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金型等の保管費用、問われる価格決定プロセス

取引先に当面の発注見込みがないにもかかわらず金型や木型を無償で保管させていたことが、取適法(旧下請法)違反に問われるケースは少なくない。むしろ近年は、金型等の無償保管は、公正取引委員会が継続的に問題視する典型的な論点となっている(2025年1月10日のニュース『公取が「金型等保管費用」をターゲットに』参照)。

ここ数か月だけを見ても、金型等の無償保管を巡る勧告事例が相次いでいる。例えば、ノーリツ(東証プライム)は、自社が販売する給湯器等の部品の製造を委託していた下請事業者41社に対し、計5,242個の金型を無償で保管させていたとして、2026年7月8日に公正取引委員会から勧告を受けている。

また、ダイヘン(東証プライム)も、自社が販売する変圧器、溶接機、産業用ロボット、高周波電源装置、蓄電池システム等の製品に用いられる部品の製造を委託していた下請事業者69社に対し、計475個の金型等を無償で保管させていたとして、2026年6月26日に公正取引委員会から勧告を受けた。

さらに、矢崎総業(非上場)の子会社である矢崎部品も、自社が所有する金型および治工具を貸与していた下請事業者69社に対し、当該金型等を用いて製造する製品・部品の発注を長期間しないにもかかわらず、計5,235個の金型等を自己のために無償で保管させていたとして、2026年3月30日に公正取引委員会から勧告を受けている。

このように、メーカーが中小受託事業者(旧下請法における下請事業者)に対し、当面は発注見込みがないにもかかわらず金型等を無償で保管させ続ければ、取適法違反に問われるリスクがあることは、実務上広く認識されつつある。取適法違反を避けるために、発注者側が取引先に対して保管料を支払うケースも相当程度増えているとみられる。

ただし、ここで注意すべきは、「保管料さえ支払っていれば問題ない」とは限らないということだ。この点が明確に示されたのが、東証プライムに上場する・・・

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