来年の株主総会でも役員報酬改革は大きなテーマの一つとなることが予想されるが、リストリクテッド・ストック(譲渡制限付株式報酬)、信託型株式報酬、ストック・オプションなど複数の選択肢がある中で考慮に入れる必要があるのが税負担だ。実際、役員報酬に占めるインセンティブ報酬の割合が高い欧米企業では、「損金性」は役員報酬に関する方針を決定する上で重要な要素となっており、損金算入できない(=株主利益の棄損につながる)役員報酬制度を採用することの合理性を株主に対して説明すること困難となっている。
リストリクテッド・ストック(譲渡制限付株式報酬) : Restricted Stock:一定期間の譲渡制限が付された株式報酬
損金 : 法人税計算の基礎となる法人所得を減らす性質の支出等のこと。損金は企業会計上の費用とおおむね一致するが、役員賞与や固定資産の減損損失など「損金には該当しない費用」もある。
こうした中、12月8日に公表された平成29年度税制改正大綱には、役員報酬に関する法人税の扱いを大幅に見直す内容が盛り込まれている(67ページ~参照)。
税制改正大綱の内容は経理・税務等の担当役員以外には分かりにくい極めて専門的なものとなっているが、ポイントは3つに集約される。
まず、これまでは・・・
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