上場会社役員ガバナンスフォーラムの調べによると、今年6月の株主総会を経ても社外取締役が1人もいない上場会社(東証一部・二部、マザーズ、JASDAQ)がいまだ1,216社あったことが確認されている。その中には、時価総額が1兆円を超える会社や先進的な経営で知られる会社も含まれる。
ただ、来年(2015年)4月1日あるいは5月1日の施行が見込まれる改正会社法では、社外取締役を選任していない上場会社に対し、定時株主総会でその理由の説明が求められることを踏まえ(2014年9月24日のニュース「社外取締役を選任しても「相当でない理由」の説明は省略できない」参照)、社外取締役の選任を考えている上場会社は多い。
また、既に社外取締役を置いている会社でも、改めて社外取締役を選任し直すケースが続出するとみられる。改正会社法では、社外取締役及び社外監査役の要件の厳格化が図られ、(1)親会社の業務執行者等、(2)兄弟会社の業務執行者等、(3)業務執行者等の近親者は、社外取締役及び社外監査役に就任できないとしているからだ。社外取締役のみならず、社外監査役を親会社から受け入れている会社は多いため、今後は社外監査役の選任ラッシュも見込まれる。
もっとも、既に社外取締役または社外監査役を置いている場合(上場会社のほとんどが該当する監査役会設置会社では、社外監査役の選任が義務付けられているため、少なくとも社外監査役はいるはずである)には、まだ時間的な余裕は残されている。改正会社法では、会社が人材の確保などの要する時間を考慮して経過措置を設けているからだ。上述のとおり、改正会社法は来年4月あるいは5月の施行が予定されているため、それまでに厳格化後の要件を満たす社外取締役あるいは社外監査役を選任しなければならないのではないかと思うかもしれないが、そうではない。3月決算会社を例にとれば、・・・
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