為から保護するために必要と考えられる場合に顕名を名乗るよう促すこと」などが考えられるとし、「通報された違法行為を調査するために、社内外の関係者にヒアリングやアンケートを実施したり、関係資料を収集・閲覧したりすること自体は、そもそも「公益通報者を特定することを目的とする行為」に該当しない」としています。

さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

取締役A:「公益通報者保護法そのものには公益通報者の探索の禁止は明記されていませんが、当社の内部通報制度では通報者を探索してはならない旨しっかりと定めていますので、ご安心ください。」
コメント:「公益通報者の探索の禁止」は公益通報者保護法に明記されているわけではありません。あくまで同法の法定指針に「事業者がとるべき措置」として「探索を防ぐための措置をとること」「探索があった時に探索者を処分等の適切な措置をとること」が記載されているだけです。取締役Aは公益通報者保護法の正しい理解に基づき発言できている点がGOODです。

BAD発言はこちら

取締役B:「公益通報者保護法には「公益通報者を探索してはならない」と明記されていますよ。なぜなら、公益通報者の探索を自由に行っていいのであれば、探索されることをおそれて通報を躊躇する者も出てくることが考えられるからです。」
コメント:取締役Bは現行の公益通報者保護法の規定内容やその改正に向けた動きを正しく理解せずに発言しており、本発言はBAD発言と言わざるを得ません。

取締役C:「そうですね。しかも公益通報者を探索した者には刑事罰が科されます。それくらい公益通報者の探索はやってはいけない行為であると考えられているわけです。」
コメント:現行の公益通報者保護法では公益通報者の探索の禁止は明記されていません。禁止規定がない以上、通報者を探索する行為に対し、当然ながら行政措置または刑事罰は設けられてはいません。取締役Cも、取締役Bと同様、現行の公益通報者保護法の規定内容やその改正に向けた動きを正しく理解せずに発言しており、本発言はBAD発言と言わざるを得ません。