個人株主のうちいわゆるデイトレーダーと称されるような頻繁に株式の売買を繰り返している株主は、株価の動きや配当の増減には敏感に反応する一方で、議決権行使には関心を持たない傾向にある。また、同様に短期的な売買や配当にしか興味を持たないヘッジファンドも存在する。さらには、中東の投資家が日本企業の株式を投資対象とする場合、言語の壁もあり、議決権行使の担当者を置くまでには至らないケースも少なくないようだ(2017年3月3日のニュース「議決権不行使率上昇の背景と対策」を参照)。こうした株主が増加した上場会社では必然的に議決権の行使率は低下することになる。
もっとも、大株主や役員などの株式保有比率が高い上場会社であれば、議決権行使率が多少下がったとしても、株主総会運営に支障をきたすほどの事態にはならないはずだ。しかし、上場会社の中には、親会社があるにもかかわらず議案の議決権行使率が10%台にとどまり定足数に達しないことから、定足数を必要とする議案を可決できないところもある。・・・
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