2020年6月19日のニュース「“お家騒動”で双方が異なるスキル・マトリックスを示す事態に」では天馬の“お家騒動”をお伝えしたところだが、同じく“お家騒動”で揺れているのが大戸屋ホールディングス(JASDAQ)だ。大戸屋ホールディングスでは、創業者の逝去後、創業家と経営陣が対立し、創業家が保有する株式を外食大手のコロワイド(東証一部)に売却し、同社が筆頭株主となったことで一旦は幕引きとなったかに見えた。しかしその後、経営哲学の違いから両者の間で対立が生じることとなった。「甘太郎」「牛角」「かっぱ寿司」等の店舗を運営するコロワイドがセントラルキッチンを活用した効率的店舗運営を目指しているのに対し、大戸屋ホールディングスが運営する「大戸屋」は「美味しく、かつ健康に資する料理の原点は店内調理にあると確信」(2020年6月25日開催の大戸屋ホールディングスの定時株主総会招集通知の「株主提案に対する反対の理由」より抜粋)とのリリースからも明らかなように、創業時から店内調理にこだわってきた。
セントラルキッチン : 複数店舗で提供する料理を1つの場所で集中的に製造・調理・加工する施設のこと。ファミリーレストランや大手フランチャイズチェーンでよく利用される。食材を途中まで加工して、「半製品」の状態で店舗に配送し、店舗で加熱、解凍、盛り付けなどをしてから、顧客に提供する。
こうした中コロワイドは、値上げによる客離れで業績不振に陥った大戸屋ホールディングスに対し業績改善とコロワイドグループとのシナジー効果の最大化を求めるため、2020年6月25日開催の大戸屋ホールディングスの定時株主総会で、取締役12名を選任する株主提案を行ったが、・・・
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