欧米企業では一般的となっている株式報酬が日本で普及してこなかった理由の1つとして、会社法と税法の問題があったことは2015年12月2日のニュース「日本で株式報酬を支給できない理由」でお伝えしたとおりだ。
そこで経済産業省は、金銭報酬債権の現物出資を活用した株式報酬、すなわち、(1)会社が役員に金銭報酬債権を付与、(2)役員が当該金銭報酬債権を「現物出資財産」として会社に払い込み、その対価として会社が役員に株式を発行する――というスキームを考案し、これが会社法上の問題点をクリアすることを法務省との間で確認。さらに税制についても、①役員に対しては、「株式の譲渡制限が解除された時」において、「株式の譲渡制限が解除された時点における株式の時価」に対して給与課税、②会社に対しては、「株式の譲渡制限が解除された日の属する事業年度」において、「役員に株式を交付した時点における時価」相当額が損金算入――とすることで財務省と合意していた(2015年12月11日のニュース「ついに日本でも株式報酬の支給が可能に!」参照)。
もっとも、上述した株式報酬の課税関係は、あくまで・・・
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