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支配株主がいる上場会社のガバナンス体制

 大塚家具の株主総会は、会社提案による取締役選任議案が可決し、元会長による株主提案は全て退けられる結果となったのは周知のとおり。臨時報告書によると、会社提案の取締役候補者は61%の賛成を得た一方、株主提案の候補者は34%の賛成率にとどまった。現社長(元会長の長女)によると、一般株主の80%近くが「会社提案」に賛成票を投じたという。少なくとも資本市場は現体制を支持したと言えるだろう。

 本件は“親子対決”となったことで殊更に世間の注目を集めることになったが、実は大塚家具のように親会社や創業家などの「支配株主」が存在している上場会社は少なくない。東証1・2部上場会社のコーポレートガバナンス報告書を調べると、そのうち約2割において支配株主が存在している。そして、過去には、支配株主の間で委任状争奪戦が繰り広げられたり、親会社が子会社トップをすげ替えたりといった事例も少なからず発生している。

支配株主 : (1)親会社(株主総会などの意思決定機関を支配する会社)、(2)主要株主(上場会社の議決権の過半数を占めている者)、(3)当該主要株主の近親者(二親等内の親族)、(4)当該主要株主及び当該主要株主の近親者が、議決権の過半数を所有している会社及び当該会社の子会社

 株式会社の実質的な所有者が株主である以上、このような経営権の争いが起こるのはやむを得ない面もあるが、問題は、その際に・・・

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