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最低賃金引上げが及ぼす上場企業への影響

 このところ「最低賃金*引上げ」に関する報道が目に付くが、これは、先月7月29日に厚生労働省の中央最低賃金審議会から都道府県別の最低賃金の目安額(全国平均で780円。昨年より16円増)が示されたため。この目安額を踏まえて、各地方審議会は独自の最低賃金額を決定することになる。8月15日までに結審した25地域では、677円(鳥取、大分、熊本、宮崎)~888円(東京)に改定される。

* 「最低賃金法」を根拠として、労働者の生活の安定や労働力の質的向上に資することなどを目的に、国によって保障されるが賃金の最低額のこと。最低賃金は、労働者を1名でも雇用していればすべての企業に適用される。最低賃金は、47都道府県ごとに時間額で設定されている。現時点で一番高いのは東京の869円、一番低いのは沖縄など9地域の664円となっている。最低賃金の対象は従業員に対して毎月支払われる基本的な賃金であり、時間外・休日割増賃金や賞与・一時金(ボーナス)などは除外される。

 上場企業の役員の中には、最低賃金について「地方の中小企業や小規模事業者の話」と考えている向きが少なくないが、これは誤解なので注意したい。

 実はこの最低賃金額は、・・・

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