従業員にとって、自分の家族の職業や勤務先はセンシティブな情報であり、少なくとも会社が強制力をもってそれを報告させることは難しい。会社が従業員の家族関係の情報を入手する目的としては「課税処理や年末調整のため」「社会保険の加入手続きのため」「家族手当や慶弔見舞金等の支給可否判断のため」「緊急時の連絡のため」などが考えられるが、家族の職業や勤務先はこれらに関係がないからだ。
ただ、近年のダイバーシティの流れや就労する女性の増加とともに、インフォーマルな形で従業員の家族の勤務先等を会社が知るケースが増えることも予想される。これに伴い問題となりかねないのが、従業員の家族が同業他社に勤務していることが判明した場合だ。会社が「同業他社に機密情報が漏洩するのではないか」との懸念を抱いたとしてもやむを得ないところだろう。
このような場合の対応として、・・・
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