日本企業の約8割は定年を満60歳と定めたうえで、その後は「勤務延長」または「再雇用」として従業員を継続雇用しているという(厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」第13表参照)。これは、高年齢者雇用安定法上、事業主は原則として「満60歳」を下回る定年制を定めることができず(同法8条)、また、定年到達後も本人が希望している場合は、「少なくとも満65歳まで」は雇用を確保しなければならないとされているからだ(同法9条)。
ただ、典型的な日本企業における年功型賃金制度は、従業員を「新卒採用から定年まで」雇用することを前提に設計されている。会社からすれば、「定年後も雇用しなければならないのであれば、賃金をその時の能力に見合った額に設定し直したい」というのが偽らざる本音だろう。実際、国税庁の調査によると、60~64歳の平均給与は「3,725千円」であり、55~59歳(4,804千円)から23%低下している(国税庁「平成26年分民間給与実態統計調査」)。
こうした中、最近話題を呼んだのが、・・・
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