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従業員重視の独CGコード、 大企業の不祥事続発で「株主重視」へ改訂

ウイリス・タワーズワトソン
組織人事部門シニアコンサルタント
高岡明日香

日本のコーポレートガバナンス・コードは英国コーポレートガバナンス・コードを手本にしたことから両者には類似点が多いが、若干異なるのが、どこに軸足を置くのかという点だ。英国版コードの序文2には「取締役会がそれぞれの企業のガバナンスに責任を負う。ガバナンスにおける株主の役割は、取締役と監査役を指名し、適切なガバナンスを担保することである。(中略)取締役会の活動は、法令、規則、株主総会における株主に従うものとする」とあり、明確に株主視点のガバナンスに主軸があるのに対し、日本版コードでは、「上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである」(基本原則1)として英国版同様に株主を重視しつつも、「上場会社は、(中略)従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダー(中略)との適切な協働に努めるべきである」(基本原則2)とし、従業員等への配慮も求めている。

同様に、「株主」「従業員」両方を重視しているのがドイツのコーポレートガバナンス・コードだ。ドイツ版コードでは、その序文において「本コードの目的は、ドイツの上場企業の経営・監督に対する国内外の投資家、顧客、従業員、一般社会からの信頼を高めることにある。本コードは、社会的市場経済の理念に沿って企業の存続と持続的な価値創造を確保するため(企業利益)、執行役会と監査役会の義務を明確にするものである」としており、株主のみに拠らずステークホルダー(特に従業員)を重視している点と、社会的市場経済の理念に沿っている点が特徴的である。これらの点からすると、日本のコーポレートガバナンス・コードはドイツ版から一定の影響を受けたと言える。

こうした中、ドイツのコーポレートガバナンス・コードが間もなく改訂される。・・・

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