不当な表示と過大な景品類の提供を防止することを目的として「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、景品表示法)が1962年に制定されてから既に60年が経過した。景品表示法は、食材偽装事件などを受け、最近では2014年に改正され、一般消費者向けに「景品類の提供」もしくは「自己の供給する商品または役務」についての表示をする事業者による不当表示等を未然に防ぐために講ずべき管理上の措置が導入(2014年12月施行)されるとともに、優良誤認表示・有利誤認表示を行った事業者に対する課徴金制度も導入(2016年4月1日施行)された(課徴金制度の内容は【役員会 Good&Bad発言集】不当表示に対する課徴金制度 参照)。
優良誤認表示 : 商品・サービスの品質を実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝したりする行為。
有利誤認表示 : 商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝したりする行為。
近年、デジタル化の進展によりキャッシュレス決済が一般化し、消費者がインターネット広告に接する機会が増えるなど、景品表示法を取り巻く社会環境に大きな変化が生じている。また、景品表示法の違反業者の中には“確信犯”も少なくなく、こうした業者は違反を繰り返している。そこで、景品表示法を所管する消費者庁は、景品表示法を社会環境の変化に対応させるとともに、悪質な業者に厳正に対処できるようにするため、2022年3月、景品表示保護法の改正に向けて景品表示法検討会を設置、同年12月まで計10回の会合を開催して議論を重ね、その結果を2023年1月13日に報告書にとりまとめ公表したところ。報告書では景品表示法において早期に改正すべき課題が示されている。上場企業としては、今後法改正につながることも視野に入れ、場合によってはアクションを起こす必要がある。・・・
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