印刷する 印刷する

リニエンシー利用事業者名公表で企業がとるべき行動は?

談合カルテルは独占禁止法違反にあたり、巨額の課徴金(「違反行為対象商品等の売上高」に対し、製造業の場合は10%、小売業の場合は3%、卸売業の場合は2%)を課される可能性がある。ただし、独占禁止法に違反した事業者が、違反の事実を公正取引委員会に自主的に報告し、資料を提出すれば、課徴金の減免を受けられる場合がある。これがリニエンシー(課徴金減免制度)と呼ばれるものだ。

談合 : 公共工事や物品の公共調達の入札の際、入札に参加する事業者同士で話し合い、入札価格を調整すること。競争入札を骨抜きにする行為であり、あらかじめ定めておいた事業者が高値で落札することが可能になる。同業者間で、落札者を持ち回りすることが多い。カルテルの一形態である。
カルテル : 事業者間で、価格や生産量、販売地域などについて協定を結ぶこと。これにより、価格競争による価格低下を防ぐことができる。

従来はリニエンシーの適用があったかどうかさえ積極的に公表しないというのが公正取引委員会の方針だったが、平成28年6月1日からこの方針が変更され、リニエンシーの適用を受けた事業者の「免除の事実または減額の率」が公表されることになった(公正取引委員会「課徴金減免制度の適用事業者の公表」参照)。リニエンシー制度の運用の透明性を確保する観点から、180度の方針変更となった格好だ。“密告”的な性格も持つリニエンシー制度は導入当初、「日本の企業風土には合わない」といった声も聞かれたように、社名や課徴金の減免の詳細が公表されるとなると、リニエンシーの利用に躊躇する企業が出てくることもあり得るが、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから