昨年(2015年)4月に国会に上程された労働基準法の中で、働き方を大きく変える制度として、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と並んで物議を醸したのが「年次有給休暇の取得義務付け」だ。具体的には、会社は、年間10日以上の年次有給休暇を与えるべき従業員に対し、(1)本人が希望した時季に与える、(2)労使協定に基づき計画的に付与する、(3)個別に時季を指定する、のいずれかの方法により「年間5日以上」の年次有給休暇を取得させなければならないとされ、これに違反した場合の罰則(30万円以下の罰金)まで設けられている。結局この法案は継続審議(閉会中審査)となり、来年4月からの施行も危ぶまれているが、企業としては、そう遠くない将来には成立する前提で準備を進めておく必要があろう。
閉会中審査 : 各議院の委員会が、国会の閉会中に会議を開いたり、委員に審査や調査を行わせたりすること。国会は、会期が終了すると閉会になるが、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができることになっている。
上記3つの方法の中で企業にとって有力な選択肢となりそうなのが、・・・
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