コロナ禍が一段落し、内需、インバウンド需要がともに拡大するなど、経済の回復傾向が本格化する中、それに影を落としているのが「物流の2024年問題」(*)だ。この問題は、2024年4月より自動車の運転業務の時間外労働規制が適用されることなどを契機として輸送力が不足し(物流の停滞)、それが経済発展のボトルネックになる可能性があることを指す。
* 2024年4月より、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(平成30年法律第71号)に基づき、自動車の運転業務の時間外労働の上限が年間960時間とされる。その結果、輸送力が不足する(何も対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足が発生しうる)こととなり、現在のような物流体制を維持できなくなる可能性がある。
「物流の2024年問題」の解決に向け物流業界が期待しているのが、ECサイトなどにおける「送料無料」の表示の禁止だ。物流業界が「送料無料」の表示を嫌うのは以下理由による。・・・
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