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親会社が赤字体質の企業グループによる“新”連結納税制度導入の留意点

既報のとおり、連結納税制度の大幅な見直しが令和2年度(2020年度)税制改正で実施される(新たな連結納税制度の概要は2019年2月26日のニュース『導入検討の価値あり 「連結納税制度」が大幅に使いやすく』参照、詳細は令和2年度税制改正大綱105ページ参照)。「仕組みが複雑すぎて経理部門の負担が大きい」といった理由から、上場企業でさえ導入を見送るところが少なくなかった連結納税制度だが、今回の見直しにより思い切った簡素化が図られ、名称も「グループ通算制度」へと変更される(以下、「グループ通算制度」という)。

連結納税制度 : 100%の持株関係にある企業グループに属する各企業の所得金額(≒黒字)と欠損金額(≒赤字)を通算して「連結所得金額」を計算し、この連結所得に対する法人税を親会社がまとめて納税する仕組み。例えば親会社の所得金額が100、子会社の欠損金額は100である場合、連結納税制度を採用していなければ親会社は所得金額100に対する法人税を負担しなければならないが、連結納税制度を採用していれば、親会社の所得金額100は子会社の欠損金額100と相殺され、税負担はゼロとなる。
税制改正大綱 : 税制改正は毎年1回行われるのが通常だが、翌年度の税制改正の内容を大まかにとりまとめたものが税制改正大綱であり、毎年12月中旬頃に政府(与党)が公表する。

グループ経営が一般化する中、グループ内の各社の黒字と赤字を相殺してグループ全体の税負担を減らす効果があり、かつ連結納税制度よりも簡素なグループ通算制度の導入を検討する企業グループは少なくないと思われるが、導入にあたりボトルネックとなりかねないのが、・・・

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