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消費者契約法再改正へ 消費者団体の要望受け解釈権限付与条項を無効に

政府は消費者保護を強化する施策を相次いで打ち出しているが、新たに消費者との契約や約款の見直しを迫る法改正が実施される可能性が高まっているので、特にBtoC事業を展開する企業はチェックしておく必要がある。

政府が消費者保護に力を入れている背景には、インターネットショッピングにより消費者がトラブルに巻き込まれるケースが社会問題化していることに加え、超高齢社会の中で増加する判断力の低下した高齢者および今後予定される成年年齢の引き下げ()により新たに成年となる若年層(18歳、19歳)の消費者被害の防止・救済が必要になるということがある。最近では、定型約款の規定を新設する改正民法が6月2日に公布され(2017年6月22日のニュース「民法改正で定型約款の規定が新設、BtoC取引の約款はここに注意」を参照)、その翌日(2017年6月3日)には「不実告知」を契約の取消し原因に追加する改正消費者契約法(2016年3月30日のニュース「役員が押さえておきたい2016年度における重要法令改正」)が施行と、消費者保護を目的とした法改正が続いている。

 法務省は2016年9月に、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げることを提案する「民法の成年年齢の引下げの施行方法に関する意見募集」を実施し、11月8日付けで結果を公表、現在は民法改正の立法化に向けて準備中である。

超高齢社会 : 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合を高齢化率と言うが、世界保健機構(WHO)の定義によると、社会の高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」とされる。日本では2007年より超高齢社会に突入している。

そして、2017年6月3日に改正されたばかりの消費者契約法が再び改正されようとしている。内閣府に設置された消費者委員会は8月8日、安倍首相に対し事業者と消費者間の契約締結過程および契約条項の内容に係る規律等の在り方について答申を行い、消費者契約法の追加改正の方針を示した。消費者契約法の改正法案は次の通常国会(2018年1月~)に提出される見込みだ。

主な改正点は二つある。

一つが、・・・

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