本日9月1日は「防災の日」。避難訓練を実施した企業も多いことだろう。
災害が発生した場合、経営上の重要なリソースである社員を守ろうと考えるのは企業として当然だが、東日本大震災後は、自社の社員に加え、「帰宅困難者」の受け入れ協力が求められている。
東日本大震災は平日の昼間に起こったため、多くの人が勤務時間中に会社で被災した。この結果、かつて我が国が経験したことのない規模の帰宅困難者が発生したのは記憶に新しい。これを受け、一部の地方自治体は、大規模災害が発生した場合の避難方法に関する条例を制定している。
その1つが東京都だ。東京都は平成25年4月に「東京都帰宅困難者対策条例」を施行、事業者に対し、「従業員の一斉帰宅の抑制」「3日分の水や食料の備蓄」「従業員との連絡手段の確保」などを求めるとともに、買い物客や行楽客などの帰宅困難者の受入れ協力を要請している。こうした地方自治体の求めに対し、帰宅困難者の受入れを表明する企業も出てきている。
こうした企業の姿勢は敬服に値するが、受入れとともに法的な責任も生じ得るという点は知っておく必要がある。・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。