コーポレートガバナンス・コードは基本的に上場会社を対象としているが、多くの上場会社がグループ経営を展開する中、有力な子会社抜きには、企業グループとしてのコーポレートガバナンスを語ることはできないだろう。特に持株会社グループでは、子会社こそが事業活動の中核を担っており、主に管理業務を担う持株会社だけのコーポレートガバナンスを考えればよいということにはならない。この点は、コーポレートガバナンス・コードの策定にあたった「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」の中でも、「グループ経営の場合、グループ全体のガバナンス構造などを含めてきちんと考えるということになる」「コードはプリンシプルベース・アプローチであるため、コードの趣旨や精神を踏まえて対応していただくということが必要。当然、非上場の子銀行の保有分も含めて対応していただくことになる」といった発言が関係者からあったことからも明らかだろう。
コーポレートガバナンス・コードの考え方を子会社にも取り入れることとなった場合、子会社においても、経営陣の報酬に中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させることと求める同コード【4-2】【4-2①】を考慮する必要が出て来る。ただ、この場合にネックとなるのが、・・・
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