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会社補償契約のメリット

会社法上、取締役、監査役、執行役など(以下、役員等)は、その任務を怠ったときは、会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(会社法423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任))。もっとも、生じた損害が役員等の責めに帰すべきかどうか、判断が難しい事案もあろう(取締役の善管注意義務違反については、(新用語・難解用語)経営判断の原則 参照)。そこで役員等は、何らかの形で自らの責任を制限しておきたいと考えるのが自然だ。

執行役 : 指名委員会等設置会社において、取締役会決議によって委任された事項について会社業務を実行する役職。取締会決議により選任・解任される(登記も必要)。執行役が2人以上いる場合は会社を代表する代表執行役を選ぶ。取締役と同様、会社に対して善管注意義務および忠実義務を負い、株主代表訴訟の対象にもなる。「執行役員」も会社業務の実行に対して権限と責任を持つが、会社法上に定義はなく、あくまで重要な使用人に過ぎない点、執行役とは異なる。

現行会社法には、役員等の責任を制限する方法として以下の4つが規定されている。
(1)総株主の同意による責任免除(424条)
(2)株主総会決議による責任の一部免除(425条)
(3)定款規定と取締役会決議による責任の一部免除(426条)
(4)責任限定契約の締結(427条)※責任限定契約については、2015年4月22日のニュース「責任限定契約を締結すればD&O保険は不要か」参照

このうち「(3)定款規定と取締役会決議による責任の一部免除(426条)」について、実際に定款規定を設けている会社は多い。しかし、この定款規定を設けたからと言って、役員等の責任の軽減手段として機能するかと言えば、必ずしもそうではない。・・・

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