女性活躍推進法に基づく男女賃金格差の開示が(2022年)6月24日、厚生労働省の第50回労働政策審議会 雇用環境・均等分科会で決定し、「2022年7月1日以後」に締まる年度から義務付けられることになった(男女の賃金格差開示については、2022年6月15日のニュース『有報での開示が見込まれる「男女間賃金格差」の解消に向けたステップ』および同ニュースで引用されているニュース参照)。
女性活躍推進法に基づく男女賃金格差の開示は常用労働者(正規雇用労働者および非正規雇用労働者(派遣労働者を除く))数が301人以上規模の企業が対象となり、①正規雇用労働者、②非正規雇用労働者、③全労働者(①+②)、それぞれについて、「終了した直近事業年度」における「男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)」をパーセンテージで開示することが求められる。「男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)」は下記のとおり算出することになる。
賃金台帳を基に、正規雇用労働者、非正規雇用労働者、全労働者について、それぞれ、男女別に、直近事業年度の賃金総額を計算し、人員数で除して平均年間賃金を算出する。その上で、女性の平均年間賃金を男性の平均年間賃金で除して100を乗じたもの(パーセント)を、男女の賃金の差異とする。 |
また、「賃金総額」の定義も気になるところだが、「基本給、手当、賞与、超過労働に対する報酬、賞与」は必ず賃金総額に含めなければならい。これに対し、「退職手当、通勤手当等」は、企業の判断により「賃金総額」から除外しても差し支えないが、その取扱いは男女共通としなければならない。ここでいう「賃金総額」の定義は所得税法(28条)に基づく給与所得に合致することから、所得税法上の給与所得を用いることが無難と言えるだろう。
当フォーラムでも注意を喚起してきたところだが、企業がこの男女賃金格差開示に対応する時間は驚くほど短い。・・・
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