印刷する 印刷する

決算発表の現状とコロナ禍における各社の株主総会対応の検討状況

コロナ禍により企業の決算作業・監査手続きが遅延している。この現状を踏まえ東証は、適時開示上の決算や四半期決算を「事業年度の末日から45日以内などの期間にとらわれず」確定次第公表すれば足りるとする「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた適時開示実務上の取扱い」を示し、これを受け多くの上場企業が決算発表を延期している。東証の集計によると、4月30日時点で260社程度が45日を超えて決算発表・四半期決算発表を行うとし、決算発表日を未定としている企業も160社にのぼる。決算発表日を未定とした企業の中には、日立製作所や東芝といった大手企業も多数含まれている。コロナ禍での決算発表の延期は今や資本市場では「当然のこと」として受け止められている。したがって、経営陣は必要があれば躊躇なく決算の延期を決断すべきであり、それが投資家等から問題視されることもない。

こうした決算作業・監査手続きの遅延を受け開示府令が改正され、金商法上の有価証券報告書・四半期報告書の提出期限が最大3か月間(3月決算企業の場合)延期されたところだ(金融庁「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を踏まえた有価証券報告書等の提出期限の延長について」参照)。具体的には、3月期決算企業については「2020年3月期の有価証券報告書」と「2021年3月期第1四半期の四半期報告書」の提出期限が2020年9月30日まで延長され、12月決算企業については「2020年12月期の第1・第2四半期の四半期報告書」の提出期限が2020年9月30日まで延長されることになった(2020年4月13日のニュース「続報 有報の提出期限さらに延期へ、株主総会延期では「継続会」活用論浮上」参照)。

適時開示と金商法開示について上述のような取扱いがなされる一方、定時株主総会開催のあり方についても、関係省庁等の間で様々な検討が行われている。本稿ではこれらを整理しつつ、各社の検討状況をお伝えする。・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから