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ストレスチェックはいつ受診させるべき?

 労働安全衛生法の改正により今年(平成27年)12月1日から会社に「ストレスチェック制度」の実施が義務付けられる。それに先立ち厚生労働省は、同制度の具体的な内容を定めた改正労働安全衛生規則(厚生労働省令)と運用指針(心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針)を公表している(2015年4月15日公表)。それによると、労働者50人以上の事業者には「毎年1回以上」常時使用する労働者が希望した場合にストレスチェックを行うことが義務付けられ(受診の義務化ではなく、「受診機会の提供」の義務化)、その結果によっては「労働者の心理的な負担」を軽減するための措置を講ずるよう努めなければならないほか、ストレスチェック制度の実施体制や実施方法などを定めた規程の整備などが求められるという。

ストレスチェック制度 : 労働者に対する心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)や、検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業者に義務付ける制度。

 また、ストレスチェックは「医師、保健師、看護師、精神保健福祉士」により実施される必要があることも省令に盛り込まれている。そうなれば当然コストも発生することになるが、ストレスチェックに要する費用は会社が負担する必要があろう。この点は法令等に明記されているわけではないが、同じく労働安全衛生法で義務付けられている定期健康診断の実施に要した費用について、「法で事業者に実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものである」とする労働省(当時)労働基準局長による通達(昭和47年9月18日基発第602号)があることから、ストレスチェックに要した費用もこれと同様に「会社負担」と考えるのが自然だ。

 では、ストレスチェックの受診に要した時間は「労働時間」として扱わなければならない(=賃金の支払い対象(有給)にする)のだろうか。・・・

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