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改正下請法、従業員基準への批判的な意見相次ぐ~パブコメ結果の解説①~

改正下請法の施行日(2026年1月1日)まで3か月を切った。改正法では、規制内容の追加や規制対象の拡大が行われるとともに、法律名も「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に変更されている(新通称は「取適法(とりてきほう)」)。

公正取引委員会(以下、公取)は、取適法の施行に先立ち、2025年7月16日に取適法関連の公正取引委員会規則の改正案を示したうえでパブコメの募集を開始し、2025年10月1日には集まったコメントに対する公取の考え方および新規則を公表した。

取適法と下請法の違い(改正点)として最も注目を集めているのが、適用対象取引に「従業員基準」が新設されたことだ。下請法では取引の内容に応じた資本金基準しかなかったところ、取適法では、下図のとおり取引の内容に応じて「300人」または「100人」という基準が導入された。

取適法の適用対象取引(取適法のパンフレットより抜粋)
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この従業員基準に対しては、法改正議論の時から「誰が、いつ、どうやって確認するのか」という疑問の声が上がっていた。資本金であれば登記等で確認でき、かつ、頻繁に動くこともないが、従業員数は外部からは容易に判別できず、かつ、刻々と変動するからだ。そのため、従業員基準の導入によりコンプライアンスのための過大な事務的負担が生じることも懸念されている。

この点について、公取の立法担当者が講演で「取引先のHPで確認する等の方法も考えられる」との発言をしたところ・・・

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