企業における女性登用を推進するための「実効性の高い法的枠組み」を構築するための議論が厚生労働省の労働政策審議会(雇用均等分科会)で進められている。安倍総理が今秋(2014年秋)の臨時国会での法案の提出に強い意欲を示していることを踏まえ、同審議会は10月7日にも答申をとりまとめる予定だ。
ただ、こうした政府の動きと企業の現実の間には若干のズレがある。政府は企業に対し、2020年までに「指導的地位」に占める女性の割合を30%以上とすることを求めているが、女性の採用・育成が本格化したのは1986年の男女雇用機会均等法施行後であり、現時点では、指導的地位就任を前提としたキャリアを積んで来たと言える女性は多くない。業種によってはそもそも女性従業員の数が少なく、目標の達成は難しいというのが企業側の本音と言える。
こうした企業サイドの声を踏まえ、女性活躍法案では、一定割合の女性役員や管理職の設置の“義務付け”は見送られる方向だが、(1)女性の活躍に関する状況や分析結果を公表するとともに、(2) 従業員300人超の会社は(1)を踏まえた「行動計画」を策定し、政府に「届出」をするとともに、「公表」することを求められることになりそうだ。具体的には、・・・
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