消費者契約法の改正に向け、これまでの同法の運用状況に関する検討が佳境を迎えている。俎上に載せられた論点のうち企業にとって気になるポイントが「消費者概念」の拡大だ。
通常、私人(一個人)としての取引には民法が適用される一方、事業者との情報や交渉力の格差から特に消費者保護の必要が高い消費者契約については消費者契約法が適用されることになる。具体的には、契約の当事者がそれぞれ消費者契約法2条の「消費者」「事業者」に該当するかどうかで消費者契約法の適用の有無が判断される。消費者概念の拡大とは、「消費者」として認められる範囲を拡大し、消費者契約法が適用される範囲を拡大すべきというものである。
消費者契約法2条1項は、「『消費者』とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)をいう」と定義している。
つまり、消費者契約法の適用対象になるかどうかは、契約者が「事業目的」を持っているかどうかが鍵を握っていることになる。そして、事業目的かどうかの判断は、取引社会に参入し、“反復継続して”行為を行う目的を有しているかどうかが考慮される。
仮に消費者概念が拡張されることになった場合に影響が受けそうなのが、フランチャイズシステムを構築している企業だ。例えば、・・・
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