投資家にとっての「収益率」と言えるROE(株主資本利益率)の向上を求める声が高まる中、“目標ROE”を公表する企業も出て来ている。「当期純利益/自己資本」により計算されるROEを向上させるには、分子の当期純利益を増やすか分母の自己資本を減らすしかない。もっとも、営業努力により当期純利益を増やすのは簡単ではない。そこで、財務戦略により分母の自己資本を減らそうと考える企業は少なくないが(ROIC参照)、実は分子の当期純利益も、営業利益の増加なしに増やすことが可能。ROEの分子となる当期純利益とは「税引後」の金額であるため、税金を減らせばROEを向上させることができるのである。
営業利益 : 売上総利益(※)から販売費及び一般管理費を控除して算出される。※ 売上総利益=営業利益売上高-売上原価
したがって、“ROE経営”の時代においては、タックス・マネジメントの重要性が増すことになるだろう。海外に目を向けると、・・・
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