来月(2016年4月)1日から改正障害者雇用促進法が施行される。今回の改正は、障害者差別解消法(平成25年6月成立・公布)の施行(2016年4月1日~)と相まって、「障害者差別の禁止」と「合理的配慮の提供義務」の2つが大きな柱とされている。それぞれ具体的に説明しよう。
まず「障害者差別の禁止」とは、(1)労働者の募集および採用について、障害者でない者と均等な機会を与えなければならない(改正法第34条)、(2)賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない(同第35条)――ということである。これに対し、「積極的差別是正措置として障害者を有利に取り扱うこと(ポジティブアクション)」はもちろん、「労働能力などの適正な評価によって採否を決定したり賃金等に差異を設けること」や「著しく労働能力の低い者について都道府県労働局長の許可を受けて最低賃金額より低い賃金を設定すること」はここでいう「差別」には該当しない。
企業がより注意を払わなければならないのは、「合理的配慮の提供義務」の方だろう。労働者の募集および採用について障害者から申し出があった場合には、均等機会確保の支障となっている事情を改善する措置を講じなければならず(改正法36条の2)、採用後は、施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない(同第36条の3)。
誤解されがちだが、・・・
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