賃上げ圧力が高まりとともに記録的な円安が継続する中、企業経営においては、コストアップへの対応と価格転嫁が最優先の課題となっている。しかも、コストアップへの対応は自社だけで完結するものではなく、サプライチェーンを通じた対応が不可欠であるため、仕入先や下請先からの取引価格アップの要請にどう応えるのかが課題となる。価格転嫁が容易ではない企業は、下請先からの取引価格アップの要請に対して取引価格の据え置きを依頼することを検討しているかもしれない。しかし、そのような“価格据え置き依頼”は下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)上の「買いたたき」に該当する可能性があることには注意が必要だ。・・・
下請代金支払遅延等防止法 : 下請取引の公正化・下請事業者の利益保護のため、下請代金の支払い遅延禁止、下請け代金の減額の禁止、買いたたきの禁止など、親事業者と下請事業者の取引に関するルールを定めた法律
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