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社外取選任のための員数拡大と責任限定契約導入議案は“一の議案”か?

近年、一部の会社の株主総会で、1人の株主がほぼ“株主提案権の濫用”と言えるような形で膨大な数の議案を提案するといった事例が見られることを踏まえ、コーポレートガバナンス関係の会社法の見直しを検討している法務省の法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会では、株主提案権の濫用的な行使の制限が大きなテーマとなっているのは既報のとおり(2018年1月19日のニュース「株主提案議案数を制限する会社法改正案 「数」と「数え方」が焦点に」参照)。

具体的な制限の方法としては、提案できる議案数の「数」の上限を決めることが検討されている。今年2月に公表された「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」では、「5」または「10」を上限とする2つの案が提示されていたが(2018年3月2日のニュース『ガバナンス関連の会社法改正「中間試案」公表、株式交付制度創設へ』の表の上から二段目参照)、改正会社法(改正時期は未定)では「10」が採用される方向となっている。

提案できる議案数の上限が「10」とされれば、株主提案権の濫用的な行使はかなり抑制されることになるだろう。ただ、議案数の数え方によっては制限が過度なものとなり、結果的に株主提案権を相当程度奪うようなことにもなりかねない。例えば複数人の取締役を選任する議案を提案する場合、仮に「取締役の人数=議案数」とみなされれば、複数人の取締役の選任議案を提出するだけで「10」という提案枠の多くを使ってしまうことになる。

そこで改正会社法では下記のようなルールを設ける方針だ。・・・

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